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未就学時期の施設ケアでかつ集団でも児童の問題行動の減少と生活スキル向上は可能?

論文タイトル

Evaluation of a Classwide Teaching Program for Developing Preschool Life Skills
Gregory P Hanley, Nicole A Heal, [...], and Einar T Ingvarsson
(未就学時期の生活スキルを向上するための集団指導方法の評価)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1885412/

概要

3歳から5歳までの16人の子供たちの教室で、社会生活スキルを促進する包括的なプログラムを評価しました。指示遵守、機能的コミュニケーション、遅延耐性、および友達関係に関して、それぞれ時間をずらしてクラス全体に向けた教育プログラム実装されました。 そしてこれらのスキルは通常行っている活動(サークル、フリープレイ、トランジション、食事)中にクラス全体でインストラクション、モデリング、ロールプレイ、フィードバックを使用して教えられました。マルチプルーブ設計を用いて検証した結果、実装したプログラムにより問題行動が74%減少し、就学前の生活スキルが4倍以上増加することがわかりました。さらにプログラムによるメリットは、評価の前および終了時に収集されたアンケートデータで明らかでした。最後に、プログラムを実装した教師は、クラス全体の教育プログラム、目標のスキル、および結果に対する全体的に高いレベルの満足度を示しました。

背景

センターベースケア(0−5歳の期間に家庭や幼稚園以外の施設等に預けるタイプの養育・ケア)に当てる時間と、お母さんや児童のケアをする人によって報告された児童の問題行動や癇癪の数が正の相関関係にあることが過去の調査でわかっていた。又それらはケアの質や家族構成にはあまり関係がないように見えたため、もしかしたら未就学児きにいて家庭型での養育ではなくセンター型であることが、問題行動や癇癪といった行動の増加につながっている可能性があった。

The National Institute of Child Health and Human Development (NICHD) study of early child care (2003) recently reported that time spent in nonmaternal care across the first 4.5 years of life was positively correlated with mother and child-care provider reports of aggression and disobedience. This relation between time spent in nonmaternal child care and problem behavior occurred across all family types, and appeared to be insensitive to the quality of care.

問題行動や癇癪は、学校等教育施設で教育機会を最大化する妨げになり、又それらの問題高度や癇癪へのケアで経済的損失につながる可能性もある。であれば、より家族型のケアをしセンターベースのケアにかける時間を減らすべきだと言える。(がしかし、経済的にも時間的にもそれは難しいものがある為)代替手段として過去提唱されていた、センターベースケアにおいて児童の社会生活スキルを向上させながら、かつ問題行動や癇癪を減少させることができるプログラムがあった為その効果を検証した。またこの際対象とした社会生活スキルは実際の教師によって重要であると報告されたものと過去幼稚園の先生3000人以上から回収した回答を基に重要であると判断されたスキルをベースに決定しました。

Lin et al. published the most recent and comprehensive evaluation of kindergarten teacher opinions of school readiness using data from the National Center for Education Statistics (2000). These authors summarized the opinions of over 3,000 kindergarten teachers from different regions of the country reporting during the 1989 through 1999 school years. The five skills reported to be most important or essential by this cohort of kindergarten teachers included (a) tells needs and thoughts, (b) is not disruptive, (c) follows directions, (d) takes turns and shares, and (e) is sensitive to others (84%, 79%, 78%, 74%, and 62% of the sample rated these particular skills as either very important or essential, respectively).

ユニークポイント

あえて問題行動が発生しそうな環境条件を取り入れ、重度化する前の予防策として機能分析と代替行動分化強化を使用した点。集団指導環境で実施した点

議論

直接観察と間接測定の間でいくつか不一致があった。
子供5人に対して教師1人という比率であった。
今回の参加児童は1名を除き定型発達であった為より社会生活スキルや問題行動の程度に差があるケースは要検討

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