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憎き"母乳神話"からの解放

生後7ヶ月の娘は完全母乳で育てていました。
ミルクも足すことなくすべて母乳だけで賄えていました。
離乳食もすごい順調。
食い意地があるのか、はやく口に入れてくれと言わんばかりに泣き散らしながらご飯を食べてくれます。
そんな食欲旺盛な娘とは裏腹に私の乳首は限界を迎えていました。


娘は37週に帝王切開で生まれました。
私は産んだその晩から母乳がつくられ、胸がパンパンガチガチになってしまいました。
搾乳すれば100ml摂れる状態。
助産師さんから「素晴らしい健康的なおっぱいや!」とお墨付きをいただくまでに。
いつでも娘に母乳をやれる状態でした。

ですが娘はなかなかうまく飲めません。
口が小さいのと吸う力がまだ弱いため入院中も退院後もずっと搾乳を摂って哺乳瓶であげていました。

それが3週間ほど続きましたが、ある日突然パクッと乳首に吸い付きちゅーちゅー母乳を吸うようになりました。
そのときの安堵感は今でも忘れません。
なぜならこの子はずっと哺乳瓶なのかと悩んでいたので。

父親にもじいじばあばにも味わえない、母だけがこの子に母乳を与えられる。
この子にとって特別な存在でいれることにすごく誇らしく感じました。

そして今7ヶ月。
母乳をやることに苦痛を感じるようになりました。
下の歯がしっかり生えてきて乳首をゴリっと噛むようになり、あげくは何分間も乳首で遊びます。
乳首遊びを辞めさそうもんならギャン泣きです。
すると乳首と乳輪の間は裂け血が出てはカサブタに、そして傷口が深くなり化膿や水疱ができました。
「こら…あかん」と鏡を見て思わず声に出ました。

「離乳食が順調なら断乳のチャンスやん!」と友達が意気揚々と言いますが母としては寂しさがあります。
娘がおっぱいを飲んでいる姿、手でおっぱいを押さえる仕草、飲みながら寝てしまうあの満足そうな顔。

え、断乳ってこんなにしんどいの?

断乳すればそれらが見られないと思うと涙がじわ〜と出てきます。

実母に背中を押してくれと電話をしました。

「もうええやん!よう(乳首)使ったやん!あんたが思ってるほどM子(娘)はしたたかよ!」

と言ってくれ、なんとか自分なりに納得し断乳を試みました。

断乳してから約2週間経過しました。
娘はおっぱいに執着することなくあっけなく断乳完了したと思われます。
結果論ですが、断乳できてよかったです。
ミルク代や哺乳瓶を洗うという手間はできましたがそれよりもストレスが減りました。
やはり授乳時間の長さや痛みのストレスは大きかったようです。

でもなぜ私は完全母乳にこだわっていたのか。
なぜ断乳を躊躇していたのか。
寂しさはもちろんありましたが、根底にあるのは"母乳神話"の呪縛。

"母乳神話"とは母乳をただただ肯定したことを文にしているものです。
ミルク育児では子どもへの愛情が不足してしまうだの母乳で育ってなんぼだのとむかーしから言われています。
一理ありだとは思います。
実際子どもにとっておっぱいは母乳を飲むためだけでなく精神を安定させる"モノ"でもあります。
泣けばすかさずおっぱいを咥えさせるお母さんはいっぱいいますし私もそうでした。
母乳神話を悪だとは思いませんが母乳だけを肯定してしまえば完全ミルクは悪だと捉える人は必ずしもいるはず。
現に私もその"母乳神話"とやらに苦しまされました。

母乳が正義のような考え方は出産した女性にとって一つの大きなストレスです。
母乳で育った方が優秀!ミルクで育った方は凡人!のような統計などどこにもありません。
言い伝えのような根拠のない情報に惑わされることはないのです。今は私も腑に落とすことができました。
母乳やミルクで愛情の量は測ることは不可能です。
大切なのは子どもと向き合うことだと私は思います。

何が良くて何が悪いということはなーい!はず!

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