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非脳外科医が脳神経血管内治療専門医に挑戦 − 勉強法編 −

 前回に引き続き、脳神経外科専門医ではない私が、脳神経血管内治療専門医(長いので、今後私の記事では、学会の略称を用いた『JSNET専門医』に呼称を統一します)試験に向けてどのような準備をしてきたのか、ということを綴っていきます。

(1) はじめに

 前回の記事(上記リンクから閲覧可能)にて私は、「勉強に役立った」として沢山の文献を紹介していました。ただ、こうした文献に、複数回とはいえ目を通したとしても、必ずしも自分の頭に定着するとは限りません。ましてや、こんなに何冊もあるとなると、いちいち冊子を何冊もめくって復習というのも面倒です。
 そこで皆様に思い出して頂きたいのが、学生時代にCBTや国家試験対策として皆で受講していた予備校の講義です。当時(注:2010年代)主流だったのは、'TECOM'と'MEC'の2社でした(最近は'medu4'という会社が勢力を拡大しているようですが)。TECOMの講師は東京医科大学の三笘博先生で、板書の量が多かったと思いますが、体系的に整理されており、非常に理解しやすかったと思います。一方、MECの講師は主に孝志郎先生がされており、板書は少なめとはいえ、国家試験の過去問を実臨床での経験を交えて、かなり具体的に解説するので、病態などが手にとるように想像が可能であったと思います。
 悲しいことに、(私の知る限り)各種専門医試験に関して、このような対策講座は無いのが現状です(注:JSNETについては、製薬会社や医療機器メーカー主催の対策講座やハンズオンセミナーといったイベントがあります)。過去問も、救急医学会は公式HPに過去問と一緒に正答を毎年公表していますが、JSNETに関してはそのようなことをしていません。そうなると、「自力でTECOM・MECのような資料を作って知識を整理する」というプロセスが必要になります。世間には「ノートが綺麗なだけじゃ…」という意見もあるようですが、やはり「自分の頭に入って来やすいまとめ方をしてあるノート」がないと無理だと私は思います(注:「ノートさえ作ればいい」ということではなく、休日や当直・日勤の空き時間といった『隙間時間』を用いて繰り返し目を通すことで、頭に残すということが大事です)。


(2) どんなノートを作ったのか

 ここからは、私がJSNET専門医試験に向けて、どんなノートを作ったのかについて解説していきます。

方法1:血管系をスケッチして、説明文を添える

 添付ファイル画像のように(注:iPhone15で撮影した写真を直接記事に貼り付けようとしましたが出来ず、以下ファイルをダウンロードする形となります。ご容赦下さい)、教科書等に載っている血管系のイラストや血管撮影画像を大きめにスケッチし、重要な血管には矢印を引いてから解説文をくっつける、といった感じのものを沢山作りました。
 これを繰り返し見ることで頭の中にイメージを叩き込みました。

方法2:表にまとめる

 各疾患の疫学・病態・診断・治療各論や, ガイドライン上の推奨内容・推奨度・エビデンスレベル, 様々なデバイスのスペック(内腔サイズ, 有効長, 推奨血管径など)を表にまとめると一目瞭然で覚えやすいです。

方法3:神経症状と高位・局在診断や, ASPECTS等は自分でイラストを描いてみる

 神経症候は、表にまとめるのも良いのですが、自分でイラストを描いて「ここに○○があるから、ここが障害されるとこんな症状になるんだ」と納得することができます。ASPECTSも、自分で一度描いてみるとイメージが掴みやすいと思います。

方法4:極力箇条書きでまとめる(特に、臨床試験・観察研究等の論文に関して)

 上記方法1~3ではうまくまとめられないものについては、内容を箇条書きにし, 重要と思われる項目は赤字にしたり, 蛍光ペンで囲ったりして強調しました。


 今回は、勉強方法の重要なパートである「自分に向いたノートを作成する方法」に関して説明しました。繰り返しになりますが、「このノートを繰り返し読み込むこと」が重要です。また、「情報が古いもの・誤っているものや, 分かりにくい項目は逐一修正すること」も不可欠です。

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