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冬の板谷峠

奥羽本線(山形新幹線) 板谷駅にて

私にとって鉄道写真の原点の地、板谷峠山形新幹線開業前の4駅連続スイッチバック時代の終焉ギリギリに通うことができ、思い出多き場所。しかしながら秘境駅の赤岩駅が廃止となり、そしてこの冬(2023年1月10日より)から板谷駅大沢駅が冬季閉鎖となり全列車通過扱いになると年末に発表。居ても立ってもいられず、現地に赴いた。


奥羽本線(山形新幹線) 板谷駅にて

長年板谷峠に通っていながら、そういえば撮ったことがないな、と思ったのが、スノーシェルターからの山形新幹線。たまたま駅に向かって歩いていたら構内踏切が鳴って慌てて撮った一枚だが、印象に残る一枚となった。


奥羽本線(山形新幹線) 板谷駅にて

かつてスイッチバック駅だったころの板谷駅スノーシェルター。保線用として線路は標準軌となっても残っている。物音しない通路では足音だけが響く。


奥羽本線(山形新幹線) 大沢駅にて

板谷駅とともに冬季閉鎖となってしまう奥羽本線大沢駅。こちらもかつてスイッチバック駅だったころの線路が保線用として標準軌となっても残っている。駅の入り口から乗降ホームまでが板谷駅に比べて遠く、しかも雪深い。冬場は特に除雪をされても歩くのはきつく、こうした駅構内の除雪費用もバカにならない。冬季閉鎖は時間の問題だったのかもしれない。


奥羽本線(山形新幹線) 大沢駅にて

大沢駅に進入する山形新幹線「つばさ」。駅の冬季閉鎖により、冬場での撮影は困難となり、恐らくこの絵も過去帳入りとなるだろうか。来年以降は雪が降る前から閉鎖されるのか、今年と同じタイミングで閉鎖となるのか、想像がつかない。


奥羽本線(山形新幹線) 大沢駅にて

この日は大雪で列車の運行ダイヤが乱れていた。上りの普通列車が遅れて大沢駅に到着。するとこちらも遅れていた下りの山形新幹線が赤信号のため停車。上り列車が発車して間もなく下りも青信号となりゆっくりと動き出した。詳しいことはよく分からないが、恐らく転轍機の関係で停車したものと思われる。まさか大沢駅でこのような並びが撮ることができようとは。


奥羽本線(山形新幹線) 板谷駅にて

実は米沢市は昨年から板谷駅大沢駅からそれぞれ米沢市内のエリア内乗降自由可能な「山上のりあいタクシー」(いわゆる予約制乗り合いタクシー)のサービスを始め、自宅から病院やスーパーなどへ行く人にとっては便利となり、スノーシェルターを通って遠い駅のホームまで歩く手間も省けるのでほとんど鉄道を使わなくなってきたという。今回は豪雪地域での誤乗防止、そして除雪の手間を省く意味で冬季閉鎖となったが、このタクシーサービスが定着したら通年での駅の休止、そして廃止も現実化されよう。板谷峠を貫く「米沢トンネル」も具体化し、ますます板谷峠の現状から目が離せなくなってきた。

板谷駅と米沢市内を結ぶ「山上のりあいタクシー」(https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/secure/11183/itaya_R040215.pdf
大沢駅、大小屋と米沢市内を結ぶ「山上のりあいタクシー」(https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/secure/11183/oogoya_oosawa_R041015.pdf

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