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ROASを2~3倍の2~3,000%に改善するまでにやったこと10選【前編】



こんにちは、Tです
今回は、ROAS改善施策に関して知見がきれいに溜まって言語化しておきたいと思ったのでサクッと整理しておきます。

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【yahooショッピングをテーマにさせて頂きます】
まとめていたら思ったより長引いたので、前・中・後編という感じで分割させて頂きました。w
ご了承下さい


実際に私の方で担当させて頂いている店舗様のyahoo店の方では
3/5店舗がROASがいい感じに改善しており(5/5ではないのはまだまだ実力不足…??笑)
売上もいい感じに伸びているので、
どんな感じでやったのかをシェアしていけたらなと思います。
※ざっくりとしたデータのみならokと許可頂いた上で、勿論店舗名などは伏せますし、特定できない形にしてます

↑ROASの観点では一番施策がハマっているところの数字感

上の店舗様は、平均客単価が10万前後くらいの家電ブランドメーカー様で、
半年くらい社内の他のメンバーで伸ばせなかったので、私にチェンジして引継ぎし始めたのが丁度1月中旬で、2月から3月の超PayPay祭に向けて一気にテコ入れして3月から数字が劇的に改善しました。
(5月12日にこの記事を作っているので5月は途中の数字)

上記はMIMのパフォーマンスレポートですが、MIM経由売上のだけでも
数倍になりROASは2.7~4.4倍くらいになりました。

もちろん3月は超PayPay祭があったのでCVRが伸びてROASが爆上がりしたので比較が難しいと思いますが、、、

大きなイベントの無い2月・4月対比でも
・MIM経由売上高+200万
・ROAS2.8倍くらい
・CVR約2倍
・CTR+0.16%
・CPCは約60円改善
・広告費は10万円以上カット

みたいな形になっており、私もクライアントもハッピーって感じでした。(笑)

まあ、もともとの運用がちょっとボロボロだったのと、
クライアントの担当者様のご尽力・ご協力があったので全部が私のチカラとは全く思ってませんが・・

やったことを具体的にまとめていきます。yahooショッピング内と外での施策もある感じです

①MIMのチューニング

自分はいつもMIMを運用する際に
1.指名検索_自社(ex,ザバス ※自社がザバスだとして)
2.指名検索_他社(ex,VALX)
3.商品検索(ex,プロテイン )

に切り分けて運用しています。が
もともとの運用状況を確認すると、一律で商品広告(品番を登録して、品番でのcpcを設定する方法)でcpc200円、ドンっ!!!
みたいな感じだったので、すぐにKwを整理して

1.指名検索_自社(ex,ザバス ※自社がザバスだとして)
2.指名検索_他社(ex,VALX)
3.商品検索(ex,プロテイン )

↑のような感じの3つにキーワード広告を切り分けました。
1.指名検索_自社は最もCVRが期待できるので、絶対に他社ブランドや他の転売セラーに流れないように毎日管理して上位露出を確実にし、
そのうえで販売件数を地道に積むことで商品スコアを上げてcpcを徐々におとしていきました。(結果的に該当KwでのSEOも当然上がる)

2.指名検索_他社
次に他社の指名検索に関してはそのブランドを買いに来ている可能性が高い為、自社と比べるとCVRはあんまり出ません(だいたい1/5~1/20くらいの転換率になります。)が、後述するBSA広告と同時に上位での面を2~3埋めていくと結構なアクセスシェアは奪えます(競合指名の露出は楽天では非推奨だが可能で、yahooでは競合ブランドでの広告出稿は推奨されています)
自分の場合はあえて価格帯の違う他社競合ブランド(支援先の客単価が10万程度なら、2~4万程度の他社)に露出を強めにかけることで、他社のブランドを検索してきたユーザーの「あれ?ここのブランドにしようとおもっていたけど、あと数万出せばもっと高品質でな機能もあるのか・・・」という心理を狙っていきました。

そのうえで、アクセスを拾うだけひろってその場でCVを期待するのではなく、大型イベント(ビッグボーナスや超PayPay祭)や家電領域は特に日曜日(買う買うサンデー)でのCVRが爆伸びするのでそこに向けて後述するYCA広告でのリタゲ(ページ訪問者&未購入)で追っていくことでシェアをもぎ取る手法も併用して使っていました。

ちょっと難しい話になりますが、イベント日だけブースト機能などを使ってcpcを上げる設定は、まあ3流だと思っていて客単価が5万円以上の単価の商品は"検討期間"が一定生まれますのでCVを狙うポイント(大型イベントや日曜日、あるいは5の付く日)から数週間~数日逆算してcpcを微調整して早めにかつcpc安くアクセスシェア拾っていくことが重要だったりします。

この辺りを意識して、競合がブーストをかけていないタイミングで競合のアクセスシェアを奪っていく戦法が振り返ると良い感じにうまくいっていたと思います。

3.商品検索
最後に商品検索に関しては露出「キーワード」を思い切って絞るという判断が良かったと思います。支援先のジャンルも家電の中ではなかなかレッドオーシャンだったので、ビッグワードのkwではcpcが400~600円でも上位に露出できないとかざらにありました。

なので、(例ですが)「プロテイン」ではなく、「プロテイン 高たんぱく」
「プロテイン 大容量」「プロテイン 飲みやすい」みたいな形で
サジェストを切って、最も支援先の商材と相性のよい"ミドルワード"から攻めて、(ビッグワードは捨てる意思決定)
攻めると決めたら初期はcpcがかかっても無理やり取りに行きました。

具体的に言うと4つのサジェストの完全一致とその4つをフレーズ一致で設定して常に上位露出するような設定にしたうえで2ヵ月上位露出をかけ続けたことで対象Kwでの販売件数が実績となり、該当KwでのSEOも4位以内に入るようになっただけでなく、該当KwでのMIMのcpcも徐々に落ちていきました。後述しますが、ここにBSA広告も組み合わせるのが重要です。

これがハマって「指名検索以外」での売り上げが増加したことにより大型イベントの無い月(2月・4月対比で)
MIM(&BSA)経由だけで+200万円の売り上げという結果になったと思います。

連動してSEOも上昇したことによって、MIMだけでなく全体でみると+300万円ほどの結果になっており、70万円はSEO経由ですので、利益率もかなり改善しました。

2月と4月の対比データ

②BSA(ブランドサーチアド)広告の運用

前述しておりましたが、2つ目の大きなポイントととしては、BSA広告を始めたことになります。

↑BSA広告

MIMの管理画面である「ブランド広告」ってやつですね。

BSA広告の詳細について

自分が担当しているメガブランドメーカー様では例外なく全て運用しています。
簡単にいうとMIM同様に検索連動型でIMやMIMよりも上に検索結果画面として出てくる広告で、
(最近アップデートでリッチメニューも出来たんですが、それはまだ対応している担当店舗がないので、スタンダードの方とどのくらい差があるのかまた分析しますね~)
楽天でいうところのカテゴリーワード広告に該当することになります。

⇑楽天_カテゴリーワード広告

amazonだとスポンサーブランド広告に近い建付けですが、amazonの方は動画クリエイティブが可能で楽天とyahooはバナー広告になりますと。

上がBSA 下がMIM IM

広告よりも上部にSP・PC両方表示されますので、ブランド認知も取れますし、アクセスも取れます。
あんまり運用ガチじゃない競合さんとかだと自社の指名検索ワードですら露出していなかったりするので、「あ、じゃあ貰いますね~~」って感じで
cpc抑えながらブランド認知・アクセスシェア頂きまくってます。

広告競争が熾烈な家電系などは毎日cpc調整と順位チェックしないといけないくらい奪い合い激しいので、めっちゃ疲弊するのですが、
この広告と①MIMの掛け合わせでほとんどのCTRは占有出来るんですね。

マーケットに拠りますが、かなりうまく運用出来ている店舗様だとcpc100円ちょっとで回せているのでかなりコスパ良かったりします。

↑BSAだけのパフォーマンス

※結構審査もたついたりするので、準備はお早めに!

③転換率へのインパクトが絶大。値引き施策!

【前編】のラストでご紹介するのは「値引き(オファー)施策」です。
yahooショッピング他モール同様にでは大きく
・クーポン
・直接値引き
(・ポイント)
の3種類があると思いますが、自分の担当店舗は大型のバナー広告や毎日プレ割での入稿が絡まない限りは"直接値引き"を採用してます。

直接値引きの中でも、
単純な
・セール設定
・あなただけのタイムセール
・LYPプレミアム価格
とさらに細分化出来ると思いますが、
今回ROASが爆伸びした家電の店舗さんでは
シンプルなセール設定でやっています。(機会損失の最小化とユーザーに十分な検討期間を踏ませる方が効果がある為)

・セール設定
・あなただけのタイムセール
・LYPプレミアム価格

ここの使い分けに関してはこれだけで1本noteが完成するレベルに深く考察できますのでそこはまたの機会で、という感じですが

クーポンではなく直接値引きを採用している理由は、
yahooショッピングでは表示上、二重表記価格のインパクトが強いからですね。

メーカー希望小売価格はエビデンスさえ出せれば設定できるので、
直接値引きで設計した方がよりお得感が出ます。


(ただ全部が全部セールでの直接値引きだと二重表記で確実に表示されるとも限らなくて、
LYPプレミアム会員限定価格では優先的に二重表記が機能する印象があるので、商材やジャンルによってはLYPに設定する方がよい可能性も高いです。この辺りは市場感や競合との比較ですね)

クーポンではなく、直接値引きって話なのですが、結構業界だと常識的な内容でこの方法は引き継ぐ前からそのように実施されていたのでもう一工夫として、
・担当していない他モールや量販店価格まで把握
・値引き施策期間の区切り方を工夫した。
というのがあります。

担当していない他モールや量販店価格まで把握
ですが、これ結構できていない店舗様や担当者さん多くて、、、
今時高単価なものは一番安いモールから買いますからね。

大型イベント(ビッグボーナス・超PayPay祭)はメーカー様に交渉してなるだけオファー(値引き率)を強化して頂き、かつ他モールに流れないように
楽天・amazon・場合によっては量販店との価格差分で優位に立てるような値引き率にして頂きました。
(もちろん上記が出来ない店舗様も多いので、その場合は全チャネル同じ価格にして頂きました)

そのうえで、
・ファーストデイ
・29の日
・5の付く日
・日曜日
・あとは大型イベント
での施策実行はマストとしつつ、これらをうまく繋ぎ併せて
「連日割引」にしておくことで、メインでCVが生まれる

・日曜日
・大型イベント
に向けた検討期間をしっかり担保するような設計に意識的に落とし込みをしていきました。

まとめると、

・買う買うサンデー単発での値引き施策


から

5の付く日(木曜日)
イベント無し(金曜日)
イベント無し(土曜日)
買う買うサンデー(日曜日)

の4連に連ねることで、木曜日から訪問してくれたユーザーに向けて"十分な検討期間"を設けるという設計にしています。

yahooショッピングの該当月の日割り流通予測データはyahooの営業担当様と仲良くなっておけば比率データでもらえたりするので、是非やるべし

ここに極めつけで、YCAでのリタゲの%を強めての設定が効くんですね。

↑YCA管理画面

ここまでセットで値引き施策だと思ってます。

結構言われてみれば、当たり前の設計ばっかりだと思うんですが、
実際ECって「基本的なことを愚直にやれること全部やる」ってスタンスでしっかり結果が出ると思っているので中編・後編も良かったら楽しみにして頂けますと幸いです~~!!

それでは長文お読み頂き有難うございましたっ!!!











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