視覚スケジュールは問題行動を減少させるか?
論文タイトル
SEPARATE AND COMBINED EFFECTS OF VISUAL SCHEDULES AND EXTINCTION PLUS DIFFERENTIAL REINFORCEMENT ON PROBLEM BEHAVIOR OCCASIONED BY TRANSITIONS (場面の切り替え時に発生する問題行動に対する、視覚スケジュール、消去+DRのそれぞれ個別の効果及び組み合わせたときの効果)
Melissa B Waters,Dorothea C Lerman,Alyson N Hovanetz J Appl Behav Anal. 2009 Summer; 42(2): 309–313.
概要
場面の切り替えの際に発生する問題行動に関して、視覚支援(視覚スケジュール)と消去・DR、それぞれ別個での効果検証及び組み合わせたときの効果検証を行った。視覚的なスケジュールだけでは、好きな活動から好きではない活動に移行するときの問題行動を減らすのに効果がなかった。視覚的なスケジュールがDR・消去と組み合わせて使用されているかどうかに関係なく、消去・DROが導入された場合に両方の参加者の問題行動が減少した。
背景・目的
Hodgdon (1995)などで、視覚的スケジュールや他の種類の視覚的プロンプト(視覚支援)の臨床的有用性が示唆されていたにもかかわらず、移行中(活動の切り替え、場面の転換等)の問題行動に関して視覚プロンプトが効果的である場合の条件や視覚プロンプトの影響を直接調査した研究はほとんどなかった為
実験に参加した方々
自閉症と診断された6歳の子供2名
方法
活動の切り替え(好きな活動から、好きではない活動への移行)を3回含むセッションを、視覚スケジュール単体、DRO・消去単体、両方利用するの三パターンで実施した。
制限等
場所の変更という単体の条件だけで実験を行なってはいない点(ただし、制御条件下ではこの条件が含まれた移行がありこの時両者は問題行動に従事していなかった。)
治療評価を簡潔(比較的短期間)に行なった点
複数のプロシージャを用いた干渉(最大最小プロンプト等)が影響したかもしれないという点
不正確な応答(問題行動が起きたり起きなかったりした)があった点
視覚スケジュールの使用方法そのものの質の評価は行わなかった点
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