藤井 風 HELP EVER HURT NEVER OFFICIAL PIANO SCORE 演奏のコツ①「風よ」ピアノ・ソロ
演奏するときに気がついたこと、気をつけたポイントをまとめてみました。OFFICIAL PIANO SCOREで演奏するときの参考になれば幸いです。
さて楽譜を購入して、まず2020年10月25日にこの曲から動画アップしようとしたのは、あの(!)「意味深な」MVが公開されたからでした。すぐさま何度も観ては、そのストーリーと奥に秘められているだろうテーマに惹きつけられました。ピアノ曲としては、風さんも書いているように終盤の「自由なテンポで」というアドリブ部分はまとめにくく難しさがあります。
Intro(0:00)
右手拍頭の装飾音をどうするか?という大問題があります。1小節目以外は弾いていませんでしたが、いかがでしょうか。弾いたほうが細かいニュアンスが加わるのかもしれませんが弾けません!
*1小節:まず、ここをどう弾くのか悩みます。結果的には、装飾音である(E#)のみ前に出して、アルペジオの最上音(F#)を左手とあわせるイメージで弾いています。
*1~9小節:右手の内声の動きでコードを感じます。左手は各小節ともに、上行とともに少しクレッシェンド、そして下行でディミヌエンドでしょうか。
*5小節~:同じ音形の2回目はmfで。左(15)214321の指使いで、4拍で少しクレッシェンド。
*8小節:左手は(15)421の指使いで弾いています。手が小さいもので(泣)
*9小節:上行(15)21432 右234 左432
*10小節:アルペジオはそーっと、ゆっくりあせらずに。
A(0:30)
【歌詞】暮れる 町の侘しさも 変わる 人の空しさも 全部 乗せて風は行く 流れゆく 雲に乗る
このメロディーがシンプルで、同じ音形を繰り返しているのですが、歌と違ってピアノだと単調になりやすく難しいです。そこで、風さんの歌を何回も聴いて、アクセント(強調)を大げさなくらいにつけました。
*5小節:アクセントは、「ま」ちのわびしさ という感じで、「ま」につきます。
*12小節:右手のさ「も」のリズム注意です。「さ」は四分音符です。
*17小節:左手の3拍目、リズムに注意して、合いの手をいれましょう。
B(0:55)
【歌詞】今日の 悲しみを乗せて 明日の 喜びを運んで 全部 風が連れてゆく 或るべき場所へ
*19小節~:メロディー繰り返しはmf。左手伴奏がかわります。少し動きを感じて弾きました。
*20小節:左手4拍め(21)35の指使い。
*21小節:「あすの~」の入りは少し小さめでそうーっと。アクセントは「よ」に。
*22小節:右手内声の変化を感じて、美しいです。
*25小節~:ここから【C】の新しい世界へ向かって飛んでいきます。「ばしょ」からクレッシェンド
*26小節:右手4拍の(D#)注意です。
C(1:18)
【歌詞】吹き荒れて 流れ流れ 今はもうこんなところ 飛ばされて ゆらり揺られ ふと思う ここはどこ
*左手の「たーた、たーた、たーた、たーた」というリズム。それに右手の内声があわさって、「うねり」が生じます。
*28小節:右手3拍めの内声の和音注意です。「いまは」の「い」にしっかりとアクセント。
*29小節:右手3拍めの(D#)、綺麗ですね。4拍めも(D#)です。
*33小節:左手2拍めにアクセント
*34小節:左手3~4拍めでややクレッシェンド。
D(1:43)
【歌詞】祈る どうか導いて 願う どうぞ連れて行って 握る 手は離さないで 胸はって 飛んで行かせて
*38小節:右手内声と左手で3拍、4拍のコード変化を聴きましょう。
*39小節:右手「にぎる」の「に」にしっかりとアクセント。
*42小節:3拍めの和音から、新しい世界に入っていきます。
*43~44小節:歌でのアドリブ的な音の動きは、とても難しいです。44小節の3拍め、4拍めはしっかりとクレッシェンドで、ややrit気味で、やおら【E】へむかいます。
E(2:13)
【歌詞】風よ ここへ来て 私だって 行きたいけど 飛べない この鳥は 宙に舞って 急に落ちて 傷だらけの羽広げるだけ
*EからFの関連を考えてみます。Eで全く新しいメロディーが出てきます。Eがクライマックスであり55小節からフィナーレに入り、GはCodaでしょうか。
*45小節:右手の「か」ぜよ しっかり聞こえるように。
*45小節~:左手音形は、風さんおとくいのパターンであり、2拍めのアクセントを意識するとグルーブ感がでます。
*47小節:右4拍目 綺麗です。
*48小節:3拍め、4拍目で変化するリズム。左右ともにしっかりと強調します。
*50小節:各拍の冒頭を左右あわせて、同時にコード変化を感じます。
*51小節:1拍目の三連符は、あまりうるさくならずに、小さめの音からクレッシェンド。けっしてスタッカート気味にならず、テヌートでしっかり押さえます。
*52小節:左手の音形が大切な役目をしています。
*55小節:とっても難しいです。4拍めはいそがずに、しっかりと入りましょう。
F(2:45)
【歌詞】吹き荒れて 流れ流れ 今はもうこんなところ 飛ばされて ゆらり揺られ ふと思う ここはどこ
*クライマックスです。appasionato 情熱的、いや熱情的でしょうか。
*57小節:一番の聴かせどころです。この小節だけで重要なポイントが3つあります。1つめは、左手の拍頭のBはソステヌートペダルを使って持続させています。2つめは、左手のクロスする音形ですがとても弾きづらいです。ちなみに弾き語りのほうは、クロスせずに両手で弾くようになってます。このような違いに気づくのも楽しいですね。そして、3つめは4拍めの「いまは~」の入りを、ゆっくりしていることです。左手クロス部からの流れで技術的にそうなったという面(笑)もありますが、いい感じに盛り上がっていると思いませんか?
*59小節:クライマックは続きます。左手3拍からのD→Db→Cがしっかりと聞こえるようにします。4拍め右手和音注意です。
*62小節:祭りの終わりが近づいています。「ふとおもう」ですでにmfくらいでしょうか。
*65小節:フェルマータはしっかりと、休符もしっかりと感じます。
G(3:14)
【歌詞】祈る どうか導いて 願う どうぞ連れて行って 握る 手は離さないで 胸はって 飛んで行かせて
*66小節:コーダです。そーとはいりましょう。4拍目の和音に注意。
*67小節目:右手2拍め~の上行はもう少し小さめがベターでした。
*71~73小節:歌のアドリブ部分はほんとに難しいです。さらっとあっさりめに弾いています。
*74小節:ゆっくり、そーっと。
*75小節:フェルマータのあとの装飾音は弾いていません。
Ending(3:47)
*76小節:「とんでゆかせて」の「て」の音が拍頭の和音に含まれています。際立たせるために、Bだけ先に弾いています。
*83小節:上行は左→右→左で。
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