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たくさん笑って、たくさん泣いて【12/5-12/11】

週末、二年間の学びを生きる旅を共に歩く人々との場だった。
人と人が共にいて、互いに耳を傾けあい、共にセレモニーをして、共に探求し、生活する二日間。

いつもお世話になっているこの場所は本当に素敵な場所。山を愛する人、自然を愛する人たちが大切に大切に使っているこの場所は、かっこいいおとうさんとやさしいおかあさんがふたりで大切に大切に手入れしている場所。山が清めた美味しい水があちこちに引いてあって、大きな木と、磐座のような大きな石がたくさんある。私たちはどうしてもここでやりたい。ここの場所と、おとうさんとおかあさんが好きだから。

おとうさんとおかあさんがいつもいる受付の小屋の中には、薪ストーブがあって、たくさんの山の自然の写真が飾られている。その中に、子鹿とその子鹿を取り囲む子どもたちの写真がある。この写真には物語がある。

ある人が川の石に足が挟まった子鹿を発見した。この人は鹿に慣れた人だったので子鹿を救出し、ちょうどその場所を訪れていた子どもたちに子鹿を見せてあげようと子鹿を抱き抱えて子どもたちのところへ連れて行った。子どもたちは子鹿を取り囲み、小さい手で子鹿を撫でた。子どもたちが撫でているうちに、弱っていた子鹿は元気になって、歩けるようになった。すっかり元気になったのでしばらく一緒にお散歩をし、それから子鹿を山にかえした。鹿が山に消えた後、ひとりの子どもが「鹿さんはお母さんに会えたかな。」と言い出した。「じゃあみんなでお祈りしよう」と、子どもたちはみんなでお祈りした。

この話をおかあさんはいつもとっても嬉しそうに話してくれる。この話もそうだけど、この場所では人と自然が当然一緒に生きている。自然の持つ美しさと厳しさの中で生きる知恵を磨きながら生きていくことを愛する人たちがこの場所に集う。森のようちえんの子どもたち、高校の山岳部、子どもたちの自然体験、登山家、山男たち。みんながこの場所を大切にしていて、この場所がここを訪れるみんなを大切にしているのを感じる。人と自然の間で重ねられ紡がれた全部が合わさったこの場所で、見えるもの・見えないものからたくさんのサポートを受けて過ごす。(ちなみにこの場所を護るお二人の意向を尊重して、場所の名前は伏せます。)

今回から友人日さえちゃんが同行してくれて、またひとつ美しいサポートが加わった。山の清めた水で炊いたピカピカの新米とお味噌汁を中心にしたご飯をアウトドアキッチンで毎食作ってくれたのだ。その食事の美味しいこと!外で食べるご飯のまた、美味しいこと!私たちは本当に恵まれている。


みんながくる前に準備中

人と自然と食事からたくさんの愛情を受け取りながら、大人たちはまっすぐ自分の人生と向き合い、まっすぐに目の前の人と相対した。今回もたくさん笑って、たくさん泣いた。たくさん笑ってたくさん泣けると、言葉や関係にどんどん力が漲っていく感じがする。

最近思う。中途半端に「穏やか」とか「凪」や「中庸」を求めても、人間としての味がしなくなっていくし、自分が誰なのかとか、自分が本当に欲しいものは何なのかっていう生きていく力の源のようなものを見失っていくだけなんじゃないだろうか。同じように、「ラク」とか「心地よい」とか「気持ちいい」だけを感じようとしていっても力がどんどん失われていって、今以上の人生は開かれない。どんなに「穏やか」や「心地よさ」を選ぼうとしても、それが「フリ」である限り、そしてそのことに自覚がない限り、うまくいかない何かの出来事を通して「お前は誰だ」「お前は何者だ」と繰り返し繰り返し世界は私たちに呼びかけてくる。人生は私たちの可能性を絶対に見放してくれない。なんて深い愛だ。愛という表現が適切かどうかちょっとわからないけど、生きている限りこの深い愛からは逃れられないのだから、楽に心地よく穏やかにと生きようとする方が逆にしんどいのじゃないかと思う。一方で、この深い愛は早く早くと私たちを急かしたりはしない。自分の可能性にとって正しい道を歩いている限り、必ず後押ししてくれている。

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ビーズの輪を紡ぐ会
2023年、沖縄・関東・関西で開催します。


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