格付け

正月になると格付けチェックという
テビレ番組が放映される。
いつのまにやら長寿企画となり
家族や親族とワイワイ見る恒例行事に
なっている方も多いのかもしれない。
超高級バイオリンと初心者用を
聴き比べてどっちが超高級かを当てたり
超高級ビンテージワインと
フツーのワインを飲み比べてどっちが
ビンテージワインかを当てたりするわけだ。
芸能人が一流、二流、三流と
容赦なく振り分けられる。
超一流の俗物サルバドール・ヱビは
この番組をボーっと見ていたのだが
超現実世界が見えてしまうのである。
私がこの番組に出演したとしたら
超高級ワインとフツーワインを
躊躇なく混ぜるだろう。
ビンテージワインとフツーワインは
混ぜられた瞬間
驚きのあまり痙攣を起こす。
想定外の異常行動が引き起こした
その痙攣から発生した香りを私は
目をつぶりながらじっくり堪能する。
そしてゆっくりゆっくりと飲む。
ビンテージワインとフツーワインの
時間軸の開きから醸し出される
罪深き味に脳が痙攣し私は絶頂する。
その次に
ストラディバリウスのバイオリンと
初心者用のバイオリンを
同時に鳴らして演奏してもらう。
私は目を閉じて聞き入り
その音質と音域の差異の
ゆらぎの中でうごめく
オノオノの楽器の魂の叫びを聞き取り
私は涙しながら再び絶頂する。
ストラディバリウスを舐めてキスした後
私は「超一流の俗物」という
特別枠の椅子に座り不可抗力で
ハードモードになってしまっている
ミートスティックだけがアップされ
放映される事態になるだろう。
ビンテージフツーワインを
よだれのように全身に垂らし官能的に
ビショビショになってしまっているが
一応服は着ているので
そこはご心配なく!

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