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「親なきあと」相談室にいってきました

行ってきました。
「親なきあと」相談室。
先週、G活(グループホーム入所活動)の一環として、覚悟を決めて予約しておりました。
私も、もうこの夏、74歳になり、長女は今49歳。
死なないうちに、死んでからのことを考えよう、と人並みに思ったのです。
相談員は、「親なきあと」についての書物を何冊も出版し、あちこちで講演活動をしていらっしゃる、行政書士の渡部伸先生。先生ご自身、重度の障害のあるお子さんがいらっしゃいます。

行くまでの道のりは、気持ちが重く、これから先、どうやって生きていったらいいだろうか。私はどこから、手をつけ、どのように行動していったらいいのだろうか。
この年まで、長女を手元に置いているなんて、私は過保護なダメ母なのではないだろうか。
子の自立を阻み、子の能力をスポイルしている毒母なのではないだろうか。
長女に対し、きちんと対峙できていない、意気地なしではないだろうか。
などと、ネガティブな考えが、頭の中を飛び回り、じっとしていられないほどだったので、早く家を出すぎて、予約時間の30分も前についてしまいました。

早すぎたため、近くのカフェで時間をつぶし、数独をやってみたもの、頭に何も入ってきません。そのまま時間になり相談室へ。

事前に相談内容、家族構成などをメールで送っていたので、すぐ相談に入りました。私は一度、先生の研修をオンラインで受けていたので、経済的なことの解決法などは、理解しており、私が死んだ後の、長女の住まいについて、お伺いしました。

私の一番の課題は、長女のグループホーム入所について、ということなのですが、それに対し、先生は「発想の転換」を提示されたのです。

アッと驚く展開ですが、実は私も心の底で望んでいたことだったと気がつきました。

それは、「長女の自宅での一人暮らし」という選択もあるという提案でした。何が何でも、グループホームに入れなくちゃと言う、私のあせりが、最近、長女を圧迫し、そして自分自身の思考をがんじがらめにして、自分を苦しめていたのです。

目からうろこが落ちる。とはまさにこういうことだったのでしょう。

少し、気分が軽くなりました。

事業所や社協など利用して、訪問ヘルパー、移動支援、訪問看護、日中活動、日常生活自立支援事業などのサービスを入れれば、知的障害者の一人暮らしも、不可能ではなく、長女の特性に合わせていえば、むしろ、グループホームよりも、可能性があるのではないだろうかということです。

「何より大事にしないといけないのは、本人の意思ですよ。」との言葉に、思い当たることしきり。

全部、母である私の都合で考えていました。反省。

私が死ぬまでに、長女の入所先を決めておかなくてはというのは、私自身が安心したかったため。だけど、入所が決まったとしても、その施設が長女にあっているかどうかはわからない。

10数年前、長女は、自分からの希望でグループホームに入所したことがあります。通所の生活介護と同じ敷地内に、同じ法人がグループホームを建てたとき、「あそこに住みたい」と言って、希望に満ちて入所したことがあります。

ところが、「階段が不安だ」と言って、3回泊まって帰ってきてしまいました。そして、生活介護の通所も行かなくなってしまったことがありました。

その時は、「お泊りはしなくていいから、せめて通所だけは行こうね、」ということで、何とか切り抜けました。以来、グループホームの話はうちでは禁忌になってました。

せめて、せめて、日中活動の場だけはキープしていたい。

今の長女は、生活介護の通所は、好きで通っています。職員さんとの信頼関係もできています。だから、そこは大事にしたい。

そして、日中活動を中心に生活を組み立てていく。でも、グループホームの情報も、取り入れて、選択肢を広げていく。

もしかして、何かの縁で、長女に会うグループホームに出会えれば利用すればいいし、在宅でもいいしという、柔軟な考えでいれば、少しは楽になるかもしれません。

先生とお話をして、すごく気持ちが楽になりました。やはり、一人で考えているだけだと行き詰ってしまいますが、人に相談するということは、とても大事だなと思いました。

私は生真面目な性格で、なんでも完璧に行わなければというところがあります。ライフスタイルカルテ、「親心の記録」をダウンロードし、書き込みを始めています。

「親心の記録を、しっかり書いて、みんなに読んでもらいます。」と言ったら、

「そんなに、一生懸命書かなくてもいいんですよ。もっと気楽に。」と先生はおっしゃいました。

そうなんです。私、まじめすぎるんです。

先生の研修の時のまとめに

★社会と接点を持つ=子どものことを話せる相手を見つけておく

★状況はよくなっている、と気楽に構える。

★最低限の準備はしておく。

★いざとなったらなんとかなる!

とありました。私の主治医のドクターも言ってました。いざとなったら、周りが何とかしてくれるよ。

帰り道はつきものが落ちたように、こころが軽く、足取りも軽く、悪霊退散。京極堂に出会ったみたいな気分。

ありがとうございます。「親なきあと」相談室。

私はもう少し、肩の力抜いて、毎日を楽しく生きていきます。気楽にね。



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