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【参考論文】観光地に対するイメージのネットワークの形成とその影響🪴


こんにちは🌟

今回、私は、プロジェクトの参考になりそうな論文②として『観光地に対するイメージのネットワークの形成とその影響』(金城敬太、松本行真)を読んでみました📖

【論文の概要】

1) ある地域を観光旅行するときに、我々の行動や態度は地域のイメージに影響を受けることが多い。
2) 外部からみた地域に関連するイメージは、一つではなく複数存在しており、複数のイメージは相互に影響しあって、単純なイメージだけでは汲み取れない多彩な意味を含んでいる。
3) 本研究では、地域に対するイメージの交互作用ネットワークが人の観光における態度や行動にどのように影響を及ぼすか検討することを目的とする。

【調査データによる検証】

< 1.地域におけるイメージの構造 >

1) 具体的にイメージのネットワークがどのように形成されているかを示す構造を確認する。

✨手法→ 調査員対面方式による質問紙アンケート
    『小名浜港の魅力発見についてのアンケート調査』

 ✨質問の対象→1都12県の10代から60代の男女個人
                       「小名浜海遊祭」来場者

✨実地場所→ 福島県いわき市 小名浜港湾地区

2) 集団全体のイメージのネットワークIMを作成

対象者があるイメージ項目に答えていると同時に他のイメージ項目に答えている度数が、すべてのイメージ項目の組み合わせごとの度数の平均値より高ければ1、平均値より低ければ0として隣接行列を作成し、それをもとにネットワークの図を作成した。

3) 1.2の調査・分析結果

🐋 小名浜港についてのイメージネットワーク

  1. 「マリンレジャーが楽しめる」×「水辺に憩いの場がある」×「買い物や遊びの空間が賑わっている」の共起→ 遊びとしてのイメージ

  2. 「海の幸が味わえる」× 1.のレジャー関連の共起→ レジャーのみならず食も楽しめるイメージ

  3. 「漁業など昔からの産業が盛ん」×「海の幸が味わえる」の共起→ 海の幸とその産業化のイメージ

🐋イメージのネットワークと行動との関連

◎イメージネットワークと行動との関連から交互作用ネットワークINの特定を行う。
→ 観光客が持っているイメージと来訪頻度の分析

<分析結果からわかったこと>

  • 単に海の幸が味わえるという漁業に連想される魚に関わる「食」のイメージだけでなく、港湾都市としての文化や歴史などへのまなざしが再来訪と関係があることが示唆される。
    → 「食」といった他の要素だけではなく、歴史的なイメージと関連することでより効果的な集客が可能になる

🌟地域ブランドそのものが歴史を経て形成されるように、その地域のイメージを構成するものも歴史的視点が必要

  • レジャー関連と、漁業関連のイメージ。
    単純にレジャーだけのイメージで来訪しているよりは、他のイメージとの相互作用により来訪回数がまだ増える可能性がある。

【まとめ】

  1. イメージのネットワークは観光行動に影響している。単に一つのイメージを持っている旅行者よりも地域に対して複数のイメージを持ち、それらが相互に作用しあうことで、来訪意向が高まる。

  2. 具体的な分析からは、歴史的な価値が地域ブランドにとって深みになり、来訪回数に関連することがわかった。地域の歴史は、他の地域では決して利用できない要素であり、観光地のマーケティング面でも大きな差別要因となる。

🐏 地域の歴史が観光地を惹きつける要因になることを知って、よく考えてみると日本の代表的な観光地は、どこも特有の歴史を観光資源としてうまく活用していることに気がつきました😌🌟

北海道や沖縄には先住民の歴史や王国であった過去など特有の歴史を上手く観光に生かしているし、京都や東京は江戸時代の文化継承や日本ならではの街並みの保全にも力を入れているな〜と!🏯

歴史的価値に惹かれるというところから、人は自分の地域とは違う歴史や文化に触れて自身の価値を再認識したり、新たな価値観を得ることに旅行の価値を見出しているんだな〜と感じました💭

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