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Guyatone WR2 WAH ROCKERの修理

GuyatoneのWR2 WAH ROCKERです。

マイクロエフェクトシリーズのオートワウ。

とにかく小さい、それでいてバッテリーもこの本体に入る。

ゴム枠が無くて寂しそう

裏蓋が本来ならゴムの枠で止まってます。

劣化して切れそうだったので、外してマスキングテープで止めてる状態です。

ヒビ割れたゴム枠

かなり前に、回路図を起こそうと思って分解して途中まで書いた記憶があるんですが、確か後継のWR3の回路図が見つかって、それで書き起こすの止めちゃったんですね。


症状を確認していきます。

スルー音もエフェクト音も全く音が出ません。


早速分解して、基板の方をチェックします。

ジャックのナットを外して、配線を少し横にずらすと基板が起こせます。

小さなボディに収まってます

見た目の異常は無さそうです。


入力の信号がどこまで来てるかオシロスコープで見ます。

スルー音も出ないので、インプットバッファが一番怪しいです。

調べたところ、オペアンプの入力の5番には信号が来てるんですが、6番、7番には信号が来てません。

信号が来てない

という事で、このオペアンプが壊れてるっぽい。

このオペアンプはNJM4558Lという横一列のSIP8というパッケージ。

横一列のSIP8パッケージ

GOOTのTP-100を使ってハンダを吸い取りオペアンプを外します。

安定のgoot TP-100

交換用のオペアンプは全く同じのNJM4558Lです。

8ピンのNJM4558L

横一列の9ピンのオペアンプがあって、NJM4558Sという名前なんですが、実はこの9ピンの物も基板に付けられる様になってます。

9ピンのNJM4558S

9ピンの方がレアなので、8ピンより探すの大変なんです。

取り付ける方向に注意してオペアンプを付けます。

取り付け終わったので音が出るかチェックします。

微妙に音が出る様になりましたが、直ってない。

微妙に音は出てます

切り替え時にノイズも出る様になった。これは良い兆候。


また入力に信号を入れて調べようと思ったんですが、回路図も無く、目視で確認しながらやるのは面倒。

実は同じオペアンプがもう一つ付いてて、一つ壊れてるという事は、もう一つも壊れてる可能性が非常に高い。

過去に修理したエレハモもSMALLSTONEも同じオペアンプが2つ壊れてました。

という事で、オペアンプを交換して確認してみます。

もう一つのNJM4558L

作業時間、2.3分で終わります。


ここで余談なのですが、NJM4558LのSIP8パッケージ、ショップに見かけなくなりました。

まだ色々探すと買えるので、修理用とかでキープしたい方は、今の内に買っておいた方がいいです。


作業が終わったので動作確認します。

基板を外してテストするとこういう状態

無事に音が出ました。

エフェクトも掛かって、全てのノブも効いてます。

予想は的中でした。


直ったので、ハンダ部分のフラックスを掃除して、組み立て修理完了といきたい所ですが、ゴム枠問題が残ってます。


まず、元のゴム枠をロックタイトの黒ゴム接着剤で復活させようとしましたが、元のゴム枠が縮んでて元に戻らない事が判明し、これは断念。

この為に買いましたが無駄でした

次は溝ゴムを使って枠を作っていきます。

溝ゴム使ったやり方が一番知られてる方法だと思います。

普通に切り込み入れて作っても面白くないので、黒ゴム接着剤で一体型に出来ないかと試行錯誤しますが、失敗し断念。

かなりの時間を費やしたが無理でした

次は革用のコーナー金具を使おうと思ったんですが、厚みが全然合わなくて断念。

この為に買いましたが無駄でした

で、結局各辺を45度にカットして付けるという一番つまらない方法でやる事に。

わざわざ45度のジグ作りました

これはこれで、結構面倒でしたね。


基板と裏蓋の間に入ってる絶縁シートが行方不明になってしまったので、工作用紙で作る事に。

角が直角だと収まりが悪いので、角を丸く出来るかどまるを使いました。

角が丸いだけでそれっぽいですね。

かどまるプロのおかげ

後は裏蓋つけて、溝ゴムを付けたら修理完了です。


音の方をチェックします。

人気があるのが判る音

ノブが2つしか付いてないんですが、幅の広い音作りが出来てビックリです。

気になる方は動画の方をチェックしてみてください。


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