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笛の音色にご用心。

笛の音色にご用心。

外出自粛で街を出歩く人が少なくなりました。
「おかあさんといっしょ」も気付けばスタジオの子どもたちがいなくなり、お兄さんお姉さんとキャラクターのみで番組を進行している…。
出演者が遠隔で番組出演したり、スタジオでも距離を空けて進行したり。テレビ業界の対応も変わってきました。

「街から人がいなくなる」というワードで、なぜか「ハーメルンの笛吹き」というお話を思い出しました。
グリム童話の中でもひと際、異彩を放つこの作品は実際に起こった事件がモデルとなっています。

その前にまずはあらすじを簡単に。

1284年、ドイツのハーメルンという町ではネズミが大量発生。住民たちは困り果てていました。
ある日、町長さんは「ネズミを退治した者には褒美をやるぞ!」と呼びかけます。

すると、どこからともなく派手な洋服を来た男が現れ「ネズミを退治するから褒美をください」と言いました。町長をはじめ、住民もこれを快諾。
男は手にしていた笛を吹き、町中のネズミを集め、川へと誘導。男の合図でネズミたちは1匹残らず川へと飛び込み、溺死してしまいました。
しかし町長と住民は約束を守らず、男に褒美をあげませんでした。

男は1度、ハーメルンを離れますが1284年6月26日に再びハーメルンの町に現れます。この間と同じように笛を吹くと、今度はネズミではなく子どもたちが次々と集まってきたのです。
男はそのまま大勢の子どもたちを連れて町の外へ。二度と戻ってくることはありませんでした。

…というお話です。
ネズミを退治するまでのやり取りはお話によって多少、表現の仕方が変わりますが、最終的に子どもたちが町からいなくなってしまうというオチはどの本でも共通です。

いなくなった子どもは130人。
ハーメルンの教会にあるステンドグラスにはこの出来事が描かれているらしい。このステンドグラスは遅くても1300年までには完成していただろうという話。正式な年代は不明なのね。
しかも1660年に1度壊されてしまい、現在のステンドグラスは残っていた文献を基に復元されたものらしい。

子どもたちが失踪した理由は謎。いくつか仮説があり、それについて詳しく検証している本や報告もあるそうですが、ハッキリとした結論は出ていないのだとか。事件の詳細も分からず。

ハーメルンの笛吹きが子どもたちを連れて通ったとされる道は「舞楽禁制通り」と名付けられ、今でも音を立てずに静かに通るよう義務付けられているのだとか。

教訓。「約束を破ると大変なことになる」

笛の音色には気をつけましょう。
昨今、新型ウイルス関連で根拠のない情報やデマが広がり、商品が棚から消えたり、買い求める人たちで行列になったり。噂が噂を呼び、また新たな噂へ。
もちろん不安や心配もあります。でも、笛の音色に踊らされて大切なものまで見失わないように。
自分が出来ることは何なのか。今できることを慌てず、確実に、と思う今日この頃です。いつまでこの状況は続くのでしょうか…。


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