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tc electronic NDR-1 NOVA DRIVEの修理

tc electronicのNDR-1 NOVA DRIVE。

2009年頃に登場したNOVAシリーズで、その中の歪み物。

スタイリッシュな外観

オーバードライブとディストーションが一つに入ったエフェクター。

しかも、個別に使えるだけでなく、直列や並列でも使えるんです。

歪み回路はアナログですが、操作系はデジタル。なので直列や並列や順番を入れ替えたりできるんですねー。


症状を確認していきます。

全く無反応なNOVA DRIVEくん

電源が入りません。

12V専用でちゃんと12Vのアダプターも使ってます。


分解して中の様子を見てみます。

先に言っておきますが、このtc electronicのNOVAシリーズは分解がめちゃくちゃ大変です。

外観に拘ってる工業製品はだいたい分解が大変。

サイドパネルは2.5mmの六角レンチ。

パネル内部のサイドのネジはトルクスのT10。

愛用のトルクスドライバーはANEX

ボリュームノブを外します。

ボリュームのナットですが、タイトな溝の中にあって、レンチは入らない。
家にある工具で色々試したんですが、先の細いラジオペンチでしか開けられませんでした。

先の細いラジオペンチ

他に良い工具はあるんでしょうか?

これで上のパネルが取れる状態なんですが、結構ガッチリハマってるので、慎重にこじ開けました。

上のパネルが開いたら、基板のネジを外します。トルクスのT10です。

まだまだ分解は終わらない

これで上の基板も取れました。

ただ、このままだと作業がやりにくいので、下の基板も取り出します。

ジャックのナットを外します。たぶん15mmくらいだと思う。

基板のネジを外します。トルクスのT10。

これで基板を下側にスライドさせると、基板が完全に取れます。

ここまでの工程が長い

基板を取り出すまでにこれだけの工程が必要なんです。


ここからやっと故障箇所を調べられます。

電源が入らないので、電源ラインを調べていきます。

DCジャックから追っていくと、Fというパーツに繋がってて、ここの先に通電してない。

ヒューズ切れ

FはFUSEの略っぽく、たぶんヒューズ切れ。

実はもう一台NOVA DRIVEのジャンクを持ってて、ここからヒューズを取ります。
こっちの本体は電源が使ってると落ちてしまって、どこかがショート状態になってると思うんですが、そこが判らず修理は断念してました。

ということで、正常のヒューズを取り出して、今回の本体のヒューズを交換。

今回は見づらい写真ばかり

交換後の動作確認。
無事に電源点きました。

無事に電源が入る

ここでヒューズが切れてたら結構大変な事になってたかも。

色々動かしてチェックしてたんですが、どうもエンコーダーの動きがおかしい。
左回りだと反応しない事がある。
単純な接触不良。

このエンコーダーをクイックドライクリーナーで洗浄したんですが、中に浸透せず無理でした。

このクリーナーも万能では無い

取り外して分解掃除しようと思ったんですが、これが分解不可。

カシメてあって分解不可

仕方ないので、ジャンクの基板から取り出して交換します。
ジャンクの基板がなかったら、探すの苦労してたかも。

エンコーダーを交換。その後に気が付いたんですが、シャーシのエンコーダーの部分に油の跡。

謎の油の跡

潤滑油的な物をかけられたっぽい。

ボリュームやエンコーダーの接触不良、ガリの原因の殆どは軸のグリスが接点に付いて起こります。
潤滑油を流すと、軸のグリスが内部に流されて、更にガリや接点不良を起こします。
なので、液体を流し込むのはあまりお勧めしません。
しかも潤滑油の種類によってはプラスチック、樹脂系を溶かしてしまいます。内部に樹脂を使ってるので、絶対に良く無いです。

エンコーダーを慎重に位置決めし取り付けて、動作確認。
動きに問題がないので、パネルを取り付けて音の確認。

正常に動作して、音もバッチリです。

メインの修理以外が大変なパターン

修理ができたので、あとは掃除をしながら組み立てです。
分解があれだけ大変だったということは、組み立ても大変だという事です。

結局、組み立ては20分掛かり、終わりました。

そして最後に付いてなかったスイッチキャップを取り付けて修理完了です。

分解組み立てが地獄


修理が完了したので、音をチェックしてみます。

やっぱり直列、並列、入れ替え出来るのは楽しいです。

気になる方は動画の方を見てください。

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