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劇場版ガンダムSEEDの予習で『機甲戦記ドラグナー』を全話見た感想


劇場版ガンダムSEED 2024年1月26日(金)上映!! 楽しみですね!!!


というわけで予習復習で福田監督関連作品を上映までに全部見てみることにしました。(こんなことばっかやってます…)



ぼく「福田監督作品ってSEEDを除けばサイバーフォーミュラと電童ぐらいだったよな?(クロスアンジュはもう見てる)  見る作品少なくて今回は楽だな!!」

福田監督「今回の映画、ドラグナーのリスペクトあります」


ぼく「・・・」


というわけで『機甲戦記ドラグナー』から福田監督関連作品を見ることになったのである。


〇『機甲戦記ドラグナー』とは

1987年放映のリアルロボットアニメ。(4クール) ガンダムZZの後番組。
ガンダムSEEDの福田監督が演出として参加した作品。このアニメの主人公機は設定上ナイフを所持しているが,「少年犯罪を連想させる」ということで監督が登場させなかったのを福田監督がSEEDで復活させたという話は有名。ちょっと前のスパロボとかACEシリーズをやってた人にはおなじみのロボットアニメ。

〇ドラグナーあらすじ(Wikipediaより)
舞台は西暦2087年。月に誕生した軍事政権による統一国家「ギガノス帝国」が地球の統一連合「地球連合」に対して一方的に独立を宣言し、宣戦を布告。戦火はスペースコロニーと地球本土に拡大し、月面のマスドライバー(月から地球に向かって隕石を落とすんですよ。これがクソ強い)やメタルアーマー (ロボットのことです) などの兵器によって、地上の7割はギガノスに占拠されていた。(7割って…)

そんな中、スペースコロニー「アルカード」の住人である主人公・ケーン・ワカバタップ・オセアノライト・ニューマンの3人は、コロニー内で敵・ギガノス帝国軍に追尾される最中のなりゆきで新開発メタルアーマー「D兵器」(ドラグナー)に乗り込んでしまい、正規パイロットとして制御コンピュータに生体認証され、そのまま操縦して敵追撃部隊を撃破する。これにより連合軍のパイロット候補者が台無しになり交代も不可能となったことで、彼らは連合軍に徴用され、ギガノス帝国軍と戦いながら地球上の連合軍本部を目指すことになる。

というのが序盤の大まかなお話です。

〇特徴・面白かったところ

・他のリアルロボットアニメとは一味違う第1話 

リアルロボットアニメの第1話というものは「民間人だった主人公が初めてロボットに乗って戦う話」が多い(有名どころでは1stガンダムやエヴァンゲリオン、機動戦艦ナデシコなど)。
中にはボトムズやレイズナー、GやWなどのガンダム、ガンソードのように最初からロボットの操縦に慣れている主人公が登場するアニメもあるが、基本的には前者のパターンがリアルロボットの第1話の基本フォーマットである。

ドラグナーの第1話も前者である。
しかしドラグナーの第1話は他のアニメにはない大きな特徴があった。

それは「初めてロボットに乗って戦うのが3人の仲良し少年」だということだ。

例えば1stガンダムだとアムロがガンダムに初めて乗り込んだ時に「すごい…5倍以上のエネルギーゲインがある…」(←何と比べて5倍以上なんだよ)と呟いたり「何か武器はないのか…!」と一人で呟いていたがこのドラグナーは違う。

主人公「そっちの機体どうよ?」
友人A「学校でやったシミュレーションなんて目じゃねえぜ!最新鋭のバリバリだ!」
友人B「何とも言えない優越感! なんてったってこのすごいパワーがいいなぁ!」

主人公「最初に聞かれた認識番号どうした?」
友人B「キャッシュカードの番号にしたわ」

友人A「もっとバーニアを吹かせ!」
主人公「バーニアってどれだよ!!」

という風に初めてロボットに乗ったのが仲良し3人組なだけでやりとりがとても軽妙で面白い。

リアルロボットアニメは今までまぁまぁの数を見たが第1話で初めてロボットに乗り込むのが3人(しかも仲良し3人組)というのは初めて見た。しかもやりとりがとても面白かった。

こういうアニメもっと増えないかなぁ。
(リアルロボットとは言わないかもしれないけどイデオンもこれに近いですよね。何人かの民間人が3機のロボットに乗って戦う第1話)

・とにかく個性豊かな主人公の少年3人組。

このドラグナーの中で自分が一番気に入っているのはなんといっても個性豊かな主人公の少年3人組だ。(年齢は16歳だが個人的には18歳ぐらいに見える)
主人公であるケーンは当然主人公らしく面白くて良いキャラをしているのだが、個人的には友人であるタップとライトのキャラが良く、気に入ってしまった。
ホント良い奴らなのである。

例1(23話):主人公のケーンが秘密裏に敵のエースパイロットに呼び出された時に(上官は罠を警戒してケーンに知らせなかったが、ドラグナー3が無線を傍受した)内容が気になる主人公を見かねて厳罰覚悟でケーンのために自軍のヘリを奪って現場に向かわせるタップとライト。(描写はコメディチックだったが)

例2(25話):
主役機ドラグナー3機は量産化が決まったため解体されることになる。
それに合わせて一時的に軍人であった主人公たち3人組も民間人に戻れることになったのだが(なりゆきで戦うことになってしまったため軍から解放されることは3人にとっては念願だった。あと莫大な退職金も出るという)「お世話になったドラグナーが解体されるのは我慢できない」と軍に残る主人公ケーン。ドラグナーはカスタム化されることになり解体は撤回されるが、換装途中に敵襲。ろくに装甲も付いてないドラグナーで一人で戦うケーンを見かねて軍に残ることにするタップとライト(特にタップは退職金を貧乏な家族のために使おうとしていたのに)

例3(44話):物語後半、1話で死んだと思われていたケーンの母親が生きていて敵の要塞に監禁されていることが発覚。家族を人質に取られたケーンは味方に何も言わずに突然敵に投降。「裏切り者のケーンなんて殺すべきだ」という自軍の声もある中2人は「絶対に理由があるはずだ」とケーンを信じて戦場でケーンの説得にあたる。

などなどタップとライトの良い奴っぷりは書き出したらキリがないほどある。個人的にはドラグナーを最後まで見れたのはこの2人の影響が大きい。

〇各クール簡単ストーリー紹介。

・1クール目
リアルロボットアニメとして真っ当に面白い。
ドラグナーは1stガンダムの展開をなぞっているアニメとして有名なのだが個人的にはSEEDほどではないと思う。(それぞれ特徴のある主役機3機・民間人を乗せた戦艦・それを追撃してくる敵・大気圏突入中に敵に襲われるシチュエーション 等は1stガンダムをなぞっている)
1クール目で印象に残ったのは「主人公の悪ガキたちが大人のおっさんに気に入られていろいろ学んだあとに死別する」話が2回もあったことだろうか。この回は2つとも良回だったと思う。主人公3人組は悪ガキだがなんだかんだ良い奴らなので大人のおっさんに気に入られやすい性格をしているんだろうなと個人的には思う。  
大気圏突入回は緊迫感があって面白かった。大気圏突入はリアルロボットアニメにおける名シーン製造機だがドラグナーの大気圏突入回は個人的にはその中でも上位に来る。

・2クール目
ここからしばらく部隊が地上へと移る。(ここも1stガンダムっぽいな…)
学生だった頃の友人が敵になっていて死別する悲しい話や敵の基地を生身で攻略するギャグ回や主人公が一方的に恨みを持っている父親との和解の話など面白い回が続く。
個人的には12話で間に合わせのリフターを付けたドラグナー1がカタパルトで大ジャンプをする回がとても面白かった。この回は福田監督が演出をやっているので背中のバーニアの見せ方やレーザーソードの見せ方が非常にかっこいい。「こんな装備で飛べるのか」というハラハラ感と「飛んだぁ~!」という爽快感もとてもよかった。
また、主人公ケーンの母の実家が日本なので北海道のおばあちゃんに会いに行く話があったり(ドラグナー2のリフターの修理ができる田舎のおっさんたちがすごくてビビる回)京都や中国の街並みが出てくる回があったりとロケーション的にもコメディ的にもとても面白いクール。

・3クール目
路線変更。一気にダレる。
なぜ路線変更したのかというと80年代後半ともなればリアルロボットアニメは飽きられておりプラモなどの商品があまり売れなかったかららしい。(V-MAXみたいな必殺技もないしなぁ)

路線変更してどうなったかというと北斗の拳みたいな敵が出てくる。(レイズナーかよ)
ドラグナーがカスタム化された後なのに敵に完敗して大破するのは一部で有名だが、その展開はグンジェム隊の強大さを視聴者に印象付けるためであろう。(この時明らかにグンジェム隊はドラグナーにトドメがさせたのに遊び半分で放置した。結果後の全滅に繋がることになる)
グンジェム隊登場の26話からしばらくつまらない話が続くが(「味方が生身で敵機内部に潜入したから攻撃できねぇ!」→結局隊長以外全滅するしこちらから攻撃できないから味方の量産型もほぼ全滅するし、潜入した隊長は敵機を1機爆弾で撃墜しただけでドヤ顔してるしみたいな回とか)31話・32話でゲスト的に敵エースパイロットが出てくる回から盛り返していき、グンジェム隊のメンバー(ミン以外)が一人ずつ退場して、最後にはグンジェムを倒すところで一区切りとなる。最初と比べて路線は変わったが個人的には3クール目終盤はなかなか面白かった。

・4クール目
主人公ケーンの母親が人質にされたことでケーンが敵に投降してから自軍に帰ってくるまで5話ぐらいかかる。「これ後3話ぐらいで畳めるだろ」と思ってもまだまだ続く。
なんだかんだ最後は良かったんじゃないんですかね。

〇登場人物の感想

・ケーン・ワカバ

このアニメの主人公。
この髪型になるのは4話からなので(軍曹に切られた)第1話でかっこいいOPを見た後に本編を見ると「君なんか写真と違わない?」となる。
良い奴なのだが主人公なのであまり語ることがない。(主人公が良い奴なのは当たり前というか…)
母親といいおばあちゃんといいとても家族思いなところすき。
かわいい彼女がゲット出来てよかったねと思う。

・タップ・オセアノ

好きなキャラ。ホント良い奴。
貧乏な家族のために仕送りをしている。←いい奴
好きな女の子が病気になったときには心配しすぎて出撃できなかった←いい奴
黒人なのが良い。
「タップの声は芳忠で行こう」と決めた人、天才だと思う。
かわいい彼女がゲット出来てよかったねと思う。

・ライト・ニューマン

好きなキャラ。ホント良い奴。
外装もろくに着けていないケーンを見かねて「民間人に戻れる」という選択肢を捨ててまでケーンを真っ先に助けに行ったのはこいつ。
イケメンでありクールな感じを気取っているが見てみるとかなり情に厚い熱血なやつなのが好き。
祖父と父がお偉いさんでかなりのおぼっちゃんなのだがそれに対する掘り下げはほとんどなかった。
OPでヒロイン3人が出るところを見たらこいつがダイアンとくっ付くと思うじゃん?

・ベン・ルーニー軍曹

好きなキャラ。ホント良い人。
ケーンたちの方が階級が上になるとちゃんと敬語で話すが素が出るとタメ語で話す。←こういうところすき。

20話でケーンが父親のことでひねくれていた時に一発殴った際にケーンにかけた言葉もよかったしケーンがギガノスに投降した際も最後まで彼を信じ続けた。軍曹のこそういうところ好き。

ダイアン女史とくっ付くのはこの人。よかったなぁ軍曹。

・グン・ジェム


ある意味ドラグナーを象徴するキャラ。
めちゃくちゃなやつだがすごい強い。
悪人であるが部下にはとても情が厚く部下が一人一人死んでいった時の彼の悲しみの描写はとてもかわいそうだった。(しかも一人は機体のシステムの暴走で自分の手で殺してしまう)
システムの使い過ぎで精神が崩壊しそうなほどの苦しみに耐えながら「ゴルよ!ガナンよ!ジンよ!ワシに力を貸してくれ! そして仇を討たせてくれぇ~!!」と言っているところはかわいそうすぎて半泣きになってしまった。


〇ガンダムSEEDと比較して

(えっマイヨ・プラートは?)

個人的にガンダムSEEDという話は「主人公が人を殺すことに苦悩する話」だと思っているので、ドラグナーを見る前はそこが気になっていたがドラグナーの主人公たちは「敵機を落とす」=「敵のパイロットは死ぬ」ということに心を痛めている描写は全くなかった。(まぁ福田さんが話を考えてるわけじゃないしね)
これに関しては明るい作風なので仕方ないかなぁとは思うのだが、やっぱり「敵機を落とす」ということは「人を殺す」ということなので、それを気にするのが自然だから入れてほしいなぁと個人的には思う。

〇『真の主人公』問題について


このアニメ、最後主人公が交代して敵のマイヨ・プラートが真の主人公になるとよく言われている。 
見る前はそこも気になっていたので自分はどう思うのだろうかと思っていたのだが・・・





うん!そう思われても仕方ないなこれ!!


なぜかというと最終回のラストシーンで「要塞が爆発したのにあいつが帰って こない…! 帰ってきてくれ…!」とみんなが見守る中帰ってくるキャラはケーンではなくマイヨなのだ。(ケーンは「帰ってきてくれ…!」と見守っているキャラの中の一人)

いやいやガンダムWの最終回のヒイロのポジションマイヨかよ。

そして極めつけがキャラクターの幸せそうな後日談を一人一人映してからのこれ

完 全 に 主 人 公 だ こ れ ! ?


まぁ僕はドラグナーの主人公はケーンだと思ってますが事前情報なくこの最終回を見せられたら「真の主人公はマイヨだった」という感想が出てもおかしくないと思いますねこれ。
(ちなみに「マイヨが真の主人公」というのは41話の予告で公式でネタにされてたりする)

【備忘録ツイート】
忘れないようにこのアニメを見て印象に残ったところのツイートを残しておく。

脚本が分業制なので前後の話で違和感のある展開が時々ある。

こういう作画ミスや

こういう作画ミスも目立つ

ドラグナーはガンダムZZみたいに次回予告が毎回コメディチックなのだがこの43話だけは真面目。

僕はドラグナーに関してはバリバリなのはあまりタイプじゃないですね。
なおOPだけじゃなく本編の作画も大張さんが関わってない回でもバリ度強めだったりする。


みたいな感じ。僕はOPとEDは後期派です。



【終わりに】
今まで食指が伸びてなかったアニメだったがなかなか面白かった。

ちなみに劇場版ガンダムSEEDの予習復習はこういう感じで予定している。

『機甲戦記ドラグナー』(全48話) ←今回で消化
『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』(TV・OVA合わせて全64話)
『GEAR戦士電童』(全38話)
『機動戦士ガンダムSEED』(TVシリーズ(今回で見るの3回目)・小説・関連書籍・外伝(ASTRAYシリーズ)履修予定)
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(TVシリーズ(今回で見るの3回目)・小説・関連書籍・外伝(ASTRAYシリーズ)履修予定)

間に合うんすかねこれ…

ではでは



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