コロナ総括❼なぜ日本政府は国民から低評価なのか?
各国の対策を比べると日本はかなり手厚いことがわかる。不評の理由はほかのところにあった。
対策の決定があまりに遅い
国民からの印象を悪くした最大の理由は、政策決定までにかかる時間が長かったことだろう。下記、主要国のコロナ対策予算(メイン対策)の成立時期を並べてみた。数字は1次予算(1)、2次予算(2)を表している。
フランス:(1)3月20日、(2)4月17日
アメリカ:(1)3月27日、(2)4月25日
イギリス:(1)3月11日、(2)3月17日
イタリア:(1)3月11日
ドイツ:(1)3月25日
韓国:(1)3月11日 (2)4月30日
日本:(1)4月30日、(2)6月12日
説明するまでもなく、日本の突出した遅さが目立つだろう。
加えて言えば、この予算が成立するまでの「政治的駆け引き」がまた、印象を最悪にした。生活者への給付でいえば、自民党の岸田文雄政調会長案の「低所得・減収世帯30万円」案が当初決定され、それが世論の反発を受けて、同じ自民党の二階俊博幹事長や公明党が推す「住民一律10万円」へと変化していく。
給付スピードを考えれば一律が合理的だが、岸田案で当初決定されたのは、同氏がポスト安倍の筆頭候補であり、首相も影響力を残すため彼に配慮した、という裏事情があった。
そうした政治的思惑で決定まで曲折があったことで、国民の気持ちが離れた。さらにその続きで、農林族や観光族などから和牛券・お魚券・旅行券の話まで重なり、イメージは地に落ちていく(詳細は◎章を参照)。
池上彰氏もドイツの文芸救済を称賛!
でも中身は空疎なもの……
続いて、「文化芸術」関連への救済対策の打ち出しに失敗したことも大きい。各国の文化芸術対策費を見ると以下のようになる。
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