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藤井 風 HELP EVER HURT NEVER  OFFICIAL PIANO SCORE 演奏のコツ⑨「帰ろう」ピアノ・ソロ

 弾くときに気がついたこと、気をつけたポイントをまとめてみました。OFFICIAL PIANO SCOREで演奏するときの参考になれば幸いです。
 さて、2020年2月7日にオフィシャルスコア最終曲として、動画アップしたのがこの曲でした。実は、記載していない曲が2曲(「さよならべいべ」、「きりがないから」)あり、今後の掲載としたいと思います。

Intro 0:00

*これから何かが起こるのか?というイントロですが、心穏やかにあっさりと弾いています。p(ピアノ)の部分は、イントロからの冒頭と後奏のみです。抑えた音量で弾きましょう。

A 0:15

【歌詞】あなたは夕日に溶けて わたしは夜明に消えて もう二度と 交わらないのなら それが運命だね
*7小節:歌をよく聴くと、「あなたはゆうひにとーけーてー」と平板になっているのではなく、「あなたはゆうひにとー」「けーてー」となっています。「とー」は少し弱めで、一度切って「けー」に軽いアクセントをつけています。以下、同様です。
*10小節:「もういちど」「まじわらない・・・」と類似の音形の繰り返しでは、二度目(まじわらない・・・)を、心持ち弱めに弾いています。
*12~13小節:大好きな部分です。「それが」で軽くクレッシェンドして、(ピークはうん「め」い)急速に弱くします。このクレッシェンドのときに、左手が先行して右手が乗っかるイメージで弾いています。

B 0:37

【歌詞】あなたは灯ともして わたしは光もとめて 怖くはない 失うものなどない 最初から何も持ってない
*14小節~:メロディー繰り返し部分は、左手伴奏に動きが出てきます。左手音形の中で、一拍目の音がベースとなりコードの重要な音を弾いているのですが、それ以外の拍の音のみ留意しています。例えば、15小節ではでは、右手に合わせて、左手2拍からの、「E、D、C♯」を意識します。
*16小節:右手、「ひかりも」弾きにくい部分です。「り」を4で弾いていますが、4の指が滑りそうになります。
*18~19小節:10小節と同様です。18小節では、特に左の音形をしっかりひいて、19小節を少し弱めにすると、「さいしょから・・・」の部分を盛り上げやすいです。
*20小節:Cにむけて、また何かが起きそうな気配を感じます。
*21小節:もって「な」い にアクセント。歌をよく聴くと、「な」「い」と、一音ずつ際立たせています。

C 0:56

【歌詞】それじゃ それじゃ またね 少年の瞳は汚れ 5時の鐘は鳴り響けど もう聞こえない それじゃ それじゃ まるで 全部 終わったみたいだね 大間違い 先は長い 忘れないから
*緊張感を帯びたこのパートを弾くために重要な点が3つあります。①左手がスタカートになってますが、ブツブツと切りすぎて鋭い音にならないように、かつ控えめに鳴らします。②歌のアクセントは、22小節目では それじゃ それじゃ ま「た」ね、と「た」についています。以下同様で、しっかりと強調しましょう。③歌詞が小節の始まりと一致していません。つまり、23小節では「しょうねん・・・」、24小節では「ごじの・・・」というように、これらの歌詞はじまり部分を意識して弾きます。
・25小節:この曲の中でも、一二を争う「エモい」小節です!!けど「もう」きこえ・・・の「もう」の音を大きく強調したくなります。しかししかし、ここはぐっと我慢の子で、さらっと抑えて弾いて、むしろ次の き「こえない」にピークをもっていく弾き方が好きです。いかがでしょう??
・28小節:抑えめとはいえ、左手スタッカートの世界から一転して、超レガート。ここでも歌詞に留意して。「おおまちがい」「さきはながい」「わすれないから」と、フレーズがわかるように弾いています。少し、テンポを速めると緊張感がでるようになります。
・29小節:Dにむけて重要な転換点ですが、4拍目のA7(9)は控えめに、メロディーの邪魔にならない程度がいいと思います。少しritがはいってDとなります。

D 1:17

【歌詞】ああ 全て忘れて帰ろう ああ 全て流して帰ろう あの傷は疼けど この渇き癒えねど もうどうでもいいの 吹き飛ばそう 
*素晴らしいサビの部分です。ついつい、たっぷりとゆっくりと弾きたくなるのですが、それは禁物!!想像よりも風さんは、淡々と歌っています。重要なのは、テンポをキープすることです。それと、盛り上がってきているようで、まだここはmfです。後半のクライマックスにfはとっておきましょう。
*31小節:ここでも、歌詞を重視して「わすれて」「かえろう」「あー」のきれめを意識します。それから、風さんのアレンジでよくみられる「歌詞がのっていない音」の弾き方に注意、具体的には大きくなりすぎず、メロディーを際立たせる・・・があります。
*33小節:「かえろう」の和音、エモいですよね!Aは♯ついていないので注意。
*31小節:左手でいうと、この音形の中で、第一拍とともに重要なのが、最後の8分音符です。ここを強調してコード進行をリードするような感じにしています。
*36~37小節:クレシェンドして、ピークは ふきと「ば」そう。
*37小節:ここで、もう一つの重大問題があります。ふきとば「そ」う の右手は32分音符です。曲のなかで、何箇所か同様の部分があるので混同しないように弾きましょう。

E 1:38

【歌詞】さやわかな風と帰ろう 優しく降る雨と帰ろう 憎みあいの果てに何が生まれるの わたし、わたしが先に 忘れよう
*38小節:ここの左手も美しいです。2拍目から、E、D、C♯、Bの対旋律(?)を意識したいです。ほんとは、あまり大きく弾けないですが・・・・。
*39小節:左手4拍目のA♯、重要な音です。
*41小節:右手3拍目の「ろう」の和音はよく間違えました。Aは♯なしです。
*43小節:右手が裏打ちのリズムでテンポが速くなりやすく、左手3拍4拍をしっかり強調して押さえます。
*44小節・左手クレッシェンド。

F 2:04

*間奏がfになっています。個人的には、あまり大きな音で仰々しく弾かないほうが好きです。右手4拍目の音にアクセントつけたくなりますが、そこはほどほどに。
*51小節:右も左も弾きにくいですね。右手Dm7/G部分の和音は、4つから3つに減らそうかとも・・・・なんとか4つで弾いています。同部位の左手もリズムが合わせにくいです。Aは4指で弾いています。

G 2:16

【歌詞】あなたは弱音を吐いて わたしは未練こぼして 最後くらい 神様でいさせて だって これじゃ人間だ
*GおよびH部分は、急に難易度が上がります。ここでの工夫を3つ示します。①ペダルは少なめで、左のリズム感を強調する。②左は常に2拍目にアクセントを意識(いつもの風さんパタン)して、4拍などにもアクセントつけたくなる音形が出てきますがそちらは少し軽めで。③左をクッキリ弾きながら、右メロディーを右和音に埋もれないように、かつレガートで歌う。
*52小節:mfですが、この部分は少し音が大きくなっても、明るくテンポを保って弾いています。
*53小節:前半よりも音がだいぶ多くなていますが、は「い」て は同様に、「い」を強調して、「は」と「い」のあいだは続けないイメージです。以下同様。

H 2:36

【歌詞】わたしのいない世界を 上から眺めていても 何一つ 変わらず回るから 少し背中が軽くなった
*59~60小節:左の音形の動き、気持ちいいですね。「わたし・・・」までしっかりクレッシェンド気味で弾いています。
*67小節:21小節と同様に「なっ」「たー」は一音ずつ際立たせて。

I 2:57

【歌詞】それじゃ それじゃ またね 国道沿い前で別れ 続く町の喧騒 後目に一人行く ください ください ばっかで 何も あげられなかったね 生きてきた 意味なんか 分からないまま
*Cと違って、左は動きを感じる音形です。できれば左手2拍目にアクセント(ですがむずいです)です。
*68小節:入りの部分は、「それじゃ・・」とささやくイメージで小さめの音です。
*71小節:ここもCと同様で「ひ」よりは「りゆく」に強調します。
*75小節:ついつい速くなりやすい部分です。ritというよりは、たっぷり弾くイメージのほうがあっているかもしれません。

J 3:17

【歌詞】ああ 全て与えて帰ろう ああ 何も持たずに帰ろう 与えられるものこそ 与えられたもの ありがとう、って胸をはろう 
*ここからは、もう一気に行ってしまいましょう。Dと違って、右手に伴奏和音が入ってきます。メロディーを際立たせるとともに、この和音が均等にリズムを刻んできちんと聞こえるように意識しています。
*79小節:左手2拍目からのリズム変化、かっこよいです。
*80小節:Dとはメロディーラインが違います。単調にならないように朗々と歌いましょう。
*81小節:ここの4拍目「もの」に、ひとつのピークをもってきています。
*82小節:83小節にむけて、「ありがとうって」を心持ち小さめに、そっと弾いています。
*83小節:右手2拍目の4つの和音にアクセントでたっぷり、4拍目の右手はあまり大きくならず、むしろ左手を渾身の力で弾いています。

K 3:38

【歌詞】待ってるからさ、もう帰ろう 幸せ絶えぬ場所、帰ろう 去り際の時に 何が持っていけるの 一つ一つ 荷物 手放そう
*85小節:左手4拍目のA♯強調しています。87小節も同様です。
*88小節:右手3拍目から、コード進行が特有になってきて終わりが近いを感じます。
*89小節:クレッシェンド
*91小節:右手1拍、2拍をしっかり弾いて、その後のリズム変化を意識します。

L 3:59

【歌詞】憎み合いの果てに何が生まれるの わたし、わたしが先に 忘れよう あぁ今日からどう生きてこう
*93~94小節:「わたーし」にピークが来ます。
*96小節~:少しずつ小さくなって、終わりをむかえます。

M 4:19

*後奏です。Introよりむしろ小さめ。104小節右手は少し強調しすぎたかもしてません(反省)。

以上です。

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