【中国ネットに個人情報漏洩】 日本人500万人分のマイナンバーと年収情報が入力下請け会社から中国工場に「丸投げ」されていた

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1️⃣ 厚生年金受給者のマインナン情報が中国のネットに流出

本誌前号で詳述したように、厚生年金受給者のマイナンバーや年収情報などが中国のネット上に流出した事実は'17年12月31日の「通報メール」によって、機構は把握していた。

しかし国会で認めるまで、3年ものあいだ知らん顔を決め込んでいたのである。

2️⃣ 厚生年金受給者のマイナン情報が流したした2017年10月以降、特殊詐欺が急激に増加

不規則、広範囲に全国で発生している「特殊詐欺」の被害状況を分析した警察庁資料によれば、被害者全体に占める65歳以上の高齢者率(年金受給世代)は、中国のネット上に年金受給者の個人情報が流出した'17年10月以降、急激に増えている。

'17年の高齢者率が72.5%だったのに対し、翌年以降、平均2ポイント以上増え続け、昨年は86.6%と、5年前と比較して14ポイントも増えているからだ。

3️⃣ 下請け業者「SAY企画」の会社フロアー オペレーター1人あたりの割り当て面積は座布団一枚程度

そのひとつ、「現地目視確認」した作業場所は、JR池袋駅から徒歩6分ほどの、築38年の賃貸ビル内のワンフロアーで、面積は「120㎡」だった。ここにオペレーター800人を収容し、「申告書」の入力業務をおこなうと書かれているのだが、単純計算するとひとりに割り当てられるスペースは、座布団一枚程度にもならない。それを「適正」とチェックリストに記入していたのである。

3️⃣ 年金機構はSAY企画とまともに「守秘義務契約」を結んでいなかった

SAY企画の事前審査において、「作業場所」以上に問題なのが、個人情報を取り扱う業務でありながら「守秘義務契約書」の未提出を、福井室長が黙認していたことだ。

「守秘義務契約書」とは、入力業務に従事するオペレーターが、「機密保持」や「個人情報非開示」を誓約したのち、SAY企画の社長に提出する書類である。

機構では、入力業務を開始する10日前までに、作業にあたる800人分の「守秘義務契約書」の写しを、給付業務調整室に提出することを義務づけていた。ところが、その日までに提出されたのは、わずか11通だった。