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里地里山の春を駆ける

目醒めの時期

暖かくなってきました。皆さんは春の訪れというと何を想像しますか?
桜?春雷?ふきのとう?
この時期、里地里山では冬眠から目覚めた生き物達が動き始める時期です。僕はそうした生き物達を見てる時もまた、春の訪れを強く感じます。
晴れた日などは3月下旬でもカエルやトカゲなどの変温動物、そして蝶などの昆虫も活発に活動している姿が見られます。

春の陽気に当てられた生き物たち

ここ最近僕が発見したいくつかの生き物たちを見てみましょう。

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農業資材をどかしたら現れた立派なヒキガエルです。
日本には4種の在来ヒキガエルがおります。
このうち本州にはニホンヒキガエル、アズマヒキガエル、ナガレヒキガエルの3種がおり、篠山にいるのはニホンヒキガエルとアズマヒキガエルです。
そしてこの個体は…鼓膜の大きさからしてニホンヒキガエルでしょうか。アズマはもっと鼓膜が大きく、そこで見分けられます。
いつか自然下でアズマヒキガエルも観察してみたいですね。

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こちらはみんな大好き(?)、ニホンアマガエル。かわいいですね。圃場の癒しです。

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これは…なんでしょうか?ヨツボシゴミムシ?違うような気がしないでもないですが…。謎の虫です。

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ニホントカゲ。ここ20年の間に本州のニホントカゲは本種とヒガシニホントカゲ、オカダトカゲの3種に分かれました。オカダトカゲは静岡県東部固有で、ヒガシニホントカゲは名前の通り主に東日本の方に棲息しています。外観がほぼ同じですが鱗で見分けがつきます。そして篠山にいるのはニホントカゲのみ。

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最後にセトウチサンショウウオ(旧カスミサンショウウオ)の卵嚢。水捌けの悪い山際の圃場の隅の水たまりにて。
晩冬〜晩春に掛けて繁殖・産卵を行うサンショウウオは多いです。

なんだか見つける生き物にひどく偏りがある気がしますが……その辺は僕の趣味です。笑

耳を澄ましてみる

上記で画像による生き物の紹介をしましたが、春の訪れはむしろ音の方が感じられるかもしれません。
よく晴れた日の日中にふと圃場で耳を澄ませてみると、様々な生き物の鳴き声が聞こえてきてとても楽しいですよ。

聴き慣れたウグイスの”ホーホケキョ”という鳴き声。
谷などにいるとこだましてとても趣深いです。
またメジロの可愛らしい鳴き声やイソヒヨドリのさえずりもよく聞こえます。
水辺が近いとカエルの鳴き声も耳に入ってきます。4月になれば夜にはアマガエルの大合唱がぼちぼち始まってきますが、この時期の日中は他のカエルの鳴き声も合わせて幾分まばらでどこか上品な演奏といった雰囲気です。
アマガエルはクワックワッという連続した大きめの声で鳴きます。田舎に住んでる人なら馴染み深いでしょう。
シュレーゲルアオガエルもこの時期よく鳴いていますが、彼らはコココッとでも表現しましょうか、甲高い歯切れの良い声で鳴きます。
山に近い場所だと時折モリアオガエルの声も聞こえますが、これもコココッという鳴き声。シュレーゲルより数段低く、聞けばどちらが鳴いてるのか一発でわかります。
声変わりしたシュレーゲル、といった感じでしょうか。
この時期の鳥とカエルの囀りは長閑で煩くなく、非常に心地よいです。

皆さんも是非彼らの演奏に耳を傾けてみてください。