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詩集

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2015年7月の記事一覧

いったいぜんたい

立ち昇る陽炎に歪む蝉の声
人の群れが天を仰いだ先に梅雨が明けた
日影を探すのが得意な猫は
街を眺めて夢を見る

この頃はちょっと嫌なことが多すぎて
ブルーに染まってシャットダウン
暮らしは楽にはならなくて

猫の手を借りても足りないくらい
こんな日が来るとかマジあり得ない

どうなってんだホント
何やってんだボンクラ
誰が一体ぜんたいあんな
奴らに主導権を渡したのかさえも
分からない

名もなき隣人に愛を込めて

画面の中の小さな世界。
責任の所在は曖昧なまま、次々と物事は決められる。
子供騙しのレトリック使って。
作者不明のリリック書いて。
「準備完了」「戦意高揚」
万歳を三唱 さぁ行こうよ!
ドン・キホーテは愛国者?
夢なら寝てみろよサイコパス

「雨が降ったから別にいいか」
それが招いたこの状況はどう?
後の祭りが血祭りに変わる。
我関せず貫く猿芝居やめて。
寄ってたかって叩いてたって、言葉の価値

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Hello Fixer

愚者は率先的に人の上に立ちたがる
アレが悪い、コレが悪い
何もかもが感情論で語られる
進める淡々と やめてよ単細胞
俺たちにとっちゃ目の上のたんこぶ
一挙手一投足 頭がどうかしている証拠
「あなたは天才」「あなたはカリスマ」
今日も豚をおだてるフィクサーは誰?

足を引っ張り合って 羽根がもげて
きりもみしながら落ちていく
或いは相手を出し抜いて
罠にはめて自分さえ良ければそれでいい

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永遠なる三秒間(泉鏡花作 外科室より連想)

目と目が合って影が重なり
お互いが残り香に包まれる
高鳴る心拍数 遠ざかる足音
違う道を歩く二人はすれ違っただけ
眠りにつくまでそばにいて