見出し画像

まごころ 『天皇の料理番』


この記事は793文字です。


2015年、ハマって見ていたドラマ『天皇の料理番』。

ろくでなし状態だった秋山徳三が、

フランス料理の修業をし、天皇の料理番になるというお話。

その師匠である宇佐美鎌市がよく使う言葉に

「まごころ」があります。


「まごころ」にまつわるエピソードが印象に残っています。


※ ネタバレ含みますのでネタバレたくない方はご注意を。



ディナーの調理に使った鍋やフライパンを

その日のうちに洗うのは当たり前のことですが、

宇佐美は弟子たちに、

翌朝の仕込みの前にもそれらを洗うよう指導します。


前の晩に洗ってあるんだから、翌日にまた洗う必要はない。

徳三は宇佐美の意図を理解できず、

ある日、鍋洗いをボイコットします。

宇佐美は徳三が鍋洗いをボイコットしたことに気づき

徳三を厳しく叱ります。


宇佐美の口からは理由は明かされず、徳三は納得がいきません。

徳三は、同期の弟子から鍋洗いの必要性について理由を聞かされます。

どんなにきれいに洗っても、かすかな匂いが残っちまうらしいんだ。

これを聞いて鍋洗いの必要性に気づいた…

というシーンでした。


このときの宇佐美の指導は

いわゆる職人的な指導って感じで、現代には合ってないですが、

匂いや味を感じる敏感さは料理人には大事なので、

ここは自分で感じてほしかったのもあるでしょう。


それよりも


精一杯もてなす心や、

お金を支払って食べてくれる人への敬意、

見えないところにも手間暇かけるような

まごころ」こそ料理人に必要なものだと

宇佐美は教えたかったのでしょう。


まごころ、という言葉が好きになった瞬間でした。


精神科病棟に異動した年にこのドラマが放送されていました。

誰かのささやかな心遣いを感じられたとき、

ドラマを見ていた先輩とともに

「まごころだねぇ」と連呼していました。


親切でも思いやりでもまごころでも

探したり、誰かにしてみてはいかがでしょう。


お読みくださりありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?