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ProCo RAT2の修理

ProCoのRAT2。
ディストーションの定番ですね。

ゴツい筐体のRATくん

1988年に販売されて以来、現在も生産されてます。

今回修理する個体は中国製の物になります。


症状を確認していきます。

音も出ず、LEDも点灯せず。

何も反応なし

フットスイッチの不良っぽいけど、どうなのかな?という感じ。


分解して中身をチェックしていきます。

本体裏のゴム足をドライバーで外します。

ネジが長い

これでキャビネットが開きます。

基板が見えました。

見た感じの異常は特に無いのですが、個人的に気になったのはボリュームポットがCTSじゃないんですね。

影響は大きいと思うんだけど

中国製のなってこの辺はコストダウンになったのでしょう。

CTSのポットに変えたら、音変わりそうだよね。

このままだとよく判らないので、基板を取り出して調べて見ます。

インプット、アウトプットのジャックを外します。
ここは中国製なのに1/2インチ。

1/2インチ、アメリカメーカーの意地を感じる

DCジャックはネジザウルスで外します。

ネジザウルスは万能ですが傷付きます

フットスイッチもボリュームポットも外します。14mmと10mm。

こっちは妥協のミリ単位

基板が外れたら、ワッシャーを無くさない様に外しておきましょう。

こういうの無くしがち


まずLEDを調べます。

LEDは回路的には電源と抵抗とスイッチしか繋がってないので、調べるのには手っ取り早い。

LEDは光ってるので生きてます。

アナログテスターでチェック

次は繋がってる回路を見て見ます。
パターンを通って抵抗に繋がってるんですが、この先が何も繋がってない事が発覚します。

そりゃ点くはずない。

何が繋がってたのか調べるのにRAT2のPCBを画像検索して見て見ます。
便利な時代です。

フットスイッチの真ん中の列の右側に付いてる黒いケーブルが抵抗の場所に繋がってたみたいです。

違う場所に繋がってるケーブル

これはですね、前の持ち主か修理した人か、間違えて配線したんですね。

実はフットスイッチのナットが最初から緩くて怪しいとは思ってた。

原因が判ったので、この配線を元の正しい場所に戻すだけです。

gootのTP-100でハンダを吸い取って、あっという間に作業完了。

まずLEDが点灯するか確認。

光るLED

次は音が出るか確認。

音も出てます

無事に直りました。


修理は終わったのですが、個人的な興味。
RATのオペアンプ。
オリジナルがLM308で、後継機種はOP07。
この2つ以外試してるのをあまり見かけない。
他にもベストマッチするオペアンプがあるのでは?と思ってオペアンプをソケット化します。
あと、LM308が手に入った時に試す為というのもあります。

という事で、元のオペアンプを外してソケット化。

ソケット化逆さ吊りなのであまりお勧めしない

これが終わったら、組み立て修理完了です。


音を色々試して見ます。

RAT2はDISTORTIONをセンターから上げると音が全部潰れちゃう感じ。
これは使うの難しい。

DISTORTIONセンター以上は難しい

オペアンプ交換は完全におまけで。
結論言うと、OP07以外に合うオペアンプが無かった。
低音が潰れちゃうね。
音をどうにかしたいというよりも、他が合うのか試しただけ。

気になる方は動画で音を聞いて見てください。

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