見出し画像

のび太に助けられた塾講師の話。

塾講師をしていた時。私は悩んでいた。

Aというパターンの数式の解き方はわかった。Bというパターンもわかった。ここまではOK。

さて、次の問題はA、Bどちらのパターンかな?

例題と数字を変えただけなら…たぶんOK。でも、例えば因数分解で項の順序が公式と違うとか、少しでもイレギュラーがあると手が止まる。

なんでやねん!

「こうやって項を入れ替えてもいいんだよ!」とやってみせる。「そうなんですね!」と生徒。じゃあ、次の問題はどうかというと、、、手が止まる。

「さっきの問題はばっちりだったよね。今、何がわからなくて手が止まってる?」「………わかんないです。」

これ以上どうしたらええねん!

そんな時ふと、家にあった大長編ドラえもんのコミックスを読んだ。

物語後半、もうすぐ敵が攻めてくる。捕らえていた(というかのびママが物置に閉じ込めてた)敵のロボットを改造して、味方にできないか?という展開で、ドラえもんがロボットの頭脳部分をのぞく。

ドラ「みたことのない回路がいっぱいつまってる。」
のび「みたことのある回路になおしゃいいんだよ!」

のび太よ、なんと乱暴な…。

いやでも、あれ?もしかして、この言い回しは使えるのでは…?

次の日。

「こんな問題見たことねーよって思うじゃん?じゃあ、見たことある感じに改造しよっか。」「覚えた公式と、この問題は、どこが違う?」

意外と使えた。百発百中とはいかなかったので、他の言い回しも開発する事になるが、この時はドンピシャだった。

彼の柔軟な発送にはいつも驚かされる。

のび太よ、そして藤子先生、ありがとう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?