見出し画像

peterson Strobo Stomp2 VS-S2の修理(2台目)

peterson Strobo Stomp2 VS-S2、2回目の登場。

以前修理した物とは別の物です。


症状を確認していきます。

電源を入れると、画面がホワイトアウトしてしまいます。

何も見えない!織田裕二も叫びます

見えなくなる前は画面が動いてるので、チューナー機能は生きてるっぽい。

なので、画面のみが何か不具合ありそう。


分解して中身をチェックしていきます。

ジャックは1/4インチ

裏蓋のネジ、基板のコネクター、ジャックのナット、XLRのネジ、フットスイッチのナットを外して基板を取り出します。

基板を外して判ったんですが、以前の持ち主さんが修理しようとした跡がありました。
コンデンサとか交換されてましたが、容量も同じだったのでここは大丈夫そう。

色々交換されてましたが問題無さそう

それとフットスイッチもALPHA製に変わってましたね。

ここで、不具合がある部分が上の基板か下の基板かハッキリさせる為に、正常なもう一台のVS-S2の基板を使って確認していきます。

下の基板を入れ変えた所、画面がホワイトアウトしないので、不具合は下の基板と言う事が判りました。

下側の基板は正常品で上側は今回の故障品

下の基板を故障品と正常品をテスターで測って見比べたところ、電源レギュレーター周りのダイオードがおかしいと。

ダイオードが繋がってる先は電源のレギュレーター。

電源を繋いでみて、上の基板に繋がってるコネクターの電圧を測ったところ、故障品は低い。

電圧が低い

この辺が故障の原因っぽい。

まず、5Vのレギュレーターを交換してみます。

LM2675M-5.0というレギュレーターが付いてるんですが、手に入らない。

代わりに使えそうな物を探して探して見つかったのがLM2594M-5.0。
これ脚の配列やらなんやらめちゃくちゃ調べて、わざわざ海外のサイトから買った物。

これを交換しました。

これを手に入れるまで1ヶ月は掛かった

しかし、全く直らず。

織田裕二もパニック状態

パーツを探してた時間や手間が全て無駄。

気を取り直して、5Vレギュレーター周りの回路を色々調べました。

コンデンサーやダイオードの容量が正常品と違う値が出てきてたので、それを取り外して計り直したりしました

取り外すと正常値のコンデンサ

そこである事に気が付きました。
+5Vの電圧とグランドの抵抗値がどうもおかしい。

ここの間に入ってるパーツが不具合起こして電圧がリークしてるっぽい。

大体の原因は判ったんですが、+5Vとグランドの間に入ってるパーツって無数にあって、しかも回路図無し。

しかも見つけたら1個ずつ外して確認しなきゃ判らないという状況。

作業が地獄過ぎる。


ここで余談ですが、昔ベースアンプを修理した時のお話。

ベースのプリアンプ部分のヒューズが飛ぶ症状でした。

調べた所、+15Vと-15Vの抵抗値が1KΩくらいしかなくて、これが原因でヒューズが飛んでるっぽかった。

回路図見て、+15Vと-15Vに繋がってるパーツ全部外したんです。

なのに、抵抗値変わらず、ヒューズも飛ぶと。

結局どこで抵抗値が出てるのかも判らず、しかも基板も廃盤で在庫なく、修理不可となってしまいました。

こんな話をやりながら思い出してました。


パーツを色々調べてたんですが、基板を見てて、あるパーツが目に付きました。

C9のコンデンサが正常品はセラミック、故障品には電解コンデンサが付いてます。

正常品のC9はセラミック
故障品の方はチップ電解コンデンサ

しかも正常品は明らかに交換した跡が残ってます。

テスターで調べると+5Vとグランドに絡んでます。

これはかなり怪しいと思い、取り外して抵抗値を確認しました。

そうしたら、抵抗値が解放されたかの様に高くなってたんで、原因はこの電解コンデンサだったようです。

ここまで来るのに長かった。

しかも、不具合の出る箇所petersonも解ってたっぽい。
なので、どこかのタイミングでこのコンデンサが電解からセラミックに慌てて交換したんでしょ。
その交換した個体が前に修理して持ってたVS-S2だったんだと思います。

メーカーでは実はこういう事よくあるw
この私も、SN0001〜0120までの本体に不具合のあるIC付いちゃってるから販売前に全部交換しろ!みたいな事言われて、毎日10台ずつとかやってたもんw

C9のコンデンサは1uFなんですが、チップのセラミックなんて持ってないんです。
仕方ないので、仮でフィルムコンデンサ付けておきました。

大きいフィルムコンデンサしか持ってなかった

抵抗値も測り、正常なのを確認。

抵抗値も正常

問題は取り外したり、交換したパーツを全部戻す作業。
これが地獄の作業。

動くところまで戻して、動作確認します。

画面もホワイトアウトせず、正常に映りました。

ここまで長かった

残ってる交換したパーツも元に戻すんですが、チップのコンデンサが1個交換されてたので、ついでに新品の物に全部交換します。

導電性高分子アルミ電解コンデンサという1個150円もする高級品に交換。
てか、同じ大きさ容量のがこれしか無かった。

黒いのが交換したコンデンサ

このコンデンサを交換して、他のパーツも元に戻して、ハンダをした部分のフラックスも掃除。

前に修理した時に気が付いた裏蓋の隙間もスポンジで埋めて、組み立て完成です。

1個のコンデンサ不具合で、かなり長い作業しました。


動作確認をするついでに、プリセットも試しました。

VAN HALENの2015 LIVEのオフセットを設定してみました。

プリセットの仕方は動画見てください

興味のある方は動画で確認してください。

YOU TUBEでは他にも色々エフェクターを修理しています。
ぜひ、チャンネル登録宜しくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?