<Tableau100本ノック>顧客ダッシュボード作ってみた Part2


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1.前回の続き

- 導入

「Tableau100本ノック」で顧客ダッシュボードを作ってみたのPart2になります。
今回は、ダッシュボード内のチャートにパラメーターを使ったフィルタを適用させる方法を解説していこうと思います。

- パラメーターとは

パラメーターとは簡単に言うと数値や文字列、日付などの「変数」です。単体では使えないため、ほかの機能と組み合わせて使う必要があります。
今回はパラメーターと計算フィールドを使って、より価値あるインサイトを得やすくなるようなダッシュボードを作成しました。

2.パラメーターの実装

- 基準日の設定

「継続会員数」、「新規会員数」、「退会者数」の値を、元ある日付データではなく、こちらで指定した年月のもので表示させたいと思います。今回は毎月の初日を基準日として表示させます。

初めに基準日パラメーターの作成です。
データ型を「日付」、許容値を「範囲」とし、値の範囲の最小値を「2015/05/01」、最大値を「2019/03/01」とします。ステップサイズは1月に設定します(下添付画像)。その後許容値を「リスト」に変更すると、これまで設定した内容(毎月の初日が基準日)でリストが表示されます。これで基準日のパラメータは作成完了です。この時点でパラメーターを操作しても、チャートに変化はありません。

続いて、「継続会員数」、「新規会員数」、「退会者数」と基準日パラメーターが紐づくように計算フィールドを書いていきます。
かなり細かいですが、こんな風に書くんだなと雰囲気をつかんでいただければと思います。

・継続会員数_パラメーター用
DATETRUNC("month",[Start Date])<= [基準日]
意味:Start Date(入会日)を月で換算した場合に、基準日よりも前であれば真を返す

・新規会員数_パラメーター用
DATETRUNC("month",[Start Date])=[基準日]
意味:Start Date(入会日)を月で換算した場合に、基準日と同じであれば真を返す

・退会者数_パラメーター用
DATETRUNC("month",[End Date])=[基準日]
意味:End Date(退会日)を月で換算した場合に、基準日と同じであれば真を返す

上記で作成したディメンションをフィルターに入れ「真」を選択することで、基準日で指定した各会員数が表示されるようになります。

- 基準日に合わせてグラフの色を変換させる

上記のグラフでは、基準日の箇所の星を黄色くさせています。(星は二重軸+形状で表現)
これはパラメーターとセットを使って簡単に実装できます。

先ほど作成した
・新規会員数_パラメーター用
DATETRUNC("month",[Start Date])=[基準日]
のセットを作成します。
セットは真か偽かの2択なので、この場合の真は「セットのもととなる新規会員数_パラメーター用と基準日が同じ」となります。
あとは色に作成したセットを置けば、基準日だけ色が変わるようになります。

- パラメーターを追加してもっとチャートを動的に変化させよう

上図のような利用回数の推移チャートを、基準日から「1カ月前/3カ月前/半年前/1年前/すべて」といった条件で表示させます。もともと情報量の多いグラフのため、表示する範囲を絞り込むことで可読性を高めたいと思います。

まず、日付範囲のパラメーターを作成します。
許容値はリストを選択し、データ型を「整数」、許容値のリスト値に「-1(前月まで)/-3(3カ月前まで)/-6(半年間)/-12(1年間)/-60(すべて)」を入力します。

もちろんこのパラメーターを作成しただけでは何もチャートに変化がないので、次は計算式を作成します。
今回も細かい内容になるので、雰囲気だけとらえてください。

・利用回数表示範囲_パラメーター
IF [Usedate] <= DATEADD("day",-1,[基準日])
and [Usedate] >=(DATEADD("month",[日付範囲],[基準日])) THEN "keep"
ELSE "Remove"
END
意味:「利用日が基準日から1日前までの日付」かつ「利用日が基準日から指定された月数後の日付以上」である場合(条件が満たされれば)、値はkeep(保持)され、基準日から指定された月数前~基準日の1日前までの範囲の値が表示される

作成したパラメーターをフィルターに入れ「keep」を選択すると、基準日パラメーターと日付範囲パラメーター両方が使用できるようになります。

3. おわりに

いかがだったでしょうか。
パラメーターを使えるようになるとダッシュボードの表現力もかなりアップしますよね。
ただ、自分一人でパラメーターを使いこなすのはまだ難しいと感じているのでそこは練習あるのみだと思っています。
皆さんには今回の内容を通して、もともとのフィルターだけではやりたいことが表現できないとなっても、パラメーターを使えばできるかもしれないということが伝わっていれば嬉しいです。

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