新譜暇潰し

「Sleep Walking Orchestra」
バンプオブチキンが12月にリリースした新譜。

ダンジョン飯のティザーで聴いた時
「何だこのへんてこな曲は!?」
と感じた。バンプはどこへ行ってしまうのだと。

来る12月11日。状況が激変する。
今までの音楽で聞いたことのないようなリズムのABメロ、摩訶不思議な音階のサビ、そしてダンジョンを想起させるファンタジックなイントロ。

歌詞はとても技巧的で、Aメロの表現方法なんかは天才的と言わざるをえない。
"自分の最初の友達は影=ネガティブなもの"であり、"自分は暗がりの中の存在であると言うことを
「外から窓を潜った光が床に作った最初の友達」
という比喩で表現している。この中には"影"という特定のイメージを有する単語は入っておらず、"光"が"作る"という言い回しで影を表現している。
また、"外から窓を潜る"という表現が前作の「窓の中から」を思い起こさせ、この歌詞の主体がより暗澹としたものであることを状況説明している。
文学を超えていると言っても過言ではない一節ではなかろうか。

同じ感覚は「SOUVENIR」の時も感じた。
何だこの謎のイントロは。カッティングはと。
しかしいつの間にか引き込まれている。
SPY FAMILYに見られる"家族の温かさ"、"愛情"、"信頼関係"をこれでもかというほど表している。(SPYFAMILYは途中までしか見ていない)
軽快なビートに乗った小気味良いメロディも最高だ。

バンプオブチキンというバンドの最近の曲は「はいはい全部綺麗事」を経てなおそこを超えてくるという他のアーティストには見られないポテンシャルを備えている。
はいはい全部綺麗事、何だってネタにする仕事って類の曲もあるけどね。


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