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electro-harmonix SMALL STONEの修理
electro-harmonix SMALL STONEの修理です。
某ショップの初期不良品修理シリーズ第三弾!
いつの間にか大きいサイズのSMALL STONEが無くなって、このサイズの物が現行品になってます。
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このド派手なデザインになったのもいつからでしょう?
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裏蓋のマークが上下逆さまなのが気になる。
症状確認
症状を確認していきます。
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エフェクトをONにしても、全く音が出ません。
初期不良なので、予想がなかなか難しい。
分解チェック
とりあえず、裏蓋外してチェック。
ここで私は重大なミスを犯しています。
症状からして、フットスイッチを最初にチェックしなきゃいけません。
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なぜチェックしてないのか?それは事前にチェックしてて壊れてないの確認してたからです。はい。
フットスイッチは壊れてないので、基板を取り出します。
![](https://assets.st-note.com/img/1657523304239-TqQckPc8pk.jpg?width=800)
BIG MUFFの時と同様、フットスイッチにワッシャーが入って無いので、傷がつか無い様にナットを外します。
![](https://assets.st-note.com/img/1657523320130-6TKe5vmekH.jpg?width=800)
基板が取り外せました。
正弦波でチェック
信号がどこまで行ってるのか、ファンクションジェネレーターを使って1Khzの正弦波を入れてオシロスコープで見てみます。
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インプットからフットスイッチに行き、その後に抵抗とコンデンサを通って、オペアンプの3番に入ってます。
このオペアンプはバッファーのオペアンプでしょう。
この出力の1番に信号が来て無い。2番にも来て無い。
ここで完全に死んでます。
初期不良でオペアンプが故障してるのは、結構稀なケース。
なんか気持ち悪いといか、変な感じ。
このオペアンプなんですが、基板に型番が書いてあって、TLC2272CDの様です。
これが売って無いんです。
半導体不足なのが原因なのか?そもそも日本では全く流通してないのか?
バッファーなのに、なんでCMOSのオペアンプを使ってるのか?
よりによって、なんでこれが壊れてるんだ?
オペアンプ交換
全く同じ物は海外から取り寄せになるので、少数では買えず。買えても高い。
オークションサイトで探したら売ってるのを発見したので、購入しました。
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値段は結構しました。これが適正価格なんだと思う。
買ってそのまま使えるかと思いきや、パッケージ(大きさ)が微妙に違ってました。
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あまり確認しないで買ったのも失敗なんですけど、どっちにしろ売ってる物がこれしかなかったので、判ってても買ってた。
買った物はSOP8っていうパッケージで、端子のピッチは一緒なんですが、幅が広い。JRCの表面実装オペアンプがこの大きさ多いイメージ。
元々付いてたのはSOIC8というパッケージで、海外メーカーはこの大きさのが多いイメージ。
問題は、基板に上手く付けられるか。これ逆なら全然取り付け出来るんだけどね。
元のオペアンプを基板から外します。
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フラックスを多めにして、ハンダをたっぷり盛って、両側の端子を温めながら取りました。
パターンに残った余分なハンダをハンダ吸い取り線で吸い取ります。
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ここで一度フラックスクリーナーで綺麗にします。
次は取り付け。足が上手くパターンに乗る様に1箇所ハンダをして、全体をハンダします。
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全部ハンダして、動作確認しましたが、見事に直っておらず!
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波形をいれたりテスターで導通を調べたりして、オペアンプの1番、2番の先がどこにも繋がって無い状態なのが判りました。
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パターンがおかしいのか?と思いつつ、もう一度オペアンプを外す事に。
オペアンプが付いて無い状態で、1番、2番の先の導通を調べたら、普通に導通がありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1657523641705-Ww2eMFDvlP.jpg?width=800)
つまり、単なるオペアンプの取り付けミスです。
足の幅が合って無いと、こんなものなのか…。
具体的には、基板のパターンの方に熱が全く伝わって無かったんじゃないかな。
パーツがどっちにしろこれしかないので、なんとか付けるしか無い。
結局、足を内側に曲げて幅を狭くする事にしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1657523678417-1ISBuTgYoc.jpg?width=800)
こうすればパターンのハンダ面にしっかり熱も伝わります。
少し浮いた状態で取り付けになりますが、重くも無いので問題なし。
音出し前にテスターでチェックして問題なし。
アンプに繋いで動作チェック。
![](https://assets.st-note.com/img/1657523749885-XaBF7BGnu8.jpg?width=800)
エフェクトONで音が出る様になったが、フェイザーが掛から無い。
初期不良で2箇所以上壊れてるとは経験上信じ難い。
ここで思った、かなりのハズレを買っちまったと。
2つ目の故障箇所
どこが生きてるか一つ一つ確認していきます。
フェイザーというエフェクターは、何箇所かで位相を変化させてるエフェクターで、このSMALLSTONEはNJM13700というオペアンプで位相を変化させてる。
このオペアンプは2回路入りで2個使ってるので、合計で4箇所。4層なんて呼ばれてます。
ちなみにこの前直したMXRのPHASE100は6層です。
ここに音が来てるか正弦波でチェックしましたが、全て来ていて正常です。
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そうなると、動作して無いのはRATEの部分。
ここはLFOの回路を使って電圧を上たり下げたり、振幅の幅を調整してると思われます。(回路図を正確に見てないのでおそらく)
その電圧を調整してるのが、出てきましたTLC2272のオペアンプ!
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これを見た瞬間に私は察しました。
このロットのオペアンプ不良品だらけだったんじゃん!
初期不良の意味が判りました。
ここにCMOSのオペアンプじゃなきゃいけ無い理由は、私には知識がなく、よくわからず。普通のTL072とかでも動きそうなんだけど、どうなんだろ?
とりあえず、2個買っておいたので、前の交換した時と同じく作業します。
修理とか自作とかのパーツは余裕があれば1つは余分に買っておきましょう。
交換終わり動作チェック。
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エフェクトも無事に掛かり、やっと直りました。
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あとは掃除して組み立て、修理完了。
音のチェック
修理後の音が気になる方は動画でチェックして見てください。
トグルスイッチを上にすると、かなり深くエフェクトが掛かるので、録音機材の方がレベルメーター振り切ってノイズになっちゃいました。
ギターアンプからの音は大丈夫だったんですが。
この辺は機材の相性とかあるかも。
YOU TUBEでは他にも色々エフェクターを修理しています。
ぜひ、チャンネル登録宜しくお願いします。
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