あの日困って泣いていた小さなわたしへ。
使わなくてもあるだけでいい。
小学校に子供が通うようになって8年、どうしても叶えたかったことのひとつ。
それは生理用品をトイレに設置すること。
昨年秋、やっと叶えることができました。
子どもの通う小学校は、全校生徒は500人弱。
1学年2-3クラスの小さな小学校。
その学校内の14か所のトイレ個室に5個ずつ生理用品を設置。
この生理用品で小さな女の子たちの「困った」を少しでも解決出来たらどんなにうれしいだろう。
そう思って、きっと今日もボランティアの保護者がトイレを巡回してくれています。
それは、かつて小さな女の子だった保護者たち。
すべては、多かれ少なかれ生理に関するトラブルを乗り越えてきた同志のような力強い保護者たちが力を貸してくれています。
生理で困ったことありませんか?
ちなみに、学校だけでなく、出かけた先で突然の生理に困ったことはありますか?
ananでは88%の女性が外出時、想定外に月経が始まって困ったことがあるという調査も。
それが小さな子どもだったら、尚更ではないでしょうか。
学校のトイレに生理用品を設置した手順。
「やりたい!」と思ってもひとりではできないので、最初に行ったことは仲間探し。
PTAの有志でトイレに生理用品設置の活動ができないかの打診をして仲間を募集したところ、たくさんの保護者が協力を約束してくれました。
しかも、皆さんふたつ返事で。
協力してくれる保護者が集まったことで、小学校側に活動の相談として校長先生・教頭先生との話し合いの場を設けてもらいました。
正直、学校側のスタンスは「学校に迷惑をかけなければ」というもので、思うところが色々とありました。
学校は継続するか分からないことに手は貸せない、とも。
設置を了承いただけたので、保護者ボランティアが学校のトイレを巡回して生理用品を補充しています。
使用する生理用品は、当初保護者からの寄付で賄っていましたが今年度からはPTA予算で購入できるように!
今後の目標は、生理用品のストックはPTAやボランティアで管理をしつつ、手洗い消毒やトイレットペーパー補充とともに児童が補充できるように学校と連携を取れるようにすることです。
学校も保護者も願うのは、子どもにとって学校が快適な学びの場所となること。その思いは一緒なので、どうにかよい着地をしたいものです。
苦々しいわたしの記憶。
初潮を迎えたばかりの小学生であれば、大人以上に周期も安定せず予期せぬ生理に困ることも…..
わたし自身のことを思い出す。
小学校6年の春、4時間目に突然の生理に。
トイレットペーパーを重ねてどうにかした応急処置。誰にも相談できず、汚したスカートを見てトイレの中で泣き出したこと。
いつもならポケットにナプキンを持っていたはずなのに。
保健室に行けば生理用品をもらえることは知っている。
でも、そんなところをクラスの誰かに見られたら….
そう思うと恥ずかしくて出来なかった(これは自分の問題だけど)
「どうしてお母さんは今日、ナプキンを持たせてくれなかったんだろう」
「もう学校にいたくない、帰りたい」
ぶつける先は母しかなく、帰宅してからは泣いて責めた。
それは、30年経った今も鮮明に思い出せる苦々しい記憶。
その後の数日間は学校に行けませんでした……
あの日の自分のように困った子どもが居たら「大丈夫だよ」と言ってナプキンを渡してあげたい。
欠かさず、トイレに置いておきたいと思うのです。
ありがとう、をありがとう。
時を経て、図太くなり、急な生理どころでは動じなくなりました。
それでも、苦々しい記憶は無くなりません。
先日、ナプキンの補充で女子トイレにいると、個室から出てきた女子児童が一度出て行ったの戻ってきて「いつもありがとうございます」と声をかけてくれました。
その子が生理用品を使ったかどうかは分かりません。
それでも、わざわざ声をかけてくれたことが本当にうれしかったです。
こちらこそ、声をかけてくれてありがとう。
生理用品を持っていない状況は、「準備ができていなかった」という理由だけでなく、「準備できる環境にない」ということもあります。
子どもたちが学校で安心して過ごせるようにするには、まだまだ課題がたくさんあります。
学校に来れない子どもたちも同様に、学びの機会を得られるにすることも喫緊の課題です。
これからも、一つ一つに根気よく取り組んでいくこと。
小さな声を集めて、誰かの「困った」をこれからも解決していきたいと思っています。
(おまけ)
小学校で児童向けに配布したプリントはこんな感じです。
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