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〇 クラブハウスの盛り上がり~新しいトーク・ラジオの可能性はあるか

〇 クラブハウスの盛り上がり~新しいトーク・ラジオの可能性はあるか

【Club House Explosion : Is It New “Talk Radio”?】

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(本作・本文は約5000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ10分から5分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと17分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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〇 クラブハウス~新しいトーク・ラジオの可能性はあるか

【Club House Explosion】

1. クラブハウス(クラハ)

クラハ。

2021年1月下旬から日本で急速に広がりをみせている新しい声のSNS「クラブハウス(Clubhouse)」(アイホン・ユーザーのみが使える、アイパッドは使用可)にひと月ほど触れてみて、その感想を書いてみたい。

クラブハウスはアメリカで2020年4月に始まったサーヴィスで無料のもの。アイホンにアプリをダウンロードして使う。日本では2021年1月の4週目頃から急速に流行りだし、一挙に会員が爆発的に増えた。このアプリをごぞんじないかたのために、簡単にご紹介。

いくつかルールというか仕様がある。

招待制。誰かメンバーから招待され、会員になる。会員は最初2人を招待できる枠をもつ。なのでねずみ算式に爆増ちゅうだ。それぞれ、メンバーはお気に入りのメンバーをフォローすることができる。有名人だとフォロワーが多くなる。しばらく会員を紹介していると、招待できる枠が増えてくる。

声のみでやりとりをする。なので、声のツイッターなどとも呼ばれる。記録は残らない。基本的にはログは残らず、その場だけの会話。ルールとして録音、記録禁止。ここで知ったことは口外してはならない。とはいえ、このルールが実質的に有名無実になるのは時間の問題だろう。

メンバーになると、あちこちにできている「ルーム」と呼ばれる「部屋」の会話を聴くことができる。

自分で「ルーム」と呼ばれる部屋を作ると、そこで自分がしゃべることができ、自分が「モデレーター」(司会者、仕切り人)としてその部屋を仕切ることができる。モデレーターは複数指定することもでき、モデレーターの自分が聴きにきたリスナーをモデレーターに格上げすることもできる。

一部プライヴェート設定のものは「モデレーター(司会者)」の承認をもらわないと中に入れない。会話に参加したければ、「挙手」すると、「モデレーター」がそれを認識し、認証すると発言ができる。

「ルーム」は無数あり、始めた人が大概の場合、テーマをかかげ、それを表示する。それを見て、興味があるルームに入って聴く。ひたすら聴き専門でもよし、積極的に手をあげて参加するもよし、自分から部屋を立ち上げてもよい。ルームに来ている人数は2-3人のところから、4-50人、1000人を超える部屋まで多数。一時期5000人が限度と言われていたようだが、いまは5000人を超える部屋もある。


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2.トーク・レディオ。

トーク・レディオ。

さて、最初は僕も聴く専門だったのだが、まだ使い方もよくわからないのでいろいろなハプニングも起こった。

自分がフォローしている人が何かルームなどを立ち上げると、それがポップアップして知らせてくる。何気にそれをタップすると、自動的にその部屋に入ってしまう。立ち上げたばかりの部屋に入ると、その立ち上げた人と二人だけでしばし、「久しぶり!」ということで会話が始まったりするが、別にルームをのぞこうということではなかったので、しばし雑談して退場するのだが。何度、「久しぶり!」とやってしまったことか。(笑)

そして、あちこちの部屋を聴くようになって、感じたことは、特にモデレーターが上手で、しゃべり手のトークがおもしろい場合、これはまさにアメリカの「トーク・ラジオ」みたいなもの、ということ。アメリカの「トーク・ラジオ」は、司会者がゲストや一般リスナーからの電話などをつないで、とにかくトークが続く。

クラブハウスでは、モデレーターがいなくても、自由に話がうまくまわっていくと、これはこれで十分楽しめる。ただ司会者があまりうまく回さないと、どうしてもぎこちなくなる。

たまたま僕が拝聴したルームがどれもいいヴァイヴでひじょうに勉強になる有益なトークが聴けておもしろかった。ときには、思わずメモを取ってしまったほど。

セミナー。

もうひとつは、以前アメリカでよく参加したセミナー系のトーク・セッションに近い感じがした。僕は1980年代に「ニュー・ミュージック・セミナー」というのに何度か出席したが、数名のパネリストが登壇し、それぞれの見識、見方、情報などを話し、最後に参加者との質疑応答をするもの。このクラブハウスは、まさにそれだった。そして、実際に会わずとも、いつでも、どこでもこのトーク・セッションができるというのは、まさにインターネットが可能にした時空の超越だ。

加えて、声フェチ、声のファンとしては、いろいろな声が聴けるこの音声SNSはおもしろい。プロのしゃべり手もけっこういるのだが、すごくマイク乗りのいい人がプロ以外にもけっこういる。そしてそういうマイク乗りがよくて、話がそれほど早くなくゆっくりしゃべると、実に心地よくなる。

ただ、どうしてもゆるい雑談などだと、普通にお友達同士の深夜の居酒屋あたりでの酒飲みトーク的なものになり、なかなか長くはその部屋にいられないかもしれない。

あと、やはり、たまにいるが、話に割って入ってくる人などがいると、聞き苦しい。

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3.  しゃべり手の印象は

印象。

テレビに出ている人の印象の残り方は、何を着ているかが8割か9割で、何をしゃべったかはせいぜい1割程度だと言われる。だから都知事は何を着てテレビに出るかを一番腐心するわけだ。結果、何も残らない。都知事の場合、片かな交じりの短いキャッチフレーズを多用するので、洋服の色の次にそのキャッチフレーズが残るかもしれないが。

ではラジオに出ている人や、このクラブハウスで話している人の印象の残り方はどうなるか。僕はまず声そのもの、次にしゃべり方だと思う。最後が話の内容か。「あ、あの人の声、いいね」というのがまず印象に残る。次は話し方。変な語尾上げしゃべりとか、クセがあるしゃべり方だと、それが悪い意味で残る。耳障りということだ。悪く残ってしまうと、話した内容はほとんど残らない。

しゃべり方は、テンポ、抑揚、間の取り方、声色で様々なヴァリエーションがでる。あと、イントネーションが気になる。平板か、頭にアクセントか、お尻にアクセントかなどだ。このアクセントはなかなか文字化できないので、聴覚上の印象は大きい。

そして、それらに好感を持つか、嫌悪感を持つかは個人の趣味なのでなんとも言えないが、全体的な最大公約数的な話をしてみたいと思う。

なにより、その部屋に掲げられたテーマのトークがおもしろいものはおもしろい。

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4.海外のクラブハウス

海外。

海外のクラブハウスもえらく盛り上がっているようだ。いくつかのぞいてみて最初に目についたのが、あのMCハマーがあちこちのルームにでているのを発見したこと。まもなく、ジミー・ジャムもよく出てくる印象を持った。

クラブハウス2


ハマーのところは、参加者がかなり多く100人近いかな、彼がしゃべりだす機会にまだ遭遇していない。

ジミー・ジャムはたまたま少人数のときに聴くチャンスがあり、そのときは自分が「ジミー(ジェームス)・ハリスの本名がどのようにしてジミー・ジャムになったか」の話をおもしろおかしく立て板に水で話していた。その話は、どこか別のインタヴューでも答えてたと思う。やはり、こうしたアーティストたちの生の声が突然聴けるのもおもしろい。

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5.一日24時間。

24時間。

さて、このクラブハウスで、もっとも困るのが、時間を取られるということだ。何かをしながら、たとえば、原稿を書きながら、音楽を聴きながら聴きつつも、やはりかなり時間を取られる。1月末の時点で友人の一人がかなりはまり、寝不足になっていると言っていたので、そういう人は圧倒的に増えている気がする。

部屋によってその内容は千差万別だが、とにかく玉石混交で、いわゆる金言・至言のような言葉もけっこう飛び出す。

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一方、一足先にブームになっているアメリカでは、このクラブハウスのネガティヴな側面もあるようだ。竹田ダニエルさんが一足先にその懸念を書いている。

2021.02.15
Clubhouseが差別の温床になっている? 米国で問題視されている人種差別、性差別、デマ・誤情報の流布
文=竹田ダニエル


https://wezz-y.com/archives/86712

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声だけのSNSとして、僕はかなり自由な「トーク・ラジオ」を思い浮かべたが、もうひとつ思い浮かべたのがアマチュア無線だった。アマチュア無線は免許を持った人同士が自由に電波を発信して、自由に話す。聴くのは受信機さえあれば誰でも聞ける。免許を持っている人は、ちょっとしたルールにのっとって一緒に話すことができる。このクラブハウスを聴いていて、あのアマチュア無線時代も思い浮かべた。

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6.気づいたこと

ルール。

一月弱使ってみて、おぼろげに思ったルールがある。

① 自分がしゃべらないときは、基本はミュート(音を消すこと)。

意外なことに、生活音をよく拾い、それがけっこううるさい。海外のクラブハウスだと、しゃべる人以外はほぼミュートなので、参加者が100人以上いても、誰がしゃべっているが、すぐにわかる。日本の場合、比較的あまりミュートしない傾向が強いので、誰かの雑音がよくはいる。それと、誰がしゃべっているか、いちおうスピーカーのアイコンは点滅するのだが、わかりづらい。


② 相槌はあまり多く打ちすぎないほうがいい。

対面インタヴューだと相槌は必要なのだが、テレビやラジオのインタヴューだと声はださずにうなづく。声の相槌は、声がかぶるのでうざく感じられる。必要なポイントだけの相槌でいい。

③ パソコンのキーボードを叩くときはミュート

クラブハウスでは文字情報がないので、多くの人がパソコンなどでトークにでてきたものを検索したりするために、キーボードを叩くことがあり、その音がけっこううるさかったりする。キーボードを叩くときはかならずミュートに。

あとは、話している人の話をよく聴くこと、だろうか。

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7.個人的ルール。

自主ルール。

僕は個人的に好きではない言い方があるので、僕は使わないようにする。

~~~させていただきます。させていただいてます。これは自分の中ではNGワード。

~~~してて~~ ~~思っていて~~ で無限に文章をつなぐ方法。
これもやらない。

~~~じゃないですか。 
これはもうすでにかなり浸透してしまったが、僕は使ったことはない。

ほとんど今はみかけないが、語尾上げしゃべりは絶対にやるまいと心に誓っている。

もし自分がしゃべるなら、ワントーク2分以内に収めたい。(←目標)

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あちこちのチャンネルがあるので、同時に複数を聴くことができないのは大いなる悩みだ。人気のスピーカーたちには人も集まるからだ。

おそらく、コロナ禍とこのクラブハウスの隆盛は無縁ではないだろう。

8. これからのクラブハウス

今後。

しかし、日本におけるクラブハウスはこんごどうなっていくか。

僕の見たところ現在は始まったばかりなので、比較的良質なリテラシーの高めの人たちが集まっていていいグルーヴ、いい空気が漂っているのだが、半年くらい経つと圧倒的に一般の人が入ってくるので、空気が相当変わるだろう。そうなると、初期にいた人たちはここから出ていく。それが半年なのか、一年なのか、あるいはもっと長続きするのか、僕にはまったく読めない。

また、これでは現在マネタイズができないのだが、しゃべりを生業にしている人たちは、最初はおもしろいから使うが、どこまで無料でこれを使うか、ということにもなるかもしれない。どのような形でマネタイズする方法が生み出されるのだろうか。

いずれにせよ、ツイッター、LINEに続く大きなSNS武器だ。

武器や道具やおもちゃは、とにかくそこに登場すると使ってみて、その使い道を考えるようになるものだ。子供たちは無からおもちゃの代用品のようなものさえ作る。なにかおもちゃがあれば、思いもよらぬ使い方をする。

最初、ツイッターが出てきたとき、何をどうするの? やりかたわからない。自分のことつぶやいて誰が見るの、という疑問があったはずだ。だが、それはいつのまにか浸透すると、使いこなすようになる。つまり、道具やおもちゃはとにかく作って出してみる、ということだ。だから武器(核兵器)なども、あれば人間は使いたくなるから、廃止すべきなのだ。(←最後はオマケ)

だけど、みんなおしゃべりしたいんだなあ。それがよーくわかった。

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