効率化を目指し少人数で24のECショップを回す裏ワザ
2020年1月28日
本格的に真冬と感じられる冷たい雨が降りしきる中、第13回イーコマースフェア2020がビッグサイト青海会場にてスタートしました。
イーコマースフェアのセッションでの講演を依頼され、登壇した内容をここに残すことにします。タイトルは『24のecショップを4人で回す 少人数での複数ecショップ運用術とは』です。
1万文字を超える内容となっておりますので、お時間の許すときにお読みください。
事前のセッション申し込み状況では、同時刻の他のセッションのほうは、『残席残りわずか』のアイコンが出ており、200名席の会場が半分くらい埋まればよいと思っていましたが、ふたを開けると立見まででる反響の大きさに驚きました。(後から運営の方に聞きましたが、事前申し込みで320名だったそうです)
ECにおける先人、勝手に師匠たちから学ばせていただいた感謝の気持ちを込めて、困っている人に対して少しでも役に立てばと思いスライドにコメントをつけて公開することにしました。
▼ 複数ブランド展開で合計24ショップを運用
運用方法が違うので自社倉庫出荷ショップとモール倉庫(フルフィルメント)出荷ショップに分けています。合計しても24ショップになりませんが、複数ショップ(ブランドを分けて)運用しているのと売り上げ規模があまりにも低いショップは除外しております。
今回お話させていただきましたのは、特に重複している作業系の大幅な圧縮の方法なので、広告の運用やサイト表現のテクニックなどは紹介しておりませんので、期待している方がいらっしゃいましたら、ここで離脱してください。
▼ ECチーム構成
上長は事業部全体の責任者であり、私がECの責任者兼担当とあります。プラス3名のチームで運用しています。上長は決済のみで運用には含まれません。また、アシスタント2名いますが、私の所属する事業部全体をカバーするアシスタントなので、チーム員というわけではないですが簡単な顧客対応はしてくれます。
お気付きの方もいらっしゃいますが、コールセンターなどなくお客様からの問い合わせもチーム全体で行います。こういった部分を一切外注していないので業務が非常に多岐にわたり、チーム員の対応の対応能力によって業務負荷を変えています。
商品登録・撮影依頼(指示)・顧客対応・商品手配・商品確保・メルマガ・ツールの運用・モール施策対応などECにかかわる業務をすべてに対応しています。
▼ 売上責任はショップ軸で担当
私たちは営業部門の一つであるので、KPIは売上・粗利予算の達成です。そのためには合法かつ社内ルールにのっとっていれば何やっても良いと上長からライセンスをもらっているのである程度自由にできる環境も大きいです。もちろん、比較的大きな数字の決済額については承認をもらっていますが、トータルのコストが変わらない組み換えは積極的に進めています。
少し話がそれてしまいましたが、担当者の力量と仕掛かりのショップをメインに割り振っていきます。ただ、これについては若干不公平感が出るので担当者とはなぜ?という理由を話すことで解消しています。
▼ 24ショップはやるものではない
はい、正直やるものではないです。やったからこそ言えます。
だからおすすめはできません。しかしながら私たちはやらざるを得なかったのです。
▼ しかしやらなければならない理由が
ECというだけで伸びるといわれ、根拠のない年間目標を渡される。これが一番の理由です。ユニクロさんが前年150%以上だからうちも行けるだろう。とか、もう担当者からすると意味不明です。また、売り上げ規模の小さい会社を取り上げて”あそこは200%だ!”とか言われてしまいます。(繊研新聞2/10号にECの特集記事がありましたが、4人で回している企業は数社)
もう少し、実数字に基づいて比較してほしいというのが本音ですw
もう一つは、メーカー公式サイトとしてご購入者様に安心を与えることが出来ます。売上・粗利目標に近づけるための出店が最終的にはこのような形で効果をもたらしました。これもメーカー直営ショップという立ち位置だからこその副産物だと思っています。
▼ 当社の課題
当社のみならず、トップダウンで強化している事業主さん以外は大なり小なり同様の問題を抱えていると思います。
卵が先か鶏が先か問題で、担当者は先に投資しないと予算達成が厳しいと言い、経営者は成果が出るかわからないものに大きな投資はできないと。。。使える予算も少なく、自前でできる部分は自前でなんでもこなしていかなくてはならない状況です。
あとは、チーム員が社内に相談できる相手がいないことが問題だと思っています。幸い私にはECのセミナーや集まりで知り合った勝手に師匠を含む良き先輩方に恵まれており、相談などしています。しかし、皆さんが同じ立場とも言えませんし、4人どころか1人や2人で運用していると相談どころじゃないですよね?ここは、各々の企業個別の課題があるので何とも言えませんが、外の世界と接触することで大きく改善します。
社内で一人悩むことはありません。ぜひ休憩しに行くくらいの気持ちで外=セミナーや勉強会に参加してください。
▼ リソースとコストが足りない
先ほども申し上げた通り、ECに対して理解度が少なく実績もないため大きな投資はしてもらえません。
特に施策というよりは、商品登録に時間がかかり売り上げの低いサイトほど後回しになってしまう。そして、人がいないが故になんでもこなさなければならず、お客様対応のメールや電話から、広告予算やバナー・テキストの作成や指示、商品確保に登録、撮影指示、商品出荷まで各人がそれぞれやらなくてはいけない環境です。
▼ 社内で孤立しがち
当社はメーカーがECについて詳しい人は担当者以外いません。少なくとも担当者はその分野で一番詳しくなくてはならず、根気よく上司・役員を説得ないし実績を作りアピールしていかない限りなかなか理解してもらえないです。
だから孤独になってはいけないんです。どんどんモチベーションも下がってしまう恐れがあります。担当者が定着しなくて『車輪の再発明』になりがちです。
メーカーなので卸先や自社の他部門営業から敵扱いを受けており、非常にやりづらい環境下でもあります。
▼ 直属の上司を味方に付ける
どうやって課題を解決していったかというと、まず孤独にならないように身近な人を味方に付けます。そう、直属の上司を味方に付けるのです。良く分からない=深く入り込めない=結果だけを見て判断されてしまうので、ECとはこういうものだ、こんなことやっています、こんなニュースがあります、などと自分が所属している部署のニュースをいち早く上長に転送します。
この時コツがあって、必ず自分の意見や考えを一言添えてください。ただ転送するだけであればスパムメールと同様です。また、受け取る側が知っているであろう内容でも、考えを添えることで自信を理解してもらいやすくなります。これはすぐ実践できて、するべきだと思います。役員クラスの方と話が出来れば、EC関連のニュースを転送して良いですか?と聞いてみてください。断る役員はいないと思いますので積極的に発信していきましょう。
そのうち、あいつは情報収集が早い・できているとラベルが出来るとしめたものです。
▼ 知らないことが多いから不安に
ECについて良く分かっていないから不安になったり、制作会社担当者に丸投げや言われたことを検証できず進めてしまっている担当者も多いことでしょう。
私も担当してすぐは知らないことが多くて不安が大きかったですが、セミナーや勉強会に参加して他社の事例やツールをたくさん知ることが出来ました。そして、それらをもとに制作会社(ベンダー)さんと対等に共通言語で話をすることが出来るようになりました。
これを読まれている方が責任者の方でしたら、チーム員をできるだけ外出しやすい環境を作ってあげてください。逆にチーム員の人は上長に勉強会やセミナーに参加したいと猛烈にアピールしましょう。そして知りえた内容をチーム全員でシェアすることでまた知識が増えますし、アウトプットすることでしっかりと身に着けることが出来ます。
結論:学校の期末試験と同じで準備をすれば余裕が出ます。
▼ 自社倉庫出荷のサイトから紐解く
自動連係=エラーが出ない限りフルオートマチックで運用。基本商品登録系をしっかりとやっておけば大丈夫。
特攻店長連携=商品管理と受注管理を行っております。注文データと基幹システムが連携していないので、受注内容をみて担当者が出荷手配=打ち込みを行っています。(現在データ連携の可能性を模索中)
非連携=全く何も連携していないサイト。上記の作業に加えて、個別に商品登録・施策・在庫登録の作業が加わります。
▼ 作業の約70%を占める部分に着目
それぞれのストアを分類しましたが、やっている作業には大きな差がないことに気づきます。商品登録・画像登録・バナー作成・メルマガはどのサイトでも発生する作業であってこれらをひとまとめにすることで作業効率を上げていきます。
さきにあげた担当者の売上責任はショップ単位ですが、この商品登録からの作業は商品軸で作業を進めていきます。
▼ 商品登録はショップ軸から作業軸へ
モールを横断して商品軸で作業を進めていきます。この作業を行う前までは、担当者が同じ商品を各ショップごとに登録をしていきました。すなわち同じ作業=車輪の再発明を幾度となくこなしていました。
商品軸に変更し、それぞれのマスターを作ることで必要な部分だけを抜き出し各モールに合わせた登録CSVファイルを短時間で作成できます。簡単に言ってしまえば、手動の特攻店長(ネクストエンジンなどのモール一元管理ソリューション)です。ソリューションで賄えないショップの効率が格段に改善されチームに余裕が生まれてきました。
マクロが組める人はマスターシートからマクロ組んでそれぞれに合わせたデータを吐き出させればかなり楽になります。
▼ 商品マスターの作成例
マスターシートの例ですが、キーとなるSKU品番に対して横軸に各ショップで必要なタイトルをつけていきます。同じカラーの表記であっても、3種類あります。
また、SKU管理のショップとスタイル管理のショップがありますのでバリエーションの設定、各ショップによってキャプションの枕詞の違いやブランドの説明文を入れたり入れなかったりと商品単位でマスターを作っていきます。
ここは、各ショップや取扱品目によって変わってくると思いますのでアレンジしてもらえばと思います。
▼ 画像マスターから各ショップへのリサイズ
今度は画像マスターです。元画像を大きめ(2000ピクセル/SQ)で納品してもらいます。理由は、大きくすることはできませんが、小さくすることは容易にできます。そして、万が一プレス用に使いたいといわれた際には高解像度を要求されますので大きければ大きいほうが良いといえます。
そして、商品軸でこちらも作業を進めていきます。皆さんも利用されているフォトショップの自動処理⇒ドロップレッド(使い方はググってください)を利用してドラッグ&ドロップにて一括変換を行います。この場合は、それぞれのドロップレッドアイコンごとにどのフォルダに格納するかの設定ができるので、同じフォルダに違うサイズの画像が保存されることはありません。
▼ 商品の撮影を外注 (ECファクトリー)
この画像撮影依頼にも時短を取り入れております。
初期のころは、すべての商品に対して撮影カット割りを指示していました。これが結構手間がかかっておりました。もちろん指示が抜けてしまいあとから再撮影なんてことも多々ありました。逆に撮影側としてもじつはとても面倒な作業であったことが判明しました。理由は、一カットずつ確認を入れる必要があるのでその都度手が止まるとのことでした。
納期短縮の依頼をお願いしに行ったところ上記のことを言われたので、撮影の指示は基本の3カットはデフォルトです。それ以外についてはカメラマンがその商品の知りたいところを撮影してくださいと指示を変えました。これは非常に効果が高かったです。三方良しでお互いの負荷が減り納期が早くなったことは言うまでもありません。
▼ 劇的に改善
代表的な改善は以上ですが、作業効率が劇的に改善しました。しかしながらこれらのデータはチーム全員が簡単にアクセスできないと意味がないので、必ず共有ファイルサーバー上に置くようにしましょう。そして、自分だけが分かっていても意味がないので、わかりやすく(ファイルやフォルダ名)することがマストとなります。
その余った時間を施策に充てたりセミナーに充てたりしてレベルを上げていくことがEC担当責任者の務めだと思います。
▼ 運用は80点で良いという考え
二つ目の『優先度の高い順にリソースを』は、当たり前のことなので割愛させていただきますが、簡単に言えば、①売り上げ規模 ②作業圧縮率の高い作業を優先しました。
そして、運用は80点で良いという考え。大学の単位を取るのに80点以上で優・Aとなります。これに到達していないショップが多いので、80点に達しているショップは維持してそれ以外を最速で80点まで引き上げます。
もちろん100点を目指すべきですが、24ショップすべてを100点にすることは不可能です。なので私たちが考えたのは、80点を目指すのではなくあくまでも100点を目指すうえで、優先度の低いまたは必要のない作業を20点分抜き出しやらないという選択を取りました。
何度も言うようですが、点数を一日の作業パーセントに変換してみると、20%ほど自由になれる時間が生まれます。この時間がチーム全体に余裕を生み施策やセミナー・勉強会へ振り向くことができます。
▼ アイデアの創出 (圧倒的な量をこなす)
24ショップもバカみたいに数を増やしたからこそ言えるのですが、自分の限界を超えての仕事量で初めてどのようにしたらここから抜け出せるのだろうか?という考えるきっかけやアイデアが生まれてきました。火事場のバカチカラじゃないですが、ぎりぎりに追い込まないと先に述べたようなアイデアは出てきませんでした。
おそらく今でもショップ軸で運用して『車輪の再発明』をぐるぐるとやっていたことでしょう。元大阪府知事の橋下徹さんも圧倒的な量をこなすことで質を上げると言っておられました。
▼ 24ショップ運用のメリット
まずメリットを上げてみましょう。
メーカー直販ショップなので、公式をうたいご購入者様に安心をお届けしモールをまたがない購入者様へのタッチポイントが増加しました。
▼ 24ショップ運用のデメリット
メリットがあればデメリットもあります。特に少ないメンバーの力量が同じであればいいのですが、100の人がいれば60の人もいるわけです。ここで、ある程度負荷に差をつけるのですが上長目線で期待値を込めて決めていきます。ここで大事なのは、担当者に納得してもらうことです。お仕着せであれば、隣の芝生が良く言えてしまい愚痴の宝庫となってしまうことも。。。。
24ショップも運営していると、数千万/月のショップから数十万/月のショップまで様々です。同じ5%の売り上げを伸ばすにしても、規模の小さいところをチマチマと伸ばしても大型ショップの一日分の誤差程度。
売り上げの規模の大きいところから手を付けていくので、小さいところは後回し=浮上しにくいです。人員が追加されればこの辺りも解消されてくるので、売り上げ実績を積み上げて補充をお願いできる環境を作っています。
フルフィルメントタイプのショップは要注意です。在庫が分散して売れているところへの移動に時間とコストが掛かってしまいます。ただでさえ在庫がアパレルを中心に過剰と問題になっている中、どの企業も適正在庫もしくはぎりぎりの在庫で回そうとすると、縦に売りづらくなります。寄せるにしても引き上げるにしても物流コストがボディーブローのように効いてきますので、今後フルフィルメントタイプのショップの数店舗はフェードアウトさせる予定です。
▼ 特に在庫問題は深刻 自社出荷にシフト
先に説明したとおりですが、散らばる在庫を一か所で管理すること。すなわち少ない在庫でも売れているショップへ自動的に配分されるため結果売り上げがついてきます。
以前、自社サイトショップでは、1拠点の倉庫でしか商品の引き当てを行いませんでしたが、システムを組みなおし2拠点の在庫を引き当てることにしました。結果はメリットしかありませんでした。
今までは在庫を寄せるための横持の物流経費が掛かっておりました。ほぼ毎週チャーター便利用。発店側のピッキングがなくなり、受店側の荷受け&棚付け作業がなくなりました。当然チャーター便がなくなりますのでこの3つのコストが削減できました。運用側でいえば、毎週の商品の移動リストを作る必要がなくなりました。(約2~3時間)コスト面から商品移動しなかったアイテムが販売できるようになった。そして一番のメリットは縦に売れること。
売上目標に目が行きがちですが、しっかりとコスト面からもメリットを出せるようにしていく必要があります。
▼ 結果を出したことで何が起きたか?
卵が先か鶏が先かの問題です。少ない人数・予算で結果を出したことによって周りからの接し方が変わりました。それなりの売り上げ規模となったため会社としても無視できないゾーンに入りました。
今まで出し渋っていた予算が増えたり、追加予算も理解していただけるようになりました。これは喜ばしいことで、いつも孤独を感じてモニターの前であいつら何やってんだ!と陰口を叩かれていたのがなくなり認められた瞬間でもありました。
そうなるとデジタル案件のMTGにメンバーの誰かが呼ばれ参画するようになりました。
▼ 知らないことが多いから不安に
ECやマーケティングってむつかしい?なんだかとっつきにくいんだよね~というような声をよく耳にします。これって知らないからであって、一つずつでも良いので理解し覚えて使って結果を出していけば怖いものはありません。日進月歩は技術の世界だけではなく、ECやマーケティングにおいても同様です。今注目のツールや旬なキーワードをもとにセミナーや勉強会が各地で行われておりますので是非参加してください。そしてこれを読んでいるあなたが管理職であれば、チームのメンバーに積極的に参加を促してください。社内にいるだけでは、孤立していくし新しい情報を取ることが出来ません。最近ではCOVID-19ウィルスの影響でオンラインセミナーに振り替えて行っている今こそ社内で参加できます。(2020年2月29日現在)
参加したら、必ずチーム内でアウトプットするようにしてください。参加していないメンバーも新しい情報を仕入れることが出来ます。また参加したメンバーは、チーム内アウトプットのため自身でかみ砕き纏めていきます。私の勝手に師匠=ECエバンジェリスト川添さんからは、必ずアウトプットしなさいと会うたびに言われておりました。同時に講演会に登壇されている方とお会いしても同様に、インプットだけではもったいないし身につかないよ。アウトプットして初めて自分のものになるんだよ。と数名の方より助言を頂きました。その結果イーコマースフェア2020での登壇をお受けすることにしたのは言うまでもありません。
参加すれば積極的に横のつながり=ECやマーケターとのネットワークを構築すること。ただの名刺交換に終わらないようにするのがコツです。今ではソーシャルのおかげで簡単につながることが出来ます。
話がそれますが、私が川添さんとのつながりをお話しさせていただきます。2019年の年初に、今年は毎月一人は登壇者の方に会ってみようと目標を立てました。会うだけなら、気になるセミナーに参加してネットワーキングタイムに名刺交換すれば良いだけなのですが、目的は会うだけではなく、その後もつながりをもって行けるようにすることでした。
2月の初旬にその時がやってきました。もともとツイッターでフォローさせて頂いておりその直前にまさかのフォローバック。ここがチャンスと思いDMで〇〇セミナーに参加しますので、その際にはぜひご挨拶させていただければというような内容を送りました。
もちろん当日は、その話をはじめのネタにしてアイスブレイク後、ツイッターやnoteの内容を簡単に質問してから悩みの相談を。。。そこからが早く、その内容だったら〇〇さん詳しいから来て!といってそのまま連れていかれてご挨拶。ってさっき壇上で話していたじゃん!!そうなんです、川添さんをフックに2019年は沢山の方々とお付き合いさせて頂き、さらにはビジネスの話まで発展したケースが4件ありました。そして後押しされて川添さん主催のZOE祭りにひな壇芸人として参加させていただきました。
ストーカーではありませんが、登壇者・スピーカーとあいさつするときは、その方の発言や注目キーワード・講演内容などを調べて置くとかなりハードルが下がります。アウトプットしたことに対して、どのような反応があるのか?は登壇者の皆さん一番気になるところです。私もイーコマースフェア2020でお話をさせて頂きましたあと、数名の方と簡単ではありましたがお話させていただき、その後伝えきれなかったことをメールにてフォローさせて頂きました。
ですから、遠慮なく飛び込んでいってください。ただし、名刺交換したからと言って、その後の営業メールはNGですよ!!
大きな余談になってしまいましたが、こんな出会いがあってからいろんな情報を得ることが出来業務の幅が広がったことは私にとって最大の武器を手に入れました。運用の細かいテクニックはチーム員のほうが上ですが立場上、方針や年間計画策定、ツールの選定、ベンダー選び・対応といった際にはこのネットワーキングが力を発揮してくれています。
▼ とにかくやってみる
NIKE の Just Do It
Zootopia (ディスニー映画)の主題歌 Try Evreything
アナと雪の女王2 主題歌 Into the Unknown 未知の旅へ
ECとはInto the Unknownだと思います。組織・会社規模・理念・EC理解度・取り扱いアイテムなどによって、運用は似て非なるもの。それぞれが創意工夫して未知の旅=正解のない正解探しをしています。これを正解に近づけるには"Just Do It" "Try Everything" とにかくやる、全部やる。そして量をこなした先に質が見えてきます。ただやみくもにするものではありません。PDCAのP=プランは用意してください。他社事例は講演用に綺麗に整った内容となっています。公の場で話せる内容となっているので、本当に知りたい部分というのはオブラートに包まれていると思ったほうが良いです。その行間を読んで、さらには自社に落としてみてください。
そして、Doは小さなことからスタートさせてください。小さなことをひとつ成功、二つ成功、三つ成功と重なってきた際に担当者の眼は輝いていると思います。私はできるという自信を持たせるの良いのですが、たまに変な自信につながる場合がありますので、上長の正しい導きをプレゼントしてあげてください。
ABテストする時間があれば、さっさと変更したほうが良いです。特に極端に変わらないグラフィックに時間を割くならインパクトを与えるようなものでテストしないと結果は誤差程度になる。ECだからABテストをするのではなく、店舗と同じと考えればテストなんかせず、とりあえずレイアウトの変更をしていきます。これと全く同じで良いんです。だめならもとに戻せばいいだけの話です。
▼ 最後に
意外と多いのですが、EC担当者の社内ポジションが異様に低い企業をたまに伺います。経営陣が重視していない、もしくは通販の体験などしたことのないなどの理由で、担当者の負担が大きいと聞きます。そうなると、さらなる孤独感と業務に対する熱量が冷めてしまい悪循環のように思います。
マネージメントされる方は、ぜひ担当者の苦しみを聞いてあげてほしいと思います。組織をまたぐような話になるかもしれません。(実際当社では組織を跨がないとむつかしいところまで来ていると私は思っています)今すぐに要望を聞いてあげることはできない諸事情はあると思いますが、チーム内から上がってきた話を聞いて、関係部署に掛け合ってください。これだけでも孤独になりかけている担当者を救うことが出来ます。そしてもっとECやマーケティングのことを勉強して担当者と同じ言語で話せるようにしてほしいと思います。
これは副産物もあり、ベンダー選定時に共通言語で話せることです。良く分からないからと言って担当者に押し付けるのは上長としてNGだと思いますし、任せるのであれば上長がきっちりと責任をとれる環境を整えてください。
▼ 私からのあとがき
長々とnoteに記しましたが、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございます。読まれた方すべてにぴったりと当てはまるものではありません。100社あれば100通りの進め方があります。使える部分をアレンジしていただきより良いEC担当者の環境を作っていただければ幸いです。
私自身も偉そうに書いておりますが、出来ていない事が沢山あります。すべてを100%こなせればベストですが、日々の業務をこなしながらでは非常に難しいです。本文中にも書きましたが、やらなくてもよい20%を切り捨て、良いと思ったことはすぐに実行し小さな成功を積み上げて量をこなした上で質を高めていく。PDCAならぬPDDD。
そして、繰り返しになりますが、わからないことはその道のプロに直接聞きに行けば良いのです。忙しいとか時間がないとか言い訳せず、会いに行くために時間を作るのです。私が親友と勝手に思っている某社Sさんは、とある勉強会の懇親会が終わった後に会社に戻り、ローンチ間近の作業に戻られました。理由を聞いたら、勉強会の懇親会はその時だけ。作業はまだ間に合うからとサラリと言われました。こういうことを実行できる方はやはり所属企業でも結果を出されております。
さぁ、あなたも思い立ったら目標たててやってみましょう!
廻らない鮨を食べたいなぁ😅