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消去したはずの問題行動が本当に復活するのか?

論文タイトル

An Evaluation of Resurgence During Treatment with Functional Communication Training(FCTでの治療中の問題行動の復活に関する評価)
Valerie M Volkert, Dorothea C Lerman, [...], and Nicole Trosclair-Lasserre J Appl Behav Anal. 2009 Spring; 42(1): 145–160.

概要

FCTを用いた治療を行い問題行動を消去した後で、代替行動が消去にさらされた時と強化スケジュールが薄まった時に問題行動が復活するか確認した。結果5名中4名の問題行動が復活した。

背景

問題行動を減少させる有効な手順としてFCTがあったが、消去がきちんと行われていないと(治療の完全性が担保されていないと)、問題行動が復活することが示唆されていた。またFCTを行ったケースにおいて、実際に治療中に提供した強化や反応が日常生活の環境下においてはなかなか実現し難く、問題行動が復活してしまうことも示唆されていた。

またそもそも問題行動の復活という事象の再現性に関して、過去の研究においては、治療の文脈の中でかつ参加者のいる状態で問題行動の復活を再現するというところまで手順が拡張されていなかった為、復活に影響する変数の存在確認や、また同一個人で繰り返し復活が生じるのか調べる必要があった。

実験に参加した方々

5−9歳の問題行動を示す自閉症児5名

検証の方法

ABCABCデザイン
実験1
A ベースライン(問題行動)
B FCT、FCTメンテナンス
C 代替行動の消去
実験2
A ベースライン(問題行動)
B FCT、FCTメンテナンス
C 断続強化

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