青春にケリをつけに行った話

これはシン・エヴァンゲリオンをみた自分語りです。ネタバレはすこしですがそれでもネタバレをしていますので、鑑賞済みまたはネタバレを気にしない方だけお読みください。







私は3/12の20:00 長年の青春の1Pにケリをつけに行った。
青春時代の1Pでまだケリがついていないことはたくさんある。
たとえば、漫画のNANA。あれは学生時代大いに流行っていた矢沢愛の少女漫画だ。めちゃくちゃ好き!だったわけではなかったが、私の思春期読んだ漫画としてはかなりの位置にいているので早く続きがよみたい。
もっとヲタク的なことをいえばCLAMPのXだろう。みんなが続きを待ち望む作品のひとつではある。そういえば、漫画といえば絶対に終わらないと思っていた漫画「DNエンジェル」が無事に完結したらしい。
めでたい。めでたすぎて目玉焼きになっちゃったね。
だれのネタだっけこれ??
まあ、絶対に終わらない終わらないと思っているものでも終わりは迎える。
その最たるものがエヴァというコンテンツであった。
私がエヴァを初めて見たのはエヴァブームが去ってしまった中学生の夏休みだった。暇を持て余していた私はツタヤへビデオを借りに行き、ふとずらりとならぶビデオのなかでそれをみつけた。
運命……とまではいかないのだが、少し前までなんか人気だったなぁとは記憶していた。残念ながら私の住んでる場所はド田舎でアナログが主流であった世の中では田舎にヲタクの人権はなかった。
ようするに本放送はおろか再放送すらやってくれない。
みてみようと、手を取ったのが最後……ではなかった。
映画まできちんと借りた私の印象に残っていたのは、歌はいいねぇとシンジくんの×××ーとおめでとう、だった。
正直、思春期の私にとっては内容が難しすぎた。戦闘シーンはかっこいいし、キャラクターはかわいいしかっこいいしギャグパートは面白いけど、いかんせんよくわからなかった。何が言いたいのかわからなかった。それが苦痛だった。私はまだ他人の意図をくみ取れない子供だった。
そのあと漫画も読んでなんとか雰囲気理解した。そしてまたみた。やはりわからなかった。
まあ、とりあえず、私はエヴァをみた、という肩書を手に入れたのでヲタクたちと会話することには問題はなかった。
でも彼らが楽しく考察をするのを聞いているだけだった。いかんせん、私はちっとも理解していなかったのだから。
そして、数年後、新たにエヴァがリメイクされ映画化されると聞いた。まあ、私はヲタクなので『序』を映画館へ見に行ったわけなのだが、アニメでやっていたことを90分程度できれいにまとめている総集編のようだと感じた。ところどころアニメ版と違う設定だけどまあそんなもんなんだろうと聞き流していた。
そして『破』。
ここで私はドはまりした。今まで何も感じなかった私がここでエヴァの魅力に取りつかれてしまった。馬鹿みたいに映画館に通い映画を見た。おそらく『破』は頭が足りない私でも見たままで楽しめる内容になっていたからなのだろう。頭を動かせばもっと楽しめる内容に当然なっているのだが、私はそれをせずただ純粋にその流れを楽しんだ。シンジくんが幸せそうなのがうれしかった。カヲルくんが裸だった。アスカがぶーぶーいいながらもシンジたちに協力している。レイが楽しそうに料理をしている。カヲルくんが裸だった。それだけで十分だった。浅はかなヲタクだろう。だけれど、正当なヲタクだとは思う。
そして、私はひたすらカヲルくんとシンジ君が主役であるQを楽しみにしていた。年単位で遅れてようやくQが公開された。
カヲルくんがネルフの制服きているんだよねーとかうきうきしながら私は初日に映画館へ足を運んだ。
そして絶望した。
またわからない世界がはじまっていた。
もう私はシンジ君状態だ。ミサトさんたちがシンジ君を責める。いやお前『破』で何言ってたんだよって。ゲンドウがダサいサングラスをつけている。カチ割りたくなるなこいつ。唯一の癒しがカヲルくんとシンジくんのピアノパートだった。シンジ君が楽しそうでなによりだ。カヲル君はイケメンだった。そして、カヲルくんの結末。もう私はシンジくんよりひどい顔をしていたのではなかろうか。
カヲルがなにしたっていうのよ!!ってなった。
最後、アスカに拾ってもらえてよかったなシンジとだけおもった。
もうわけのわからない展開についていけず、いつから宇宙戦艦ヤ●トになったの……?って本気で思った。
今思えばこれも庵野監督の計算だったのかもしれない。
そして、今日、約九年ぶりのエヴァの新作をみた。
最後のエヴァ。
私の思考を毎度毎度止めさせたエヴァの最後。
一言で言おうまさかの●●ENDだったわ。(●●は劇場でみてね)
だれがこれ予測できたの?っていう終わり方。
うん、よくこれできたなーっていう感じ。
正直、またわけのわからないことだらけだったが面白かった。
このわけのわからないこともこれが最後なのかと思うとなぜか泣けてきた。
伏線は回収されたのもあるしされなかったのもあるというか新たにでてきたのもある。マリとアスカと綾波(仮)はかわいい。
そして庵野監督はキャッチコピー通りにすべてのエヴァンゲリオンに別れを告げた。
そして私たちにもそれを強要したのだ。
唯一無二で孤高の存在であるエヴァを生み出した男が最大の権力を使って私たちの青春を終わらせた。
これはすごいことだとおもう。
まだ夢見心地のあの青春が終わりを告げた。
確実に言える。どうであれエヴァは終わった。
庵野監督はエヴァンゲリオンという超大作の交響曲を弾き終えたのだ。
途中途中寄り道や休憩はあったけれど、コンサートは終わりを告げた。
アンコールは必要ない。
私はこの青春の劇場から出ようと思う。

さよなら、エヴァンゲリオン。




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