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詩集

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2015年8月の記事一覧

彼岸

もう少ししたら、じきに人混みは減るだろう。
そのあと花火を見に行こう。
祭りに行くのも、海に行くのも、人がいなくなってからでいい。
僕ひとりだけでなら、何もない夜空に花火を見れるし、閑散とした中でも祭囃子を聞くだろう。
そして、海の中で現実に戻るのだ。

理不尽

今日も理不尽が輪になって
小さな命をつついて殺す。
ねぇ、誰か気付いてよ。
行き場のないSOSが宙を舞う

傷つきたくない、ああなりたくない
いつの間にやら強い者の味方になった。
理性は全体主義に押しつぶされて
見て見ぬ振りできるようになったんだ。

伏し目がちに歩いてやり過ごせ。
助けを呼ぶ声も気に留めず
惨い場面も我関せず貫いて
オレは知らない、絶対悪くない
本当に強いのは誰?
群れて

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HNF

いくつもの声が朝に焼けていった
何もない街 何かの形をした命
彼が何をした? 彼女が何をした?
君たちは変わらずに見てるだけ。

一粒の雨が頬を流れていく
朝も夜も関係のない別世界
お前は誰だ? こっちにくるな。
眠れない夜をただ生きた。
忘れたい。忘れたい。

忘れやしない
たぎる命を。