見出し画像

聴取感謝 週刊音楽論#73 ブラック・ミュージック界におけるゲーム・チェンジャー~完全セットリスト+解説

聴取感謝 週刊音楽論#73 ブラック・ミュージック界におけるゲーム・チェンジャー~完全セットリスト+解説
 
【”Weekly Ongaku Ron #073” Features Game Changer in Black Music History】
 
週刊音楽論。
 
毎週一組のアーティストやアルバム、現象などにスポットをあてて紹介する音楽番組『週刊音楽論』(ナヴィゲーター、市川美絵、毎週土曜日からJFN各局で放送)。その2024年8月17日(土)から放送された第73回で吉岡正晴が「ブラック・ミュージック界におけるゲーム・チェンジャー論」と題してお話をしました。セットリストは下記に。
 
『週刊音楽論』出演は2024年6月1日から放送された第62回「レイ・パーカー論」以来約2カ月半ぶり。
 
21局のラジコ同録直リンクも下記に。
 
~~~~
 
ブラック・ミュージック界の長い歴史の中で、ある一曲やあるアーティスト、ある楽器がその後のサウンドや歴史の流れを劇的に変えた人や曲があります。今回は、そうしたまさに「ゲーム・チェンジャー」の役割を果たしたアーティスト、楽曲などをランダムにピックアップして、解説しました。
 
たとえば、電気鍵盤(エレクトリック・キーボード)ウーリッツァーが登場して以後、多くの楽曲に使われるようになったそのきっかけとなった曲。あるいは、エレキ・ギターが使われ、その後、ロックンロールの誕生に大きく寄与したもの。ブラック・ミュージック界のビジネス面的に、それまでシングル市場だったところ、ブラック・ミュージシャンとして初めてアルバムを自費で作り、リリース。ヒットさせ、ブラック・アーティストでもアルバムを作れ、支持され、売れるということを示したゲーム・チェンジャー。新たな楽器を使いその斬新な音で一世を風靡した楽器と楽曲、初めて一般発売された12インチ・シングル盤、初めてのラップ・レコード、ローランド808の隆盛に寄与したアーティストなどにスポットをあてました。
 
このほかにもいくつかゲームチェンジャーのトピックがありましたが、それはまた後日。
 
これまでのアーティスト単位の「論」とは一味違った「音楽論」をお楽しみください。
 
~~~~
 
オンエア用にメモしたもの。
 
M01 What’d I Say – Ray Charles 1959/6
 
ウーリッツァーというキーボードを初めて使って、ヒットさせた。以後、ウーリッツァーは、ブラック・ミュージックだけでなくあらゆる音楽でも使われるようになった。レイは1956年からライヴでウーリッツァー使用。
 
1963年にジョー・サンプルが購入 2003年そのウーリッツァーを初めて持ってきた。
 
ジョー・サンプルの思い出話。
 
「今ここで使っているキーボードはウーリッツァー社のものだ。ジュークボックスで有名な会社のエレクトリック・キーボードだ。ジュークボックスはニッケル(5セント硬貨)をいれるとレコードがかかるというものだな。ウーリッツァー社は初期の電気ピアノを作った会社なんだ。1955年、深夜のテレビ番組『スティーヴ・アレン・ショウ』を見ていると、レイ・チャールズが電気ピアノを弾いていた。今まで私は(電気ピアノを)見たことも聴いたこともなかった。だが私はそれを見て、レイ・チャールズに怒りを覚えた。音が気に入らなかったのだ。(客席から笑い) あれは子ども向けのおもちゃだ、ピアノじゃない、って思ったんだ。レイ・チャールズは『悪い奴(bad man)』だと思った。(客席から笑い) そして、59年か60年頃、同じレイ・チャールズがこんなフレーズを弾くのを聴いた」
 
M02 Roll Over Beethoven Chuck Berry 1956/5
 
エレキ・ギターの登場、ロックンロールの誕生に大きな影響。ギターが全面に出た曲がいいという点ではこれは象徴的。さらに、いわゆるこれを弾きながら「ダックウォーク」をしていたので、インパクトがあった。。
 
M03 "Medley: Please, Please, Please/You've Got the Power/I Found Someone/Why Do You Do Me/I Want You So Bad/I Love You, Yes I Do/Strange Things Happen/Bewildered/Please, Please, Please" James Brown
 
ジェームズ・ブラウンの1962年のニューヨーク・アポロ・シアターでのライヴ・アルバム。それまでブラック・アーティストはアルバムは売れないとされていたが、ジェームズ・ブラウンは自分は絶対アルバムを売れると自信があったので、自分のポケットマネーで制作費を出し、レコードを発売したところ、それが見事にヒットした。まさにゲームチェンジャー。アルバムを作ることの先駆者、ゲーム・チェンジャー。
 
M04 Superstition Stevie Wonder 1972/10/24 album 10/27
 
クラヴィネットというキーボード、その音色が印象的。グルーヴ感を生み出すのに大いに寄与した。ちょうど出始めの「新楽器」で、その斬新なサウンドが人々の耳を捉えた。ギターの音のようなキーボード。この「スーパースティション」以降、このクラヴィネットが一時期大ブームとなった。
 
スティーヴィー・ワンダー論もちょっとはいりました。スティーヴィーには「踊る」という概念がないにも関わらず、この「スーパースティション」はリスナーをみんな躍らせる。踊らないスティーヴィーが人々を躍らせることができるようになったのが、クラヴィネットを使ったこの曲からというのも、ゲームチェンジャーだった。
 
M05 Ten Percent (12 Inch Version)– Double Exposure 1976/5
 
初のディスコ用に一般発売された12インチ。1974年ディスコ元年以降、当初はプロモーション用だけだった12インチ・シングルが1976年、このダブル・エクスポージャーから一般発売されるようになった。以後、12インチ・シングルが大ブームとなった 。ただ、最近、1970年3月発売のジャズ・ミュージシャン、バディ・ファイトによる「グラッド・ラグ・ドール」と「フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ」が一般発売された12インチとしては、先にでていたことが発掘され、ある意味、歴史が書き換えられた。12インチに1曲いれることで、ディスコDJに重用された。
 
その詳細記事↓

 
M06 Rapper’s Delight – Sugarhill Gang 1979/9/16 (recorded 8/2/1979)
 
ラップというものをレコード化した初のもの。これ以降、ラップが大ブーム、大現象となり、今日まで大きな影響を与えている。もう一曲ファットバックバンド の「キングティムIII」がこれと同時期に出て、これら2曲が最初の一般発売されたラップ曲とされる。その後半世紀、今ではアメリカの音楽業界でもっとも売れる音楽ジャンルに育ったヒップ・ホップ、ラップのその歴史的起点となった1曲のひとつ。
 
M07 Just Be Good To Me – SOS Band 1983/6
 
ローランド808、シンセ・ドラムマシーンの登場。のちのブラコン界の様相を一気に変えた。1980年から1983 年まで販売されたLinn LM-1がライヴァル機。1983年に808の後継機TR-909が登場。プリセットの音でなく、自分でプログラムできるドラムサウンドを作れた。Linnは当時100万円から200万円したが、ローランドのものは、15万円程度で大変安価だったので、じわじわと売れるようになり、そのサウンドが一世を風靡した。808はその機材がまさにゲーム・チェンジャー。
 
ほかにチョッパーベースの誕生、アール・ヤングのドラムスの誕生、アルバムにミュージシャン・クレジットを載せたアルバム、ほかにもいくつもゲーム・チェンジャーがあるとおもうが、そのあたりは、また次回以降に。、
 
 
~~~
 
オンエア局日時一覧~ラジコ・タイムフリー・直リンク 放送日から1週間聴取可
 
オンエア局は次の通り。早い時間帯からの一覧表。各地のラジコでは、放送から一週間、タイムフリーで聴取可能。ラジコのエリアフリーと契約すると、各地の物がリアル・タイムでも、また放送後1週間聴けます。
 
全国21局ネット。
 
(2024/8/17)
毎週土曜 5:00〜6:00
Kiss FM Kobe(兵庫)
 
https://radiko.jp/#!/ts/KISSFMKOBE/20240817050000
 
(2024/8/17-18)
毎週土曜 深夜26:00〜27:00 (日曜午前2時~3時)
FM秋田/FM群馬/Radio Berry(栃木)/FMとやま/FM石川/FM福井/FM岐阜/FM三重/FM岡山/FM山口/FM山陰/FM高知/FM佐賀/FM長崎/FM熊本/FM大分/FM鹿児島/FM沖縄
 
https://radiko.jp/#!/ts/RADIOBERRY/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMKAGAWA/20240818030000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMGIFU/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMMIE/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/AFM/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMTOYAMA/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/HELLOFIVE/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMFUKUI/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FM-SANIN/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FM-OKAYAMA/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMY/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMK/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMNAGASAKI/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FMS/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/HI-SIX/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FM_OITA/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/MYUFM/20240818020000
 
https://radiko.jp/#!/ts/FM_OKINAWA/2024081802000
 
(2024/8/18)
毎週日曜 19:00〜20:00
FM山形(特番時及び最終週休止)
https://radiko.jp/#!/ts/RFM/20240818190000
 
(2024/8/19)
毎週日曜 27:00~28:00
FM香川
https://radiko.jp/#!/ts/FMKAGAWA/20240819030000
 
~~~~~
 
セットリスト Setlist on aired @JFN 2024/08/17-8/19
 
TM Detour – PanCake & Ioland
CM1 Giant Black Shadow – quasimode
 
M01 What’d I Say – Ray Charles 1959/6
M02 Roll Over Beethoven -  Chuck Berry 1956/5
M03 "Medley: Please, Please, Please/You've Got the Power/I Found Someone/Why Do You Do Me/I Want You So Bad/I Love You, Yes I Do/Strange Things Happen/Bewildered/Please, Please, Please" - James Brown
M04 Superstition - Stevie Wonder 1972/10/24 album 10/27
 
CM2 Big Shot – 3rd Force
 
M05 Ten Percent (12 Inch Version)– Double Exposure 1976/5
M06 Rapper’s Delight – Sugarhill Gang 1979/9/16 (recorded 8/2/1979)
M07 Just Be Good To Me – SOS Band 1983/6
 
CM3 All Of You – Liquid Stella
 
END Theme : Drifter – toconoma
 
~~~~
 
■期間限定同録
 
『週刊音楽論#73 ブラック・ミュージック界におけるゲーム・チェンジャー』
@JFN 2024/08/17-(約60分)


https://soundcloud.com/soul_searcher/73a 
 
ENT>RADIO>RADIO-RON>Game Changer In Black Music History

ここから先は

0字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?