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BLACKSTAR LT METALの修理

BLACKSTAR LT METALの修理です。

2013年に登場したLT Compact Pedalシリーズで、ハイゲインディストーションがこのLT METAL。

新品では見かけなくなり、生産が終わったのかも。

TCのペダルに見た目がちょっとだけ似てる

中古でやたら安く売ってるのも気になります。
もしかしたら価格が上がっていくペダルかも。


症状を確認していきます。

凄く変な症状で、LEDは一切反応しないのに、エフェクトは掛かりっぱなし。

LED点いてないが動作はしてる

LED点きっぱなしでエフェクト掛かりっぱなしとか、LED点かずにスルー音だけとかならありそうなんですが。

ツマミを動かすと全て反応してるので、歪みの回路自体は問題無さそう。

あとフットスイッチがモーメンタリかオルタネイトか外観からは判らず。


分解して中身をチェックしていきます。

裏のネジを6本外して裏蓋を取ります。

電池部分だけ2本なのは面白い

バッテリー部分はネジが2本になってて、ここだけ外すとバッテリー交換が出来るという仕組みになってるんですが、この部分だけゴムが薄くなってて、開きやすくはなってますが、強度的に大丈夫なのか不安。

強度的に心配、でも切れても止まるから大丈夫

裏側からは何も判らないので、基板も外します。

ボリュームのノブとナットを外します。

ジャックのナットには透明のワッシャーが挟まってたので、無くさない様に注意しましょう。

なぜか透明のワッシャーが付いてます

基板が外れました。

まずフットスイッチの確認、どうやらモーメンタリのスイッチみたいです。
モーメンタリのスイッチということは、どこかでスイッチの制御をしてるんですが、回路図がないので探すの苦労しそう。

足で踏んでも大丈夫なのか?というスイッチ

まずスイッチから調べます。テスターで調べて、問題無し。

スイッチは問題無し

次はLED、こちらも問題無し。

LEDも問題無し

ということは、スイッチを制御してる何かが怪しい。

スイッチ周辺の回路を目視とテスターで確認したところ、隣にあるTL062に接続されてます。
どうやらこのオペアンプがスイッチの制御をしてるようです。

スイッチと繋がってるTL062

このTL062を交換してみたいと思います。

まずTL062を取り出すのですが、周辺が入り組んでてハンダゴテが入りづらい。
仕方ないので、ICカット専用のニッパーで足をカットして取ります。
最悪壊れてなくてもTL062は高く無いのでいいです。

グリップが旧式のエンジニアNZ-12

あっという間に外れて、残った足とハンダを綺麗に除去します

新品のTL062を持ってたんですが、実は少し大きさが大きい。
チップのオペアンプはパッケージが色々とあって面倒。

表面実装タイプは足のピッチが一緒でも微妙に違う二つのパッケージが存在してて、元に付いてた物はSOP8で、今回付けようとしてるのはDMP8。
DM8っていうのが日本独自の規格っぽくて、やっかいなんですw
統一して作れよー!って思ってます。

DMP8は幅が広くて、SOP8の場所に付けるにはかなりギリギリ。
という事で、前にもやった方法で、足を内側に少し曲げます。
そうすると、足の幅は短くなって、ハンダのパターンにきっちり乗ります。

足を曲げて乗せれば合います

ハンダは1箇所乗せて、オペアンプの位置を決めて、1箇所ハンダをしてから全てのハンダをします。

位置決めしてから全部をハンダ

取り付け終わり、動作テストします。

見事にLEDが光りました。

動作の図

音も動作もバッチリで、原因はこのTL062でした。

直ったので、あとは掃除と組み立てです。

そして、修理完了。

修理完了

音の方をチェックしていきます。

何かの音に似てると思ったら、BlackstarのFLY3の歪みに似てるんです。
で、もしかしたらLTシリーズは全部似てるんじゃないかなー。

音は全然悪く無いんだけど、単体で使うならいいけど、他と合わせると癖強くて難しそう。

気になる方は動画の方で確認してください。

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