#061「一人の力で日経平均を動かさせる男の投資哲学」 cis (しす・個人投資家)著 -その5
(※本記事は2021/4/17に投稿されたものとなります(https://earth76.com/061%e3%80%8c%e4%b8%80%e4%ba%ba%e3%81%ae%e5%8a%9b%e3%81%a7%e6%97%a5%e7%b5%8c%e5%b9%b3%e5%9d%87%e3%82%92%e5%8b%95%e3%81%8b%e3%81%95%e3%81%9b%e3%82%8b%e7%94%b7%e3%81%ae%e6%8a%95%e8%b3%87%e5%93%b2/))
今日は昨日に引き続き、cisさんの本書の解説「その5」(13~15)となる。
■主なトピック
1.上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる
2.株はそもそも確率のゲームでない
3.「押し目買い」をやってはいけない目先の「利確」に走れば大勝はなくなる
4.目先の「利確」に走れば大勝はなくなる
5.ナンピンは最悪のテクニック
6.重要なのは損をしないことではなく、大きな損をしないこと
7.相場もギャンブルも基本はプレイヤーが負ける
8.大きく儲けるチャンスは人間の感情が大きく揺さぶられる時
9.リスクヘッジは無駄
10.比較をすべきは「過去」とではなく、「買った値段」と
11.財務分析をした結果を踏まえて株価が構成されている
12.マーケットのことはマーケットでしか学べない
13.ニュースはNHKよりツイッター ←本日
14.仕手株が疑われる値動きはチャンス ←本日
15.年金のような「盲目の資金」流入時は儲かりどころ ←本日
16.トレードというのはつまるところ「お金の奪い合いゲーム」
17.配当は儲からないのでやらない
18.不況時の赤字会社への長期投資はあり
■13.ニュースはNHKよりツイッター
<値動きを見て怪しければ投売り後ニュースを確認>
筆者曰く、
・情報収集のために普段見ているのは「値動き」と「ツイッター」
であるとのこと。主に
・「値動き」をみて、怪しいと思えば投げ売りして
・ポジションを軽くして、
・とんでもないことが起きても大丈夫なようにする
とのこと。例えば30秒で150円下がった場合は、まず
・日経平均先物1,000枚のうち500枚は投げ売りする
とのこと。その後
・ニュースなどを観る
という順序であるとのこと。
つまり、値下がりした段階でニュースをみるのではなく、まず「損切り」して、その後でニュース等を確認する、と言う順序らしい。
結果として、その急落の原因が
・わからないままでも損失は受け入れてしまう
というスタンスであるとのこと。稀にその後
・何事もなかったかのように元に戻ることもある
とのことだが、
・それはそれで受け入れるしかない
と述べている。
確かに急落しているタイミングで、理由を探しているうちに、更に損が深くなってしまうと目も当てられない。。。
であれば、まず損切りしてから、理由を確認する、というのは合理的だと思われる。
<ツイッターのみで事足りる>
筆者曰く
・大統領選でトランプが勝った時、現地のツイッターが一番早く、その30秒後にロイターやブルームバーグのニュースが来た
・NHKや日本のニュースはその数分後だった
とのこと。その為筆者は
・ニュースは基本はツイッターだけにしている
とのこと。一方
・新聞や雑誌も読むが娯楽に過ぎない
とのこと。
如何にリアルタイム性が重要なのか、ということを物語っている。この時代はメディア企業より、個人のTwitterが早い、というのは驚きだ。
もちろん正確性も大事ではあるが、一定のマスから通知が来れば、信ぴょう性もある、と言うことだろう(もちろんここにもリスクとリターンの関係があるかとは思うが。。)
■14.仕手株が疑われる値動きはチャンス
<値動きの激しい株式は投資効率が良い>
筆者曰く、
・仕手株のような需給がいびつで値動きが激しいものは、デイトレには絶好の素材になる
とのこと。
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仕手(して)とは、人為的に作った相場で短期間に大きな利益を得ることを目的に、公開市場(株式、商品先物、外国為替等)で大量に投機的売買を行う相場操縦の一種(英語のen:Market manipulationに相当)。
摘発が厳格でない事を逆手に取り、脱法・違法まがいの手法を取り入れ価格操作を行う不正な売買筋のことを仕手筋(してすじ)と呼ぶ。
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筆者曰く
・仕手筋がどういう思惑やいきさつで買っているかには興味がない
・仕手株にはすぐ乗って、早めに売ることができれば投資効率がいい
と述べている。
<仕手かどうかに関わらず、シンプルに値動きだけを見て判断する>
結局のところ
・世間で仕手株だと言っている株でも、本当に仕手株なのかは分からない
・一見して仕手に見えても、実はどこが買っているのかわからない
という。すなわち
・仕手か仕手じゃないかをあやしい情報で判断しようとするのではなく、
・値動きだけを見て判断した方がよい
ということである。
なるほど、と思いつつ、仕手の場合、それより「早く」売る必要があるので、その「判断力」と「スピード」が重要になるのであろう。
一瞬の判断ミスや遅れが、大損をすることになるであろうから、ここも大きなリスクであるが、一方で大きなリターンを得られる「チャンス」でもあるだろう。
■15.年金のような「盲目の資金」流入時は儲かりどころ
筆者曰く
・年金、投資信託、海外ファンドなどの機関は、いつからいつまでの期間にこれとこれを何百億円買い付ける、という結論に従って、ディーラーがカチャカチャ買っているだけの場合がある
・このような「盲目の資金」が流入している時には、それに乗っかっているだけで大きく儲けることが出来る
とのこと。逆に流出している時は、
・売り切ったと考えられる直前から買いを狙う
とよいとのこと。
ちなみに、そういったときは「空売り」をすることも稀にあるそうだ
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空売りは、証券会社から株式を借りて売り建て、決済期日までに買い戻して株式を返却し、その差額で利益を狙う取引です。
現物取引では、株価が下落する局面に遭遇した場合、投資行為自体を見送るか、株価が下げ止まるのを待つことしかできませんが、信用取引の空売りを活用すれば、逆風の投資環境下においても、利益を得ることが可能となります。
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以下図解
<参考:空売りの流れ>
・①投資家が証券会社に100株の売り注文を出す
・②③注文を受けた証券会社は、注文の入った株式を自社で融通するか、証券金融会社から調達して投資家に貸し出す
・④株式の貸し出しと同時に、証券会社は株式市場で一旦株式を売却する
・⑤売却した株価が売り建値となり、決済されるまでは証券会社または証券金融会社に担保として預けられる
・売り建てた株価より、安く買い戻しできれば、その差額が空売りの利益となる
・例えば、空売り注文が1,000円で約定した場合、その後株価が下落し、800円で買い戻すことができれば、差額の200円が利益となる。逆に株価が上昇し、1,200円で買い戻しを入れざるを得なくなった場合は、200円の損失となる(取引にかかる諸費用等は考慮していない)
・空売りは、株価下落局面だけでなく、株価がボックス圏で推移する銘柄のボックス上限をターゲットにしたスイングトレードや、上昇トレンド銘柄の上値抵抗ライン接近をターゲットにした逆張りにおいても有効な投資手法となる
と言いつつ、筆者は
・空売りは好きではない
とのこと。理由は、
・売りにコストがかかるのと
・発行済み株式数の0.2%以上を売ると、報告義務が発生して面倒だから(0.2%はすぐにいってしまう)
とのこと。
■まとめ
今回は、特に14と15では、他人のふんどしで土俵を取る、という技を紹介してもらった。
仕手筋だったり、盲目の資金だったり、と大きく変動するところに乗っかって、大きなチャンスを得る、というやりかただ。
とは言え基本ルールは変わらず、上がれば買い、下がれば即売る、と言うことと言うのが、とてもシンプルでよかった。
このシンプルが出来ないのが、実践で良く分かるんだよね。。(笑)
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