愛は無力なものだね

先日の12th YEAR BIRTHDAY LIVEにて林瑠奈ちゃんと松尾美佑ちゃんによって披露された『行くあてのない僕たち』がとても好きだったので今の感情を文字起こししておこう、と思い立ち、これを書いています。

まず前置きしておくと、私はこの曲自体元々好きです。オリメンのパフォーマンスはもちろん、曲の背景やこれまで他のメンバーによってパフォーマンスされてきたものも全て含めて好きで、今回のバスラでも見れるのか楽しみな曲のうちの一つでした。

そして、林瑠奈ちゃんと松尾美佑ちゃんの組み合わせ、これもとても大好きです。好きになったきっかけは、日刊スポーツのコラム「林瑠奈の負けるな!しょげるな!乗り遅れるな!」に載っていたこちらのツーショット。

日刊スポーツ

エッ……なんかこの2人、お顔の相性が良過ぎない…………??身長も同じぐらいだし……

それに加えて、同期×同い年×同じ血液型のフルコンボ。シンメ厨の血が騒いで仕方がありませんでした。

ちなみに私がこの2人を松尾林でもなく、松林でもなく、るなみゆでもなく、みゆるなと呼ぶのは、遥か昔、瑠奈ちゃんが2人のことをみゆるなと呼んでいたからです。今2人がどう思ってるかは知りません。2人の関係性に勝手に名前をつけられて嫌だと思っているかもしれません。だったらごめんなさい。嫌だったら言って?直すから…(メンヘラ)

今の「まつおさん」「はやし」と呼び合う2人も勿論大好きですが、「みゆちゃん」「るなちゃん」と呼び合っていた頃の2人も可愛くて好きです。いつか美佑ちゃんとお話しする機会があったら、「るなちゃん」って言ってもらおうと思っています。

2人の初期をリアルタイムで追えていなかったので、私の知らない2人の出来事が沢山あると思うし、もっと前からみゆるなの良さを知っていたよ〜!!という方も沢山居られると思うのですが、それはそれ、これはこれです。私はみゆるなが大好きです。

前置きが長くなりました。本題に戻ります。

私は『行くあてのない僕たち』が披露されたDay2は配信で観ていたのですが、当日の昼に友達と話していて、「行くあてはみゆるなで…」と言っていたのもあり、イントロが流れた瞬間に心拍数が上がりました。

そして映し出される赤の瑠奈ちゃん、青の美佑ちゃん。思わず「勝ち」と呟きました。

前に述べた理由から、シンメとして“強い”ことは確定していた2人ですが、これまで目立って2人でなにかユニットを披露したり、曲のオリジナルポジションでシンメを組むことはほとんどありませんでした。そのため、このライブで、このタイミングで、まさか本当に見れると思っていなかったので単純に驚きもありました。

色の配役も完璧でした。赤が好きで、赤が似合う、サイリウムカラーがピンク×ピンクの瑠奈ちゃんと、乃木坂随一の白さを誇る、ターコイズが好きで、サイリウムカラーがターコイズ×白の美佑ちゃん。赤い炎と青い炎、動脈と静脈、赤坂と青山(?)

炎は、情熱的なイメージの赤色より、冷たいイメージの青色の方が温度が高いじゃないですか。個人的に、瑠奈ちゃんはわかりやすく熱い女(そこが好き)だけど、クールに見える美佑ちゃんも実は熱いところがあるんじゃないか?と思っているので、それも含めて、この配色はぴったりだなと思いました。

それに2人ともとても肌が白いので、行くあての衣装の深い赤と青がとても似合うんです。同じぐらいの身長で骨格バランスの近い2人が色違いの衣装を着て立ち並ぶ姿は圧巻でした。今度から赤青鉛筆のことはみゆるな鉛筆と呼ぼうと思いました。

似た背格好の女の子2人が対照的な色を纏って立ち並ぶとすぐプリキュアに例えてしまいたくなる愚かなプリキュア初期世代の私ですが、ステージ上の2人を観ていると東大寺の金剛力士像を思い出します。歌が得意な瑠奈ちゃんが阿形、ダンスが得意な美佑ちゃんが吽形ですかね。

そしてAメロは瑠奈ちゃんのソロパートから始まります。

夜明け前 サービスエリア
止まる長距離バス
シートを倒して眠る
君はどんな夢を見てる?

行くあてのない僕たち/乃木坂46

瑠奈ちゃんの歌声が大好きなんです。思えば最初に気になったきっかけも歌声でした。少し低めで、透明感があって、歌詞ひとつひとつを大切にしているのが伝わってくる言葉がはっきりとした歌い方が、この曲にもぴったりでした。

あどけないその寝顔に
胸が締め付けられ
少しだけ外の空気に
頭 冷やして来よう

行くあてのない僕たち/乃木坂46

美佑ちゃんの綺麗な透き通ったような歌声も好きです。クリスタルボイスってこんな声のことを言うんだろうなと思います。

生まれた街を捨て
君の手 引きながら
偶然 乗り込んだこの夜行便

行くあてのない僕たち/乃木坂46

2人が手を合わせて円を描くこのシーン、Day4のエンドロールにも採用されていましたね。気持ちはわかります。2人が手を合わせた瞬間、身体に電流が流れたような気がしました。

行くあてのない
僕らの旅は
どんな結末が待つのだろう?
理想だけでは生きて行けない
愛は無力なものだね
しあわせなんて
追い求めても
何も見えず虚しくなるよ
人もまばらな駐車場には
エンジンをかけたままの
寂しさが響いている

行くあてのない僕たち/乃木坂46

4期生で唯一アンダーセンターを経験した2人がこの曲を任された意味を感じました。2人ともパフォーマンス中の表情の作り方がとても上手いのは周知の事実だと思われますが、今回もそれが遺憾無く発揮されていました。2人の意志の強さを感じさせる瞳には、悲壮感は映っていませんでした。

そして、なんと言っても今回のパフォーマンスのベストシーンは2回目のサビで目を合わせて踊る部分です。ここで初めて笑顔が見えるんです。かなり衝撃的でした。後から過去の映像を可能な限り見返したのですが、この曲で笑顔が出たのは今回が初めてでした。みゆるなが目を合わせて踊っていたこの数秒の景色は、死ぬまで忘れないと思います。

この広い会場を2人きりで支配している感覚が楽しくて堪らない!とでも言いたげなその笑顔にゾクゾクしました。

2人がその数秒笑顔を見せたことにより、本来絶望を歌ったこの詩が、希望の意味合いを持ったように感じました。結末が決まっていないからこそどこまでも行ける、理想も愛もしあわせも、そんな普遍的な基準になんて左右されない、そんな力強さを感じました。

そして冷静になって改めて思ったのですが、この2人、まだ二十歳なのが末恐ろしいです。本当にどこまでも行けるんじゃないでしょうか。2人がどこまで行くのか観ていたいし、結末を見届けたいです。

あまりにパフォーマンスの威力が強過ぎて、『行くあてのない僕たち』のあと腰が抜けたように呆然としてしまっていたのですが、次の次の『シークレットグラフィティー』でこれまた同じ赤と青のオリジナル衣装を纏い、さっきとは違う笑顔でシンメを組む2人を観て完全に骨抜きにされました。ここまでの流れセットでこの4日間のベストアクトだったと思っています。

林瑠奈ちゃんと松尾美佑ちゃん、とても素敵な景色を見せてくれてありがとうございます。またひとつ、私にとって大切な記憶と大切な楽曲が増えました。これからものびのびと自分の思うように生きて欲しいし、2人が一緒にパフォーマンスをするのを少しでも多く観られる機会があれば私はとても幸せです。2人の未来を楽しみにしています。


伊勢 海老子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?