バーへの憧れ
バーとお酒をテーマに書く作家にオキシローさんという方がいる。
僕がようやくお酒が飲めるようになってきたころ
大人のようにお酒味わい、楽しむ姿に憧れていた。
その思いはそのまま、バーへの憧れになった。
行きつけのバーに、カクテル、その場での人間関係
出会いと、別れ。
そんなドラマの全てがそこには詰まっている。
そのことを、短編小説で見せて、教えてくれたのがオキシローさんだった。
バーは、気が利いていて、どこか孤独があって
そこに寄り添うカクテルやお酒がある。
いろんな経験を重ねてきた大人だからこそ味わえる
そんな味がある。
その大人像に僕はすっかりやられてしまった。
イタリアンレストランでサービスのバイトをしていたこともあり、バーに通ったり、カクテルの作り方を教えてもらったりしながら、必死に背伸びをしていた。
バーにいって、覚えたてのカクテルの名前を言ってみたり、格好つけて恥をかいたり、なんとかバーにふさわしい大人になろうと頑張っていた。
今振り返る、と痛々しくも、微笑ましくも思う。
でも、そんなバカな自分がいたから
お酒やバーを楽しむきっかけを作ってくれたとも言える。
そして、何より大人になりたいという憧れを見せてくれた、ちょっとキザで切なくてカッコいいオキシローさんの小説に感謝している。
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