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(15)塾長先生
塾長先生は若い。27歳だ。
塾長先生に進学フェスティバルに行った結果を知らせなくてはいけなかった。
自分の番が回ってきた。
出願資格もない、そう言われたから諦めます。この学校には行けません。ときっぱり言った。
言えた、良かった。私だって行きたかったし、それをモチベーションに勉強してきたもん。
予想しなかった答えが返ってきた。
それでいいのか?行きたくないのか?
私は、キョトンとした。行きたくても、行けないんです、学校が認めないんです!口調は強かった。
だから、諦めるの?!
なんて話の通じない人だと思った。私は行きたいけど、学校がダメと言っていました、だから諦めます!叫ぶように言った。
先生は私が頑張って勉強してきたことを私に語り出す。
そんなことは分かってるよ。私だって行きたかったよ、でも試験を受けることすらできないんだって言われたんだよ。涙がこぼれた。
間があった。
先生を見上げたら、先生も泣いていた。男泣きだった。
しばらくして、先生は、私が近くの県立高校を受験することを快諾してくれた。
私が行きたかったところは、どうやら塾長先生の母校だったようだ。母校が、自分の塾の生徒を拒否するなんて信じたくなかったようだ。電話をして問い合わせてくれたんだろう、こんな思いを先生にまでさせて本当にごめんなさい。
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