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うっしっし、連詩したよぉ

どーもどーも。

読んでくれてありがとうございます。

さて、今回は想い出という題で入間しゅか@syukasaaaanさんと連詩しました!

いつもはTwitterで発表しますが、長い詩なのでnoteでの発表にさせてもらいましたっ


(しゅかちゃん)

→入間しゅか@syukasaaaan


(エキノ)   

→エキノコックス@echino59s 


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想い出


(しゅかちゃん)

箱を開けると

また箱があり

その箱を開けると

さらに箱がある

もっとも小さい箱に行き着くには

いくつ箱を開ければよいか


持ち主不明のまま

最後の箱は開けられることを待つ


指先にてんとう虫がいる。つぶさないようにそっと手を握る。何秒経ったのだろうか。耳元で囁く声に、見覚えがある。再生される映像はどこか懐かしい。ただでさえ儚いのに、手をひろげるとてんとう虫の体液に塗れていた。えーっと、それで……。言葉になる前にてんとう虫は翔んでいった。


遠のいて

それでいて離れない

常になにかの答えであり

常になにかの謎であろうとする


小さい小さい箱を

つまみ上げて

ゆっくりと開ける

普通電車で

各駅を眺める

ずっと海

ずっと青空

まっすぐに行く


またひとつ小さな箱を見つける


(エキノ)

開いても開いても箱が出てきて

このままずっとこうしていたら、

そのうち顕微鏡をのぞきこんでピンセットで開けることになるだろう。


えーと、電車でどこまで行くんだっけ

眠たい


つり革のような君だった。

席替えの日は落ち着かなくて

朝の教室、窓際にだれもいない机がある

君がここだよと手をあげた

きっとあそこが私の席だ


ガタン

次の停車駅は…

車掌の声に起こされた


つり革のような君だった。

けど、将来の話になると頼りなくて

君も私も不安と手を繋ぐことをやめれずに

お互いを遠ざけた。君は頼りになった。

君は確かにつり革だった。


またひとつ箱が出てきた、


(しゅかちゃん)

目覚めるとつり革に垂れ下がっていた

つり革は掴まるものじゃなくて

自分を引っ掛けるものなんだと

ひとり納得した


クラス替え初日の朝みたいに

落ち着かない

食べかけのビーフストロガノフ

なんだっけ?それ

ああ、次の駅か


プレパラートに乗せて

顕微鏡をのぞきこむ

原初の記憶は

まだ遥か遠く

風のごとく

深く

吐く

嘆息


君はどこにいるんだっけ?

私はまだ君に引っかかったままだ

でも、降りなきゃ


箱が開く

暗くも辛くもなく

箱が開く

まもなく

どうしようもなく


また箱が出てきた


(エキノ)

探している。ずっと◯を

えーと、◯のいない街は正しくない

次の停車駅は…

降りる駅だ

◯を探している

◯のいないランチタイム

◯のいない休日

熱っぽくてバイトを早退した

「ばかだなぁ」

君の口癖を思い出す

うまく息継ぎできない日々は

新緑に空は苦いくらい青い

雲の輪郭をなぞろうとした指先に

てんとう虫がとまった

君は◯だった

それが言いたかった

またひとつ箱を開ける、

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