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「○年間非減配」や「連続増配」を”無条件に”信じ過ぎる件について。減配・無配は起こるもの、とその対策(初級)

【前書き】

 「○年間非減配」や「〇年間連続増配」、還元政策としての「配当下限」や「DOE」「累進配当」はお好きですか? 《何をいきなり当たり前のことを》と思われるかもしれませんが、私も勝手に《ふつうは好きだよな》と思っています。特に「累進配当」であれば、少なくとも「中期経営計画」期間中の数年間は”原則”年間配当金が前期以上の額で保証されていて、しかも今の配当額よりも上がる可能性が高いと言ってもらえているわけですから最高ですよね。さらに一般的には、「累進配当」を一度宣言した企業の多くが、余程の業績(見通し)の変化がなければ、同じ還元政策を次期中期経営計画でも継続していく傾向があります。
 ですから、「累進配当」は基本的に他のどの還元政策よりも好ましいものであるはずです。また、累進配当を採用する企業のEPSの推移や今までの増配率などと合わせて見ると、先の配当額がより見通しやすく、複利的増加を見込んだ将来の投資計画も立てやすいので、私も「累進配当」は大好きです。もちろんその他の累進配当を宣言していない企業でも、長期非減配・連続増配企業(日経連続増配株指数構成銘柄含む)には相応のプライドがありますから、本来であれば簡単には減配とはならないでしょう。(※逆にそのプライドが大きな歪みを生むケースもあります)

た・だ・し、です。

【減配・無配を一生避け続けるのは難しい】

 将来「配当金生活」を送るため、または生活の一部を支えてもらうために、配当株投資を行なっている人は多いと思います。その場合、多くの人が上記「長期非減配連続増配」「累進配当配当下限DOE政策採用」等の銘柄を、ポートフォリオの地盤となる主力準主力に据えていることと思いますが(少なくとも安定配当銘柄主体であってほしいです)、ここで大事なのは、”保有銘柄すべて”の減配無配を避け続けることは、非常に難しいということです。銘柄についていろいろと事前分析、勉強した結果、熱き想いを持って《この企業に長期投資する!》と決めて長い間保有すればするほどにです。

 もちろんやろうと思えば、企業の直近のEPSやBPSの推移、配当性向、自己資本比率等財務指標などのバランスを見たり、その他実態的調査を定期的に行なったりして、《もしかしたら危ないかな》と感じた時に事前に売って逃げることも出来ますが、そのようなことを全保有銘柄で都度繰り返していると、いずれ気付くとは思いますが、そもそも時間的・精神的に厳しいですし、後ほど全体で見たときに結果的に機会損失に繋がっていることも多く、頭で考えるほど簡単ではありません。

 こればかりは自分で経験するしかないので、興味があればやってみるのも良いと思います。IR問い合わせによる教えていただけるレベルでの最新状況の把握など、「弛まぬ努力」と「強運」を併せ持つ人であれば、20年~30年間の長期投資期間中、一度も減配を経験せずに人生を終える可能性も、もしかしたらあるのかもしれません(単数~少数銘柄投資は除く)。

【減配銘柄(クミアイ化学工業の例)】

 まだ最近で皆さんの記憶に新しい減配銘柄で言えば、私もたまたまではありますが ”人気が出る以前から”保有していたクミアイ化学工業があります。クミアイ化学は、私の記憶が正しければ25年間非減配でしたが、2024年10月期で突如の減配を発表。
  これは、(2022年から)2023年にかけての一過性利益のための業績上振れで配当も急騰(22円→45円に増配)していたところ、2024年度を初年度とする中期経営計画で『配当性向30%以上を安定して達成する』と初めて明確に配当性向の目標設定をしたため、

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