見出し画像

〇山下達郎ライヴ配信第二弾~心のはかりの針を振り切って

〇山下達郎ライヴ配信第二弾~心のはかりの針を振り切って

【2nd Tatsuro Yamashita Live Streaming : No Archives Delivered 】

配信。


(本作・本文は約2000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、4分から2分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと7分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

~~~~~

〇山下達郎ライヴ配信第二弾

【2nd Tatsuro Yamashita Live Streaming : No Archives Delivered 】

配信。

「いろいろなライヴハウスでやってきたが、特にロフトとジロキチは特別な思いがある。あれから45年、ジロキチはいまでもある」

といった達郎さんの紹介の言葉が流れ、高円寺の老舗ライヴハウス「ジロキチ」でのライヴ映像が始まった。城北・年金受給・トリオ。この日は観客はいないが、関係者2-30人はいたのだろうか。けっこうな拍手が聴こえてきた。

今年(2020年)もライヴハウス・ツアーを予定していたが、予想だにしなかったコロナ禍のためにすべて中止。その結果、ライヴ映像を配信することが決まった。その第一弾は7月30日に配信されたが、その第二弾が12月26日土曜日、21時から配信された。前回同様、アーカイヴなし、この時間帯に画面の前にくぎ付けにならなければならない。

前回配信時も感じたが、やはり、「画面に動く達郎さん」が出るだけで、すごいものがある。

「ライヴは半分は観客が作る物」 「だから、無観客ライヴはやりにくい。どこを見ていいかわからない。カメラ目線は嫌いだ。」(笑)

山下達郎 ジロキチ ロゴ

~~~~~

中道。

今回のセットリストは、アコースティック・トリオに向いている曲が多いせいか、あるいはコロナ禍で傷ついている人たちをやさしく包み込むような曲が多いせいか、なぜかやたら心に沁みてくる。

大所帯のバンドではなく、たった3人のバンドということで、歌声がよりセンターに来て、歌詞なども耳に入りやすいということもあるのだろう。

「ロックとしての山下達郎」も、「ジャズとしての山下達郎」も、「ポップスとしての山下達郎」も、どれもが山下達郎なのだが、これは彼が自身の音楽を表すためによく言う「ミドル・オブ・ザ・ロード(MOR)」(中庸、中道)の究極の王道のように見える。王道の中道、中道の王道。

~~~

心の計り。

ジロキチ・ライヴのアンコールのあとに、さらに別の過去映像が流されたが、これがまた大出血サーヴィスだ。詳細は下記セットリストを見ていただくとして、1時間44分、たっぷり楽しんだ。

それにしても、45年前(1975年)にプレイした知る人ぞ知るミュージシャン/シンガーだったその22歳の人物は、30歳までに売れなければ音楽業界の裏方で仕事をしようかと思っていた。おそらく、10年後、そこに再び訪れることができるかさえ、わからなかっただろう。それが1980年(27歳)に無事ブレイク。あまりにビッグ・ブレイクしたために、逆に小さな出発点に戻れなくなってしまった。裏方ではなく、大きな表舞台に出て、しかも一線で長く活躍してきた。

冒頭にでてきたアニメの達郎君は、最後、ライヴが終わる頃にはウトウトしていた。この今日のライヴは45年前の青年の白昼夢だったのだろうか。

1975年に見ていたジロキチの入り口、階段、カウンター、壁、天井、床、客席と、2020年の今日見えていたその空間の違いをどのように感じたのだろうか。45年の歳月ですっかりくたびれた内装、その同じ場所で基本無観客でやるライヴ。しかし、カメラの向こうにいるであろう何万人の観客へ歌う演者。その落差に45年の考えられないほどの大きさがある。

45年。語彙がでてこないが、継続は力。継続は奇跡。継続は矜持。継続は信念。継続は血。継続は汗。継続は涙。それらの45年分の塊(かたまり)が画面の向こうから宇宙からの粒子のように84分間ずっと飛んでき続けた。時の重みはキッチンに置いてある「はかり」では計れないが、「心のはかり」の針を思い切り振り切らせた。

~~~

■セットリスト

山下達郎スーパーストリーミング・アコースティック・ライヴ イン・ジロキチ、2020年12月26日21時配信
[ ] denotes original artist/s.

Started 21:00
00. 本人声のあいさつ
01. Sparkle
02. あまく危険な香り
03. Paper Doll
04. 夏への扉 (+難波弘之 ヴォーカル)
05.僕らの夏の夢
06. ひととき
07. Downtown
08. What’s Going On [Marvin Gaye]
09. 蒼氓(そうぼう)
10. さよなら夏の日
11. Bomber
12. Ride On Time
(アンコール)
13. プラスティック・ラブ
14. クリスマス・イブ
以上ジロキチ・ライヴ。

(+アンコール映像)
15. My Gift To You [Alexander O’neal] (2013年12月15日リンクステーションホール青森) (+宮里陽太sax)
16. Bella Notte (山下達郎・アカペラ)(2013年12月15日リンクステーションホール青森)
17. Have Yourself A Merry Little Christmas (山下達郎・アカペラ)(2013年12月15日リンクステーションホール青森)
18. ラスト・ステップ (2013年12月24日中野サンプラザホール)(山下達郎・アカペラ)
Closing CD That’s My Desire – (山下達郎・アカペラ)
Show ended 22:44
山下達郎展覧会の告知


■ メンバー

ジロキチ・ライヴ

山下達郎 (歌、ギター)
伊藤広規 (ベース)
難波弘之 (ピアノ、ローズ)

■前回配信ライヴ記事

山下達郎配信ライヴ~テレビで動く山下達郎を見る~客入れBGMを含む完全セットリスト付き
2020/07/31
https://note.com/ebs/n/nd76dbd2ed98a

~~~~~

■サポートのお願い

ソウル・サーチン・ブログは2002年6月スタート、2002年10月6日から現在まで毎日一日も休まず更新しています。ソウル関係の情報などを一日最低ひとつ提供しています。

これまで完全無給手弁当で運営してきましたが、昨今のコロナ禍などの状況も踏まえ、広くサポートを募集することにいたしました。

ブログの更新はこれまで通り、すべて無料でごらんいただけます。ただもし記事を読んでサポートしてもよいと思われましたら、次の方法でサポートしていただければ幸いです。ストリート・ライヴの「投げ銭」のようなものです。また、ブログより長文のものをnoteに掲載しています。

オリジナルはソウル・サーチン・ブログ
ソウル・サーチン・ブログ・トップ
https://ameblo.jp/soulsearchin/

noteでの記事購入、サポートのほかに次の方法があります。

方法はふたつあります。送金側には一切手数料はかかりません。金額は100円以上いくらでもかまいません。

1) ペイパル (Paypal) 使用の方法

ペイパル・アカウントをお持ちの方は、ソウル・サーチンのペイパル・アカウントへサポート・寄付が送れます。送金先を、こちらのアドレス、 ebs@st.rim.or.jp にしていただければこちらに届きます。サポートは匿名でもできますし、ペンネーム、もちろんご本名でも可能です。もし受領の確認、あるいは領収書などが必要でしたら上記メールアドレスへお知らせください。PDFなどでお送りします。

2) ペイペイ(PayPay) 使用の方法

ペイペイアカウントをお持ちの方は、こちらのアカウントあてにお送りいただければ幸いです。送金先IDは、 whatsgoingon です。ホワッツ・ゴーイング・オンをワンワードにしたものです。こちらもサポートは匿名でもできますし、ペンネーム、もちろんご本名などでも可能です。もし受領の確認、あるいは領収書などが必要でしたら上記メールアドレスへお知らせください。PDFなどでお送りします。

3) サポートしたいが、ペイペイ、ペイパル、ノートなどでのサポートが難しい場合は、 ebs@st.rim.or.jp までご連絡ください。銀行振込口座をご案内いたします。(ちなみに当方三井住友銀行です。同行同士の場合、手数料がゼロか安くなります)

コロナ禍、みなさんとともに生き残りましょう。ソウル・サーチン・ブログへのサポート、ご理解をいただければ幸いです。

ソウル・サーチン・ブログ運営・吉岡正晴

本記事はnoteでも読めます
Noteトップ
https://note.com/ebs

ANNOUNCEMENT>Support

~~~~

ここから先は

12字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?