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失われる色素

毛髪にはメラニン色素が含まれおり、毛包のバルジ領域にある色素幹細胞がこのメラニン色素を作っています。加齢により色素細胞は作れなくなってしまいます。

 毛包幹細胞の助け

 色素細胞は成長期に毛包の根元に運ばれ、毛母細胞に渡されることによって毛髪に色を与えます。これは毛周期において成長期以外の間は起こりません。
 また、色素幹細胞は毛包幹細胞とバルジ領域付近に隣合わせで存在していますが、毛包幹細胞は色素幹細胞を維持するために必要な微小環境も提供しています。これは毛包幹細胞の作るタンパク質が色素幹細胞の分化を抑制するためです。
 このタンパク質によって色素幹細胞が過剰に分化することを防ぐため、メラニン色素は枯渇しません。

 マウスを使った実験でも加齢によって、色素幹細胞が少なくなっていき、毛包の色素細胞が枯渇していました。加齢によって色素幹細胞が減る理由は詳しいことは明らかになっていませんが、毛周期を繰り返すことによるDNAの劣化が色素幹細胞が維持できなく原因ではないかと予想されています。

17型コラーゲン

 17型コラーゲンという細胞接着分子を構成するタンパク質は、毛包幹細胞つなぎとめる役割をします。これが失われると、毛包幹細胞はバルジ領域から離れてしまい、体外に放出されます。
 毛包幹細胞は色素幹細胞の分化抑制に関わっているため、加齢やストレスによりこのコラーゲンが失われると白髪化してしまいます。これを防ぐためには一般的に健康に良いとされる習慣が役立つと言われています。

参考文献

https://www.tmd.ac.jp/mri/press/press11/

毛髪医療特別取材班著”やさしくわかる!毛髪医療最前線”2018朝日新聞出版

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