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KFC前でのvegan活動に思うこと②

 前回の記事でKFC前でのvegan活動に対して思うことを書いたのですが、今回はその続きとなります。前回の記事には訂正を要する部分もあったため、もっと早く書く予定だったのですが、活動がアベマプライムに取り上げられたことによりいろんな意味でふっとんでしまいました😅

前回記事の訂正

 既に前回記事の内部でも訂正済みなのですが、実際に参加された方から伺ったところデモは無言で行われたそうで、歩行者に対して「ヴィーガンになってクリスマスにチキンを食べるのをやめよう」という声掛けをした事実はないとのことでした😳

デモの目的

①「クリスマスチキンをやめよう」ではなかった

 前回記事で「クリスマスチキンをやめよう」という具体的な訴えと、掲げているプラカードの文面がしっくり来ないということを書いていたのですが、上にも書いたように、そもそも「クリスマスチキンをやめよう」という言葉自体、報道側が勝手に作ったものだったようです。
 そして、デモは無言だったと教えてくださった方から「もし今回のデモのことで疑問等あれば、PETAのアカウントにて直接聞いていただけたら」とのコメントをいただいて初めてその方々が主催者ではなかったことに気づいたのでした。(自らが主催の啓発イベントも数多くされている方々です。)

②PETAアカウントでの主旨説明

 私にとってPETAアカウントとは、見るに忍びない残酷な動画が数多く流されているところという認識があったので見ないようにしていたのですが、実はPETAアジアのアカウントは2つあり、センシティブ動画はそのうち一方に集められているということがわかりました。(センシティブ用アカウント
 そして、センシティブ用ではないメインアカウントの方に、今回のデモの主旨説明ツイートがありました。

 なんと、本来の主旨は「ハッピークリスマス」プロモーションのために何百万羽もの鶏が殺されていることへの抗議だったのです。

③抗議目的だとしたら別の疑問が生じる

 抗議行動であれば、抗議対象の前で行うことに違和感はありません。ただその場合も店舗前よりオフィス前の方が適切な気はしますが。そして、抗議目的なのだとしたら、やはりサンタコスやプラカードの内容はそぐわなく思えるのです。その演出で目的を認識できる人が果たしているでしょうか?

④もう一つの趣旨説明

 もう一つ、デモの主旨らしきツイートがありました。日本のKFCにヴィーガンチキンの提供を求めるというものです。 

 この目的でなら、店舗の前、楽しい雰囲気のサンタコス、プラカードの内容がもっともすんなり入って来る気がします。とは言え、このプラカードと無言のサンタではそのことはまったく伝わらないので、「命の犠牲のないクリスマスを楽しみませんか?ヴィーガンチキンの提供をKFCに求めましょう!」という横断幕くらいは必要なんじゃないでしょうか。
 また、この目的でなら(勝手にやってろと言う人は少なからず出るでしょうが)今回ほど炎上はしなかったのではないかと思います。

作られる炎上

 今回のデモがメディアに取り上げられたことを主催者は成功と捉えたかもしれませんが、その取り上げ方は、一見批判的ではないようでいてかなり巧妙に炎上するよう仕向けられた気がしてなりません。
 前回記事でも書いたように、私が最初に目にしたツイッターのトレンドワードは「クリスマスチキン自粛呼び掛け」でした。しかしながらそんな目的は文字として一切掲げておらず声に出してもいないのです。ヴィーガンを嫌う人が一番よく口にするのが「押し付け」ですが、上のトレンドワードは「押し付け感」を意図的に色濃く演出しているように思えます。そして取り上げたメディアの記事本文にも、私が知る限りでは事実無根の

「ヴィーガン(完全菜食主義者)」になってクリスマスにチキンを食べるのをやめようと通行人に呼び掛けた。

https://www.afpbb.com/articles/-/3442556

という内容が書いてあるのです。

PETAという団体

 PETAについてWikipediaからの抜粋で簡単に説明しておきます。

①概要

 PETAとは、People for the Ethical Treatment of Animals(動物の倫理的扱いを求める人々の会)の略であり、1980年3月に設立されました。読み方はピータだそうです。大手企業を相手に数多くのキャンペーンを行い、メディアを使った派手なキャンペーンでも有名な団体です。アメリカ合衆国バージニア州のノーフォークに本部があり、世界数カ国に支部がありますが、日本はアジア太平洋地域支部に含まれます。

②日本での活動

 日本での活動の歴史はまだ浅く、2007年が最初のようです。近年の告発とキャンペーン活動には次のようなものがありました。

2021年9月
 日本ハムの養豚場を豚への虐待的扱いがあるとして告発。(その翌々月に日本ハムは豚の妊娠ストール廃止をはじめとする動物福祉基準を発表。)
2021年10月
 東京渋谷で恐竜のコスチュームで「石器時代は終わってる」や「動物を食べることは前時代的」と書いたプラカードを持って通行人に呼びかけ。
2022年4月
 KFCの日本農場における鶏の扱いを告発。
2022年5月
 ルイ・ヴィトン表参道店前でエキゾチック・スキンの使用禁止を求めるキャンペーンを実施。

 多くの方がネットニュースなどで見た記憶があるのではないでしょうか。私が知らないだけかもしれないのですが、これらの活動に対して大きなバッシングがあったことは記憶にありません。告発されている内容は、ヴィーガンではない人の目線でも見ても動物たちに対して酷なものですし、ルイ・ヴィトンは多くの人が贅沢品と認識しているためと推察しています。渋谷の交差点でのデモも、恐竜コスチュームのユニークさも相まってそこまで酷評されてはいなかったように思います。

アベマプライムでの討論

 多くの方がご存知だと思いますが、今回のKFC前活動を取り上げたアベマプライムの番組内容は見るに堪えないものでした。ただ、どの点が見るに堪えなかったかについては人によって意見が異なると思います。私は3回見たのですが、回によってもかなり印象が違いました。
 この番組について触れる前に、アベマプライムが取り上げた過去のヴィーガン関連討論をおさらいしてみます。

 とは言いながら、この時点で既に2千7百字でさくっと読める分量ではなくなってしまっているので、1本で全て書き切るのはやめて連載にしたいと思います。次回はこの続きから書きます。

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