田舎と私

首都、東京で働き始めてからもう半年以上も経つことに驚きを隠せない。

去年の9月までは田舎でちゃらんぽらんな生活をしていた、さらに1年と少し前までは南国フィジーにいた、未だに現実味を感じることは少ない。

ただ、友人と気兼ねなく会えるのはとても良い事だと思う。

今現在私は同僚二人とルームシェアをしているので、家に帰れば人がいる状態がある。男三人で暮らしていると考えるとむさ苦しいかもしれないが、人知れず私はその状況に救われているのかも知れない。

昨日の夜、洗濯をして干している時にふと周囲を見渡してみた。家の立地自体はかなり都心に近い事もあり、周りには高層マンションがそびえ立っている。夜だと言うのに暗さを感じることは少なく、この明かり一つ一つに人の生活があるんだなと思うと感慨深い。

そんな中よく思い出すのは田舎の事である。私の実家は山間部に位置しており、夜8時に町を出歩けば殆ど人には出くわさない。今とは真逆の性質を持った町だ。久々に実家に帰りたいなとは思うが遠さとめんどくささが勝ち、なかなか帰らないというのが人間の性であるように思う。

そう思っていると向こう側からこちらにやってくるというのが親というもので、つい先週あたりには祖母と母が相撲を観戦するというので両国に一緒についていった。生でみる相撲は迫力があり、国技と言われる所以を直に体験できたな、と感動した。

しかし、夕食を共にとる中で祖母から言われた言葉が強く印象に残っている。それは端的に言うと「家を継いで守るんだよ」である。

確かに祖母の言うことも最もで、私が長男であるが故に私が継がなければ実家はいずれ無くなってしまう。そう思うと姉妹、ひいては私の本当の意味での帰る家がいつかは無くなってしまうという事だ。正直に言うとそれは寂しいのでなんとかしたいとは思う。

だが、今この日本においては旧日本的な、家制度を強く意識している人は少ないように思う。現代にはそぐわない考えだと私は思う訳だが、時代がもう少し進むとそういった考えを持つ人は更に増えるだろう。そうなった時日本はどうなるんだろうか、家族という概念が薄くなるのだろうか・・・

何が言いたいのか纏めると、世の中の30前後の長男はこんな事で悩んだりするのだろうか。家を継ぐのも幸せだし自分の思うがままに進むのも、どちらも甲乙つけ難いものだろう。

私にはまだ正解が分からない・・・そもそも正解があるのかすらも分からない

どちらかを選んだかと言って、選ばなかった方の道が本当は幸せなんじゃないかと勘ぐったりウダウダするんだろうなと思う。

なんか損な性格だな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?