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昭和34年 ただ1つの油

家には何種類の油がありますか?
最近油のイメージが変わってきて
体に悪い、太る、といったものから、
体に良い油、健康のために積極的に取り入れるべき油などをよく見ます。
今までより手に入れることのできる油の種類は確実に増えています。

1959年(昭和34年)発刊の暮しの手帖では、
5種類の油を5つの調理法で比較し、
たったひとつの油しか使えないとしたら
どの油を選ぶべきか徹底検証しています。

ただ1つの油

もしも あなたの台所に 
たった1種類の油しか おけないとしたら
あなたは どの油を えらびますか

対象となる油は以下の5種類

ヘット(牛のアブラ)
ラード(豚のアブラ)
バター(牛乳から作る)
サラダ油(大豆、菜種、綿実、とうもろこし、オリーブなど)
天ぷら油(大豆、菜種)

調理法は

焼く いためる 煮こむ 揚げる ナマ です。

焼く

焼く時に重要なのは焦げ付かないこと、うまみが逃げ出さないこと。
サラダ油、ヘットも高評価ですが、ラードは文句なしの結果です。

いためる

「いためる」の「焼く」との違いは、食材をかき混ぜながら火を通すところ、食材の大きさと言えるでしょう。
小さめの食材をかき混ぜながら加熱するため、
焼いた時よりも食材に油が回ります。
こくや風味が特徴的なラードが適しているようです。

煮込む

シチューやすき焼きのように、
煮込む前に一度いためる時に油を使うことがありますね。
その場合、ヘットが一番適しているようです。
植物油では煮込んでいる間に油のうまみが消えてしまうようです。

揚げる

天ぷら油と名がつくように、 天ぷらを揚げるには天ぷら油が良いでしょう。
植物性の軽い油は多く使ってもくどくなりにくいでしょう。

また、お肉屋の揚げものが美味しい、と言われるのは
揚げ油にラードを使っていることが多いからだとか。

流石にバターでの揚げ物は現実的でないですね。経済的にまず落大、とありますが、味も重たくなるでしょう。

ナマ

パンに塗ったり、サラダにかけたりといった方法があります。
パンにバターは定番、ドレッシングにはサラダ油がよく使われます。

また、料理と製菓でも適する油に違いがあるようです。

検証の結果たった1つの油を選ぶとしたら・・・

ラード!!

意外な結果!
(予想ではサラダ油が一番だと思ってた)
ラードやヘットなどの動物性油より植物性油を常備している家庭の方が多いはずでは・・・?

もっとも、よく考えて見ると、これは意外でも何でもなさそうです。油を使うのは、おもに西洋料理や中国料理です。しかも私たちは、だんだん「日本料理」を作らなくなっています。ただ料理法だけ西洋ふう中華ふうになっても、それに使う油は、なんとなく昔のクセで「日本料理」的な天ぷら油を使っていただけのことです。


納得!!

確かにそもそも日本料理、和食で油を使うことが少ない上に、
使った場合でも軽い油が多い!

約60年前の記事で、当時よりさらに西洋料理や中国料理が広まり、
一般的になったものの、
私たちの油のイメージはまだサラダ油なのです。
そもそも油を使い分ける、ということがまだ少ないような気がします。


サラダ油は低温下でも長時間結晶化しないうように精製された植物油であり、日本では日本農林規格(JAS)によって定められている基準を満たしていないものは「サラダ油」と名乗ることはできません。
また、2種類以上の植物油を混合して作られたものは、
混合サラダ油と呼ばれています。
大豆、菜種、とうもろこし、ごまなど原料となる植物は様々ですが、全て種子が用いられます。

身近なサラダ油ですが、調べてみると一体サラダ油ってなんなんだ?と謎が深まってきました。
コレステロールを下げる働きのあるものや、ビタミン豊富なものなど種類も豊富です。
でも味の違いってあるのでしょうか(あってもわかるのか・・・?)
サラダ油テイスティング、やってみたいなあ

最後にラードの作り方が載っています。
最近スーパーでチューブタイプのラードを見かけるようになりましたが家庭でも簡単に作れるようです。


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