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仕事人生は中間管理職時代が一番長い。いい管理職になるために

学生時代は中学から数えるとたったの10年。仕事人生はなんと43年もあります。定年まで平社員。すぐ経営陣に入って取締役になってしまう人を除けば全ての人の仕事人生のほとんどは中間管理職として生きるのです。その長さはなんと約30年以上です。だから早く管理職になって管理職という仕事に慣れたほうがいいと思います。

私は人生で2つの大企業の系列会社に勤務していました。一つは平社員。もう一社は中間管理職。20代で中間管理職になって最初の頃は苦労の連続でした。年上の男性の部下ばかりだったからです。私よりも圧倒的に社歴も長いクリエティブの方たちはマイペースかつ管理されるのが嫌いでした。一日何をしているのかを把握できないだけでなく夕方から出社するのに「忙しから身体を壊さないのか心配」と自分で申告してしまうので、何も言えませんでした。だから目の前の仕事を回すためには自分でやるしかないと思っていたましたがこれがダメ上司だとわかったのは20年も後のことでした。

その頃のダメな原因は周りを信頼していないことにありました。あまりにも急な仕事が多いので、説明の時間がもったいない、時間がないから自分でやらないと間に合わないと思いこんでいました。最悪です。10人以上のチームの一応リーダーなのに仕事を上手にふることができなかったのです。

ダメ管理職にも関わらず毎晩徹夜して髪を振り乱して間に合わせるために目を充血させて頑張る私に経営陣は「頑張っている」という評価をしていました。在籍する10人のデザイナーやコピーライターに信頼して仕事を上手に渡せず信頼できずに自分だけでやっている気になっていたのです。30年前は女性管理職というだけで珍しく多分女性というだけで下駄を履かせてもらっていたようです。

チームの仕事のクライアントとの窓口業務の全てを担当していましたが、夜の9時頃オリエンを受けて明日の朝9時にはプレゼン。この夜中作業のループから抜け出せなかったのです。クリエティブの場合、微妙なクライアントの好みというのがありそれを言語化するのが難しいことがあります。同じクライアントを何度も同じチームで担当して、議論していくうちに作るものや考え方がシックリしていくのです。デザインで必要な、好みの書体や好みの色だけでは語れない、余白の取り方等の微妙なニュアンスを上手に伝えることが私にはできませんでした。

当時は、夜半にオリエンを繰り返して、外部のデザイナーさんと仕事をしていました。外部のほうが無理を聞いてくれるし理解してくれると思っていました。でもそれは「説明がわからない」「時間がない」「きちんと説明してくれない」と部下から言われることから逃げていたのだと思います。それが逃げだとわかったのもかなり後のことでした。

振り返ると、一番いけなかったのは正常な納期をクライアントと決めていなかったことにありました。プレゼンまでの時間をたった3日貰っていれば社内のデザイナーと組めたと思います。彼らも十分力を発揮できたと思います。私は管理職としての力のないことを棚に上げて、自分が「早いね」とクライアントに評価されることに、ラクなほうに逃げてしまっていたのです。

当時の反省も含めて、しばらくしたらいい管理職と悪い管理職の見分け方がわかるようになりました。仕事の「丸投げ」の仕方です。いい管理職は信頼して何かあったら自分が責任をとる覚悟で全て部下の成長のために丸投げします。手柄は全て部下。良くた出来たら周囲に言い続けます。悪い管理職は手柄は自分、ダメなら部下のせいの丸投げです。ラクするための丸投げは周囲に不満しか残りません。そして丸投げを早くされる信頼される部下は将来のいい中管理職候補です。

起きている時間のほとんどは仕事をしていて、仕事の人生のほとんどは中間管理職。だから早く管理職に慣れたほうがいいと思います。いい管理職になる前にまず管理職が喜ぶ行動をとれる部下になることですよね。

管理職になってもつまらないと言う方もいますが、何年に一回くらいこの人と一生働きたいという部下という戦友に出会うこともできます。それだけでなった甲斐があるというもの。中間管理職を楽しむことは人生を楽しむこと。まずは部下を信じて小さな成功体験をさせてあげてください。

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