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春を愛する人。

さて今年もこの日がやってまいりました。
親愛なるサルバドール・ダリ先生の作品を展示している福島の「諸橋近代美術館」が本日から冬期休館に入ります。

初めて諸橋近代美術館を訪れたのは2019年の6月でした。
当時は「シュルレアリスムとダリ〜幻想と驚異の超現実〜」が開催されていました。

諸橋近代美術館は福島の山奥に佇むヨーロピアン調の美しい建物が特徴です。
この外観だけでかなりテンションが上がります。
さらに美術館の入り口に置いてあるマットが「アリ」であることに並々ならぬスタッフのこだわりを感じます。入る前からココロオドル。

そして、館内にたくさん展示されたダリの作品。
その中でも特に「テトゥアンの大会戦」の迫力が忘れられない。天井まで届くほどの大きな大きな作品で圧倒されました。ずっと見ていたかった。

私が個人的に好きなのは「かたつむりと天使」という彫刻作品です。
ダリが心理学者のフロイトの元を訪ねた際、自転車に張り付いていたカタツムリにインスピレーションを受けて制作された作品です。
カタツムリの殻の上に天使がちょこんと乗っているのが可愛くて。お気に入りです。

ここに初めて来たのは福島旅行の時。
旦那さまの家族とお出かけしたので、その時は義両親と義妹夫婦、そして義弟が一緒でした。
当時はまだ新型ウイルスなんて無かった時期で。
マスクもつけず、人との距離も気にせず出歩けた1年前がもう遠い昔の出来事のような感覚。その年の末から今年にかけてこんなことになるなんて想像もしていなかったあの頃。

ここは、日本で1番ダリ先生に近い場所だけあって「超現実磁場」が発生していると思われます。
それは、館内を見学したあと、素敵なお庭を眺めながら屋外でコーヒーを頂いていた時に起こりました…。

ホットのお紅茶を飲んでいたお義母さん。
すると突然、大きな虫が落下してきてお義母さんのお紅茶にin!!
ホットの紙コップ容器の飲み口って、めちゃくちゃ小さいじゃないですか??
あの小さな穴に見事ストレートでin!!

私はその瞬間を見ていなかったのですが「昆虫全落オープン」を真横で見ていた旦那さまが終始「さすがサルバドール・ダリ~!!」と興奮しておりました。笑

あと、義弟のスマホがポケットから落下し、画面が粉々になりました。一瞬の出来事。
超現実磁場にスマホが引き寄せられたのかな?(いや、ただの不注意。笑)

そんな超現実な何かが起こるのが、ここ「諸橋近代美術館」です。(違う。)

本当は今年も行く予定だったんです。
「ダリとハルスマン」という企画展が見たくて…。

でも世界中が大変な状況になり、お出かけどころではなくなってしまいました。
また少しずつ感染が拡大しているので心配です。
そして自粛している間に企画展は終わってしまいました…。こればっかりは自分の力でどうこうできるものではないので仕方のないことです。

美術館には行けなかったけど、zoomでギャラリートークが開催されたので嬉しかったです。おかげで行った気分を味わえました。
それまでオンラインやリモートはなんだかちょっと苦手意識があって疎遠にしてたけど、初めて「文明の利器、役に立った!!」と思った瞬間でした。
諸橋近代美術館のスタッフの皆さん、ありがとう。

冬眠から目覚めるのは2021年4月24日。
その頃、今の状況はどうなっているのでしょうか。
少しでも明るい方向へ…と願うばかりです。

ダリ先生、今年は大変な1年でしたよ。春になったらきっと、きっと、会いに行きます。
その時まで、おやすみなさい。

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