ベーシックインカムは経済学ばかりでなく人類学を含む学際的な視点から論じるべし
ベーシックインカムをめぐる議論が世界的に活発化している。議論が活発になること自体はよいのだが、その一方で気になることもある。とくに経済学をかじった人に多いのだが、一部に経済学的視点からのみその是非を論じる傾向がみられることだ。
ベーシックインカムを経済学的観点からのみとらえる議論は間違っている。
理由は単純だ。ベーシックインカムは経済だけの問題ではないからだ。そのため経済学的観点からのみそれを論じるのは森を考慮せず木だけを論じる愚を犯してしまうおそれがある。
そもそも経済は社会制度の一部でしかない。経済人類学者カール・ポランニーがいうように経済(市場)というものは長らく、社会(制度)の一部としてのみ存在してきた。経済は社会に「埋め込まれたもの」であったのだ。少なくとも古代社会はすべてそうであった。
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