何かの声

何か大切なことを忘れて、それなのに気づかないまま、また新しい何かを知っていく。
しかし、学べば学ぶほど何か大切なことを忘れてしまったのではないかという喪失感が肥大化していく。
もしも、大切な何かを思い出したら、今と全く同じように、今を忘れたことに気づかないのかもしれない。
それでもいいと思えるのは、その何かはこの世界で唯一、私だけを待っているという事だけを明確に覚えているからだ。そうでなければ、学んだところで喪失感が湧き立つこともなかっただろう。
何かが私を待っている。
これは確信のない運命だ。
幾つもの選択肢があるのに、呼ばれるまま突き進むことしかできない運命だ。
何かが私を呼んでいる。
#詩

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